アフター・アース

アフター・アース “After Earth”

監督:M・ナイト・シャマラン

出演:ジェイデン・スミス、ウィル・スミス、ソフィー・オコネドー、
   ゾーイ・クラヴィッツ、リンカーン・ルイス、サッシャ・ダーワン、
   クリス・ギア、イザベル・ファーマン、クリストファー・ヒヴュ、
   デヴィッド・デンマン、ダレル・フォスター

評価:★




 どうして恐竜の一匹や二匹、登場させなかったのだろう。『アフター・アース』のことだ。舞台は人間が宇宙で暮らす未来の地球だ。環境破壊の進んだ地球は人間に対して攻撃を始め、人間は別の惑星で生きるしかなくなったのだという。その地球に主人公父子が墜落する。果たして地球は原始の世界に生まれ変わっていた。でもだからって、鬱蒼と生い茂る木々ぐらいしか風景が出てこないとはこれいかに。生物はというとサル、トラ、イノシシ、ヘビ、ワシといった動物の大型タイプで、それがちょこちょこと襲い掛かり、寒暖差が激しいことぐらいしか、危険なことはないのだ。これならちょいと工夫すれば、地球に住めるんじゃないか?

 生温い「敵」の数々に立ち向かうのはジェイデン・スミスだ。「ベスト・キッド」(10年)から3年、随分大きくなったけれど、生意気さを微笑ましく見ていられたあの頃と違い、苛立ちを誘うばかりだ。偉大なる父を持つ彼は必死に一人前になろうとするものの、窮地になると泣きべそをかき、的確な指示が出ても我を忘れて暴走し、自ら事態をややこしくしている。その彼が成長するストーリーだと承知はできても、普段はイッチョ前に偉そうなことばかり言うから、寛容は消え失せる。

 イライラのもうひとつの原因は父親役の俳優にある。ウィル・スミスが演じていて、つまりハリウッドを代表する父息子俳優の仲良し共演が売りになるのだけれど、息子が可愛くて可愛くて仕方がないパパが息子を大スターにさせるべく一肌脱いだ感があまりに強い。パパは潔く引き立て役になっていて、でもそれだけじゃストレスが溜まる。

 何しろパパは墜落の際に両脚を骨折、宇宙船の中から息子に指示を出すだけなのだ。パパが演じるのは恐怖をコントロールする人類最強の戦士という設定だというのに、闘う場面が全くない。乗組員が二人以外全身死ぬという大事故なのに、通信機能だけは生きているという都合の良い状況下、パパが息子の冒険を観察し一喜一憂する。物語上はスパルタ教育的な雰囲気を出しながら、その実、親バカ宣言をしているに過ぎない。どうだ、俺の息子、スター性あるだろう。どうでもいいよ。親バカはちょっと匂わせる程度が丁度良い。

 あまりに何も起こらない展開で、最も苦痛だったのは衣装だ。気温によって色がくるくる変わるスーツが、激安店で調達しましたと言わんばかりのチープさ。デザインは3分で考えたように安易で、素材は身体にフィットし過ぎて息苦しい。クライマックスで突然スーパーサイヤ人的に強くなる少年が(如意棒みたいな武器はちょっとだけ面白い)、最後までカッコ良く見えない。パパ、もっと良い服買ってあげてよ。

 パパ スミスが出ているのにユーモアが排除された大間違いの世界観の中、最も可笑しい件は序盤にある。人間にとって英雄であるパパ スミスに向かって部下が敬礼をする場面。パパ スミスが皆に尊敬されているところを目の当たりにした息子スミスの表情が良いのだ。「オヤジ、すげぇ!」。パパ スミスが息子スミスへの意地を見せる瞬間だ。





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