ファインド・アウト

ファインド・アウト “Gone”

監督:エイトール・ダリア

出演:アマンダ・セイフライド、ウェス・ベントレー、ダニエル・サンジャタ、
   キャサリン・メーニッヒ、セバスチャン・スタン、マイケル・パレ、
   ジェニファー・カーペンター、エミリー・ウィッカーシャム

評価:★★




 一年前、誘拐・監禁現場から逃げ出した女が主人公。今度はその妹が、パジャマを着たまま忽然と姿を消す。主人公は犯人が戻ってきたことを直感し、妹の救出に奔走する。大変分かりやすい緊迫した状態。サスペンス要素はたっぷり。それにも関わらず、妙に呑気な気分。犯人探しよりも、その原因の方が気になって気になって…。

 妹をさらったのは誰なのか。彼女は助かるだろうか。主人公の精神状態は正常なのか。物語を引っ張る軸は非常にシンプルで、それを贅沢に装飾すれば良いのに、作り手の興味は明らかに別のところにある。警察批判だ。映画を観ていると、警察の無能ぶりに苛立ちを誘われることは少なくないけれど、そういうレヴェルではない。主人公の訴えを妄想だと片づけ、そればかりか彼女を精神異常者として追い掛ける。それを強調することに賭けた編集で、中盤など警察と主人公の不毛な追いかけっこが見せ場になっている。アメリカに限らず、警察が動かなかったことで事件が防げなかった事件は多いだろう。一向に改善されない現状への警告が煩い。いや、ホント、真面目に警察批判。脚本家よ、現実社会で何かあったのか。

 レストランでウエイトレスとして働くヒロインが犯人を追い詰めるという筋書きからして無理があるのだけれど、その「捜査」が強引を極めるのに笑う。情報になりそうもない情報を重要だと信じ込み、インターネットでチャチャッと手掛かりを入手、実際それが大きな意味を持ち、新しい情報を得るためには周囲の人間を危険に晒し、警察でも辿り着けなかった真実をアッという間に暴いていく。あまりに堂々としていて、ご都合主義がご都合主義に見えないくらいだ。

 いや、面白くなりそうな要素はあるのだ。主人公は両親を亡くしてから心を病み、精神病院に入れられていたという設定。完全に完治したのかどうか、分からない。何しろ彼女は出会う人々に対して、次々と嘘を並べ立てる。情報を引き出すためだったり、警察から逃れるためだったり、理由は様々だけれど、彼女が嘘に慣れていることは分かる。それによって生まれるサスペンスをもっと膨らませるべきだった。若しくは、嘘のスケールを大きくして、ユーモアを爆発させても良い。

 配役のミスリードがあからさまなのには苦笑い。キャストの名前を見て、この俳優は怪しいと閃く人物が二名ほどいる。案の定、彼らは怪しく振る舞う。けれど、彼らだけじゃないのだ。出てくる人間が誰も彼も不穏な表情を浮かべたり不可解な言動を見せる。「推理好きの皆さん、寄ってらっしゃい」と声をかける場面がてんこ盛り。これで納得できる犯人像であれば良いのだけれど、何と言うか、まるで捻りのないそれになっている。そのまんまか!

 アマンダ・セイフライドの目の大きさに改めて驚きながら、実はもっと気になったのは警察署長としてマイケル・パレだ。「ストリート・オブ・ファイヤー」(84年)一本でスターになり、その後輝くことなくC級映画専門俳優となったパレが、完全なる「オッサン」の風貌で登場する。「リンカーン弁護士」(11年)のときもただの「オッサン」だったけれど、ふむ、「オッサン」としては完成度が高い。今後第一線に返り咲く雰囲気が全くないのが哀しいやら可笑しいやら…。せめてずっと映画に出続けて下さい。





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