スケルトン・ツインズ 幸せな人生のはじめ方

スケルトン・ツインズ 幸せな人生のはじめ方 “The Skeleton Twins”

監督:クレイグ・ジョンソン

出演:クリステン・ウィグ、ビル・ヘイダー、ルーク・ウィルソン、
   タイ・バーレル、ボイド・ホルブルック、ジョアンナ・グリーソン、
   キャスリーン・ローズ・パーキンス、アドリアーニ・レノックス

評価:★★★




 コメディを得意とする俳優たちの目が、何か思いつめているようで怖く感じられることは少なくない。誰かに愛されたいという思いの強さが原因のような気がするものの、まあ、それは推測に過ぎない。最近ならジム・キャリー、スティーヴ・カレル、ベン・スティラーあたりが、その代表だ。そして、だからこそ彼らは、謎めいた翳りを帯びた役柄を演じたとき、思いの外ダークでドラマティックなニュアンスを醸し出して面白くなる。『スケルトン・ツインズ 幸せな人生のはじめ方』ではクリステン・ウィグとビル・ヘイダーが双子の姉弟に扮して、複雑な心の宇宙を描き出す。

 ゲイであるヘイダーの自殺未遂から始まる物語は暗い。ウィグだってほとんど同じ時期に自殺を試みようとしていたのだ。長い間疎遠だった彼らが事件をきっかけに再会し、再び人生に仄かな光を灯す。ただし、簡単ではない。だってそうだろう。理解あるウィグの夫。ウィグと関係を持つスキューバダイヴィングのインストラクター。ヘイダーと関係を持っていた元英語教師。父の死後、彼らを捨てた母。ふたりの関係だけでも厄介なのに、問題を運ぶ人物の登場が途切れない。

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ラスト5イヤーズ

ラスト5イヤーズ “The Last Five Years”

監督:リチャード・ラグラヴェネーズ

出演:アンナ・ケンドリック、ジェレミー・ジョーダン

評価:★




 男は小説家志望。女は女優志望。夢を叶えようと奮闘するニューヨーク・カップルの5年間を描く物語は、いたって単純だ。片方が成功し、片方が落ちぶれる「スタア誕生」(37年)式の展開も目新しくない。オフブロードウェイ劇から映画へと翻訳されるほどの魅力はどこにあるのか。『ラスト5イヤーズ』は見せ方にポイントがある、ということらしい。

 ことらしい、というのは、そういう構成を選ぶ意味がさっぱり分からないからだ。物語はいきなり、男にアパートから出て行かれた女の場面から始まり、と思ったらふたりが仲良く愛を語らう幸せ場面へと飛ぶ。この映画、カップルの5年をシャッフルして描くのだ。法則はない。次から次へと時制が飛び、幸せと不幸せの波が交互に押し寄せる。

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May 22-24 2015, Weekend

◆5月第4週公開映画BUZZ


トゥモローランド “Tomorrowland”
 配給:ディズニー
 監督:ブラッド・バード
 Budget:$190,000,000
 Weekend Box Office:$33,028,165(3972)
 OSCAR PLANET Score:56.5
 Oscar Potential:作品賞、監督賞、脚本賞
           主演男優賞:ジョージ・クルーニー
           主演女優賞:ブリット・ロバートソン
           助演女優賞:ラフィー・キャシディ
           撮影賞、編集賞、美術賞、衣装デザイン賞、メイキャップ&ヘアスタイリング賞
           視覚効果賞、録音賞、音響効果賞、作曲賞

“Poltergeist”
 配給:ユニヴァーサル
 監督:ギル・キーナン
 Budget:$35,000,000
 Weekend Box Office:$22,620,386(3240) Good!
 OSCAR PLANET Score:46.7
 Golden Globe Potential:作品賞、監督賞、脚色賞
                主演男優賞:サム・ロックウェル
                主演女優賞:ローズマリー・デウィット
                視覚効果賞、録音賞、音響効果賞

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パレードへようこそ

パレードへようこそ “Pride”

監督:マシュー・ワーカス

出演:ベン・シュネッツァー、ジョージ・マッケイ、
   イメルダ・スタウントン、ビル・ナイ、パディ・コンシダイン、
   アンドリュー・スコット、ドミニク・ウエスト、ジョセフ・ギルガン、
   フェイ・マーセイ、フレディ・フォックス

評価:★★★




 ゲイ活動家グループが炭鉱労働組合に協力しようとする動機が腑に落ちる。1984年当時のイギリスはマーガレット・サッチャー政権。サッチャーが目指したのは大規模な炭鉱閉鎖案と同性愛排除で、つまりゲイグループは敵の敵は味方だという理屈から動き始める。この構図、シンプルにして実は、日常という極めて身近な場所で頻繁に見られるものだ。

 『パレードへようこそ』はゲイグループの炭鉱労働組合への支持表明から始まる出来事の顛末を、「ブラス!」(96年)「フル・モンティ」(97年)「リトル・ダンサー」(00年)のノリで描く。社会的に追い詰められた者たちが、情や仲間との繋がりがもたらす精神力、偏見をバネにした跳躍力を武器に、力を振り絞る。そこに人間の底力を見る。このパターンは、分かっていても気持ち良い。

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ライフ・オブ・クライム

ライフ・オブ・クライム “Life of Crime”

監督:ダニエル・シェクター

出演:ジェニファー・アニストン、ジョン・ホークス、モス・デフ、
   ティム・ロビンス、アイラ・フィッシャー、マーク・ブーン・ジュニア、
   ウィル・フォーテ、チャーリー・ターハン

評価:★★




 1978年冬のデトロイトを舞台にした『ライフ・オブ・クライム』は恍けた映画だ。とある小悪党たちが富豪の妻を誘拐し身代金を要求するも、実は富豪夫妻は離婚寸前で、夫は金を払おうとしない。このオフビートな匂い、前にも嗅いだことがある。そう思ったら原作はエルモア・レナードではないか。しかも「ジャッキー・ブラウン」(97年)の前日譚にあたる小説の映画化になる。

 そんなわけで材料は揃っている。計画が思うように進むわけはなく、無駄口と逸脱を繰り返しながら、予想外の方向に転がっていく。いかにもレナード的なプロット。それなのにどうも活気づかない。暴力描写や血の量は抑えられているし、役者も出来の悪い者はいない。70年代のテイストも郷愁を誘って悪くない。それなのに何故。

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シンデレラ

シンデレラ “Cinderella”

監督:ケネス・ブラナー

出演:リリー・ジェームズ、ケイト・ブランシェット、リチャード・マッデン、
   ステラン・スカルスガルド、ノンソー・アノジー、ソフィー・マクシェラ、
   ホリデイ・グレインジャー、デレク・ジャコビ、ベン・チャップリン、
   ヘイリー・アトウェル、ヘレナ・ボナム=カーター

評価:★★★★




 誰もが知る『シンデレラ』の21世紀ヴァージョンで何より目を見張るのは、水色の持つパワーだ。シンデレラのイメージカラーは水色。それもそのはず、彼女は大抵水色の服で通す。薄汚れた普段の水色の服でも可愛らしいものの、舞踏会場面、魔法をかけられたときの水色ドレスが素晴らしく綺麗だ。水色は水色でも、シアン(或いはセルリアンブルーに近いか)。清楚でありながら、躍動感もたっぷり。王道のプリンセスドレスを手掛けたのはサンディ・パウエル。さすがのお仕事。

 ただ、水色を着こなすのは案外難しい。袖を通す本人に別の色がついていると、途端に水色が淀む。その難題を優雅にクリアしたリリー・ジェームズ、ズバリ適役。美しいブロンド。仄かにピンクの注す頬。リリー・コリンズより洗練された太い眉。張っていながら丸味のある優しいエラ。表情豊かな眼差し。そして、これ以上ないくらい細く絞ったウエスト。ここまで細いウエストは「エイジ・オブ・イノセンス 汚れた情事」(93年)のときのウィノナ・ライダー以来ではないか。

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あの日の声を探して

あの日の声を探して “The Search”

監督:ミシェル・アザナヴィシウス

出演:ベレニス・ベジョ、アネット・ベニング、マクシム・エメリヤノフ、
   アブドゥル・カリム・マムツィエフ、ズフラ・ドゥイシュヴィリ、
   レラ・バガカシュヴィリ、ユーリー・ツリーロ

評価:★★




 口の利けない9歳の少年が出てくる。『あの日の声を探して』は第二次チェチェン紛争が背景にあり、両親が殺されるところを目撃した少年は、ショックのあまり声を失ってしまうのだ。少年はしかし、その表情で言わんとすることを丁寧に伝える。監督は「アーティスト」(11年)のミシェル・アザナヴィシウス。言葉より人の顔(或いは身体)に関心があるようだ。

 アザナヴィシウスは大きく分けて三つの視点から紛争を見つめる。ひとつは家族を失ったチェチェン少年の視点。それから少年を保護することになるEU勤務の女の視点。最後に強制的に兵士にさせられるロシア青年の視点。いずれも斬り口が異なる。

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恋するふたりの文学講座

恋するふたりの文学講座 “Liberal Arts”

監督・出演:ジョシュ・ラドナー

出演:エリザベス・オルセン、リチャード・ジェンキンス、アリソン・ジャニー、
   ジョン・マガロ、エリザベス・リーサー、ケイト・バートン
   ロバート・デシデリオ、ザック・エフロン、クリステン・ブッシュ、
   アリ・アン、グレッグ・エデルマン

評価:★★★




 ジョシュ・ラドナーは「ハッピーサンキューモアプリーズ」(11年)でも大人になり切れない男を演じていた。ずっと自分について考え続けているのだろうか。まあ、彼の場合、答えのない答えに考えを巡らせても深刻にならないのが良い。『恋するふたりの文学講座』は軽やかなコメディだ。大学のキャンパスに何本も立っている木々と同じ、グリーンのイメージがある。

 ラドナーはニューヨーク在住の35歳の中年男だ。その彼が大学の恩師の退職記念のスピーチを頼まれてオハイオの田舎に戻る。そこで出会う人々の交流が自分探しに繋がっていく。まあ、目新しい内容ではない。最近なら「草食男子の落とし方」(09年)が全く同じ筋立てだ。

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May 15-17 2015, Weekend

◆5月第3週公開映画BUZZ


マッドマックス 怒りのデス・ロード “Mad Max: Fury Road”
 配給:ワーナー・ブラザース
 監督:ジョージ・ミラー
 Budget:$150,000,000
 Weekend Box Office:$45,428,128(3702) Great!
 OSCAR PLANET Score:93.4 BIG WAVE!
 Oscar Potential:作品賞、監督賞、脚色賞
           主演男優賞:トム・ハーディ
           助演女優賞:シャーリズ・セロン
           撮影賞編集賞、美術賞、衣装デザイン賞、メイキャップ&ヘアスタイリング賞
           視覚効果賞録音賞音響効果賞作曲賞

ピッチ・パーフェクト2 “Pitch Perfect 2”
 配給:ユニヴァーサル
 監督:エリザベス・バンクス
 Budget:$29,000,000
 Weekend Box Office:$69,216,890(3473) Great!
 OSCAR PLANET Score:65.7
 Golden Globe Potential:作品賞、監督賞、脚本賞
                主演女優賞:アンナ・ケンドリック
                助演女優賞:レベル・ウィルソン

“Every Secret Thing”
 配給:Starz
 監督:エイミー・バーグ
 Budget:-
 Weekend Box Office:$97,020(20)
 OSCAR PLANET Score:42.5
 Oscar Potential:作品賞、監督賞、脚色賞
           主演女優賞:エリザベス・バンクス
           主演女優賞:ダニエル・マクドナルド
           助演女優賞:ダコタ・ファニング
           助演女優賞:ダイアン・レイン

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セッション

セッション “Whiplash”

監督:デイミアン・チャゼル

出演:マイルズ・テラー、J・K・シモンズ、ポール・ライザー、
   メリッサ・ブノワ、オースティン・ストウェル、ネイト・ラング

評価:★★★★




 滴る汗。飛び散る唾。矢継ぎ早に投げ掛けられる過激な言葉。舞い上がる血飛沫。朦朧たる意識。…まるでどこかの国のスポ根漫画のようだけれど、どっこい『セッション』は音楽映画だ。超のつく一流音楽学校の中でも最上位に位置するバンドに入った若きジャズドラマー、マイルズ・テラーが、身も心もボロボロになる。そこに音楽という言葉から連想する甘美な匂いは皆無だ。鬼教師J・K・シモンズがいるからだ。

 シモンズが演じる音楽教師の造形がとにかく強烈だ。音楽に厳しいなんてもんじゃない。自ら指揮を執って紡ぎ上げる音楽こそ己の命。その灯を消すことは許さない。消すくらいならばお前の命を奪ってくれる。その迫力で生徒たちにほんの僅かなミスも許さない。そのためには汚い言葉は当たり前。差別用語を叩きつけるように吐き出し、傍らにある固形物を放り投げ、張り手をお見舞いする。しかも、やり口がしつこい。その姿はまるで、生徒を挫折に導くことを生き甲斐にしているかのようだ。

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インヒアレント・ヴァイス

インヒアレント・ヴァイス “Inherent Vice”

監督:ポール・トーマス・アンダーソン

出演:ホアキン・フェニックス、ジョシュ・ブローリン、オーウェン・ウィルソン、
   キャサリン・ウォーターストン、リース・ウィザースプーン、
   ベニチオ・デル・トロ、ジェナ・マローン、マヤ・ルドルフ、
   エリック・ロバーツ、セレナ・スコット=トーマス、マーティン・ショート

評価:★★★★




 一枚のコルクボードがある。ポール・トーマス・アンダーソンはそこに、メモを一枚一枚ピンで留めていく。規則性はない。メモ用紙の色はバラバラで良い。メモとメモが重なっても気にしない。上下逆でも問題ない。破れていてもどうなるわけでもない。そうして『インヒアレント・ヴァイス』は出来上がる。当然形は歪だ。けれどこれが、面白いの何の。

 トマス・ピンチョンの探偵小説の映画化だ。ヒッピー崩れの私立探偵の元にかつて交際していた美女が依頼に来る。不倫相手の妻とその愛人が仕掛けようとしている悪巧みを何とかして欲しいのだという。果たして、探偵は動き出すも、依頼人と不倫相手である富豪が失踪する以外、事件が進展する様子がない。

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ワイルド・スピード SKY MISSION

ワイルド・スピード SKY MISSION “Furious 7”

監督:ジェームズ・ワン

出演:ヴィン・ディーゼル、ポール・ウォーカー、ドウェイン・ジョンソン、
   ジェイソン・ステイサム、ミシェル・ロドリゲス、
   ジョーダナ・ブリュースター、タイリース・ギブソン、
   クリス・“リュダクリス”・ブリッジス、エルサ・パタキ、
   ルーカス・ブラック、ジャイモン・ハンスゥ、トニー・ジャー、
   ロンダ・ラウジー、ナタリー・エマニュエル、カート・ラッセル、
   ルーカス・ブラック、ルーク・エヴァンス、サン・カン

評価:★★★




 結婚して子どももできたポール・ウォーカーとジョーダナ・ブリュースターを眺めていてふと思う。「ワイルド・スピード」シリーズがしぶとく生き長らえているのは、単純さが関係している。危険な世界から足を洗ったウォーカーは幸せに包まれながら、物足りなさを感じている。そんな夫の気持ちを察したブリュースターは、命の保障がない任務に向かうよう彼に言うのだ。引き止める構図が一切出てこない。もはや潔い。

 ただ、単純化を極めても、回を重ねるごとにカーアクションのアイデアは厳しくなる。どうしても似たり寄ったりになる。『ワイルド・スピード SKY MISSION』が賢かったのは、それを承知し、アクションのポイントに縦の要素を持ち込んだことだ。大きく分けて三つある大きな見せ場では、いずれも横に動くしかない車という乗り物を使いながら、視覚を上下に動かす。

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グッド・ライ いちばん優しい嘘

グッド・ライ いちばん優しい嘘 “The Good Lie”

監督:フィリップ・ファラルドー

出演:アーノルド・オーチェン、ゲール・ドゥエイニー、エマニュエル・ジャル、
   リース・ウィザースプーン、コリー・ストール

評価:★★




 エンドクレジットが流れる直前のテロップで、南スーダン難民への支援が呼び掛けられる。なるほど納得だ。『グッド・ライ いちばん優しい嘘』は物語云々、登場人物云々は、さほど重要ではない。現実世界で何が起こっているかを訴え、かつ啓蒙することが、第一目的ではないか。道徳の授業でも受けている気分。

 それならば冒頭、たっぷり30分かけて描かれるスーダン、いやアフリカの多くで起こった厳しい現実に焦点を絞れば良いだろう。それだけの力を持ったエピソードが次々出てくる。突然襲い来る兵士。ヘリコプターからの銃弾。残らず命を落とす大人たち。死んだふりが功を奏する窮地。子どもたちだけの大陸大移動。チーターの獲物の横取り。尿による水分補給。死体が流れる川の横断。星空の下での野宿。引き離される兄弟。

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プールサイド・デイズ

プールサイド・デイズ “The Way, Way Back”

監督・出演:ナット・ファクソン

出演:リアム・ジェームズ、サム・ロックウェル、スティーヴ・カレル、
   トニ・コレット、アナソフィア・ロブ、アリソン・ジャニー、
   マヤ・ルドルフ、ロブ・コードリー、アマンダ・ピート、
   リヴァー・アレクサンダー、ゾーイ・レヴィン、ジム・ラッシュ

評価:★★★




 主人公である14歳の少年ダンカンがアルバイトをするプールには巨大な滑り台がある。高所からプールに向かい曲がりくねって伸びるチューブ。それは少年の抱えるもやもやの別の姿だ。今自分は人生のどこにいてどうやって立っているのか、さっぱり分からない。出口はどこにあるのだろう。

 『プールサイド・デイズ』は所謂「ひと夏の成長」映画だ。思春期真っ只中。身体は急激に変化。悩みはてんこ盛り。妄想は花盛り。そういうどこにでもいる少年(少し前ならローガン・ラーマンが演じていただろう)が、夏休み、いつもとは違う経験をすることにより、劇的な内面変化を遂げる。古今東西、創られてきた定番ジャンル。アルバイト先の人間関係が物を言うという点を考えると、「アドベンチャーランドへようこそ」(09年)にイメージが近いか。

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May 8-10 2015, Weekend

◆5月第2週公開映画BUZZ


“Hot Pursuit”
 配給:ニューライン、MGM
 監督:アン・フレッチャー
 Budget:$35,000,000
 Weekend Box Office:$13,942,258(3003)
 OSCAR PLANET Score:21.2 BIG BOMB!
 Razzie Potential:作品賞監督賞脚本賞
           主演女優賞:リース・ウィザースプーン
           助演女優賞:ソフィア・ヴェルガラ

“The D Train”
 配給:IFCフィルムズ
 監督:ジャレッド・ポール、アンドリュー・モーゲル
 Budget:-
 Weekend Box Office:$447,524(1009) zzz...
 OSCAR PLANET Score:52.0
 Golden Globe Potential:主演男優賞:ジャック・ブラック

“Maggie”
 配給:ロードサイド・アトラクションズ
 監督:ヘンリー・ホブソン
 Budget:$4,000,000
 Weekend Box Office:$131,175(79) zzz...
 OSCAR PLANET Score:52.4
 Oscar Potential:主演男優賞:アーノルド・シュワルツェネッガー
           主演女優賞:アビゲイル・ブレスリン

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マジック・イン・ムーンライト

マジック・イン・ムーンライト “Magic in the Moonlight”

監督:ウッディ・アレン

出演:コリン・ファース、エマ・ストーン、マルシア・ゲイ・ハーデン、
   ジャッキー・ウィーヴァー、アイリーン・アトキンス、
   ハミッシュ・リンクレイター、サイモン・マクバーニー

評価:★★★




 毎年一本の映画製作を半世紀も続けているのだから、ウッディ・アレン映画が似たり寄ったりにするのは致し方ないところかもしれない。「マッチポイント」(05年)や「ミッドナイト・イン・パリ」(11年)「ブルージャスミン」(13年)等、変化球を投げれば思いがけないところに球は決まる。しかし、ロマンティック・コメディで直球を投げると、アレンがアレンを語るミットの中央からずれることがない。人はそれをマンネリと呼ぶ。けれどもそこはアレン、趣味の良さで乗り切ってしまうのだから、うん、やはり偉大な監督に違いはない。本人はそう呼ばれるのを嫌うだろうけれど。

 『マジック・イン・ムーンライト』など、いかにもアレンが好みそうなアイテムがてんこ盛りだ。皮肉に塗れたマジシャン。可愛らしくも胡散臭い霊媒師。1920年代。当時の車。スーツ。ワンピース。花飾り。ハット。森の中の邸。天文台。食器。椅子。深刻になりそうでならない人間関係。対立から始まる恋。止まらない悪態。真心。ハッピーエンドへのウインク。

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ギリシャに消えた嘘

ギリシャに消えた嘘 “The Two Faces of January”

監督:ホセイン・アミニ

出演:ヴィゴ・モーテンセン、キルスティン・ダンスト、
   オスカー・アイザック、デイジー・ビーヴァン

評価:★★★




 パトリシア・ハイスミスの小説を原作にした『ギリシャに消えた嘘』の話の大半は、3人のアメリカ人によって進められる。ギリシャ旅行中の夫婦、そしてガイドを務める青年だ。一見円満な夫婦と朗らかな青年。しかし、別の顔が現れるのは早い。果たして、夫が殺人を犯すのだ。

 何と言っても、悪の匂いが愉快だ。…と言っても、重みも華もない。実は詐欺師である夫と彼が稼ぐ金の恩恵を受けて優雅に暮らす妻。旅行客から「手数料」をくすねる青年。そう、彼らは悪党は悪党でも、小悪党というやつだ。浮世離れしない小心と密着した悪が、いかがわしくも、愛しく感じられる。

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最高の人生の描き方

最高の人生の描き方 “And So It Goes”

監督・出演:ロブ・ライナー

出演:マイケル・ダグラス、ダイアン・キートン、スターリング・ジェリンズ、
   スコット・シェパード、フランキー・ヴァリ、パロマ・グスマン、
   フランシス・スターンハーゲン、アンディ・カール

評価:★★




 ロブ・ライナーが第一に目指したのは、マイケル・ダグラスを可愛らしく撮ることなのではないか。ピンクのハイソックス。サンドイッチの頬張り。ぬいぐるみとのツーショット。犬とのドライヴ。遊園地で笑顔。いかつい男から愛敬を引き出すのは、トミー・リー・ジョーンズの例もあるように案外難しいことではない。『最高の人生の描き方』のダグラスは、なるほど気難しいという設定の割に親しみやすい。

 それはひょっとすると老いと関係があるのだろう。と言うのもダグラス、ジイサンと呼ぶに相応しい年齢になり、父カークにいよいよそっくりになってきた。親子なのだから当たり前とは言え、整形色の強い目周りはもちろん、身体の動きが、老いてからのカークと瓜二つ。カークも老いてから丸味が出た。アクセントはスケベ心を忘れないところで、それが生来のギラギラ感、そして枯れてきた皮膚の性質と面白いバランスを作っている。ちょっとみのもんたに見えるときもあるんだけどサ。

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テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

May 1-3 2015, Weekend

◆5月第1週公開映画BUZZ


アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン “Avengers: Age of Ultron”
 配給:ディズニー
 監督:ジョス・ウェドン
 Budget:$250,000,000
 Weekend Box Office:$191,271,109(4276) Great!
 OSCAR PLANET Score:70.2
 Oscar Potential:撮影賞、編集賞、メイキャップ&ヘアスタイリング賞
           視覚効果賞録音賞音響効果賞

“Far From the Madding Crowd”
 配給:フォックス・サーチライト
 監督:トマス・ヴィンターベア
 Budget:-
 Weekend Box Office:$164,985(10) Good!
 OSCAR PLANET Score:76.9
 Oscar Potential:作品賞、監督賞、脚色賞
           美術賞衣装デザイン賞
           主演男優賞:マティアス・スーナールツ
           主演女優賞:キャリー・マリガン
           助演男優賞:マイケル・シーン
           助演女優賞:トム・スターリッジ

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ジャンル : 映画

お知らせ

FILM PLANET blogは今週お休みします。ゴールデンウィーク休暇です。

ただし、木曜日のQuick BUZZのみ更新します。

更新の再開は5月11日からになります。

どうぞよろしくお願いします。

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テーマ : ◇つぶやき◇
ジャンル : ライフ

バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)

バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡) “Birdman: Or (The Unexpected Virtue of Ignorance)”

監督:アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ

出演:マイケル・キートン、エマ・ストーン、エドワード・ノートン、
   ナオミ・ワッツ、ザック・ガリフィアナキス、エイミー・ライアン、
   アンドレア・ライズボロー、リンゼイ・ダンカン

評価:★★★




 アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥが喜劇を撮る。…と言っても、分かりやすさと低俗さを目指した映画になんかなるわけがない。イニャリトゥが狙いを定めるのは、意外やショービズ界だ。それもハリウッドではなく、ブロードウェイというのが意表を突く。かつてヒーロー映画のバードマン役で頂点を極めながら、今は落ちぶれてしまった主人公の再生…というシンプルなテーマ。その厚みとコクに捻りがある。

 ショービズ界が抱える悪夢はもちろん無視されない。名声にまつわる栄光と没落。金の動き。俳優のエゴ。成功への長き道。演技論。批評家の存在。世間の見る目。リハビリ施設を出たばかりの娘との関係も加わり、主人公は再び飛翔するため、様々な障害を飛び越えなくてはならない。彼がそれに衝突する度に、滑稽味と哀しみを湛えた笑いが花火のように散る。イニャリトゥはそれを頭でっかちに評価しない。

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テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

カフェ・ド・フロール

カフェ・ド・フロール “Café de Flore”

監督:ジャン=マルク・ヴァリー

出演:ヴァネッサ・パラディ、ケヴィン・パラン、エレーヌ・フロラン、
   エヴリーヌ・ブロシュ、マラン・ゲリエ、アリス・デュボワ、
   エヴリン・ドゥ・ラ・シェネリエール、ミシェル・デュモン、リンダ・スミス

評価:★




 ふたつの時代と場所が描かれる。ひとつは1969年のパリ、もうひとつは2011年のモントリオールだ。前者はシングルマザーの美容師とダウン症の息子、後者は人気DJと元妻、新しい恋人が主人公になる。ジャン=マルク・ヴァリー監督はふたつの物語を並行して語り、ある着地点に辿り着く。これがとんでもなく独り善がりだ。

 それぞれの物語には映画的な大きなドラマは起こらない。パリではダウン症ならではの苦労が、モントリオールでは男女の別れにまつわる普遍的な苦しみが浮上する。ヴァリーの興味はそれを掘り下げる点にはない。ふたつの物語の接着こそが最大の関心事だ。そしてこれが間違いの元。

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