暮れ逢い

暮れ逢い “A Promise”

監督:パトリス・ルコント

出演:レベッカ・ホール、アラン・リックマン、リチャード・マッデン、
   マギー・スティード、トビー・マーリー、シャノン・タルベット

評価:★★




 雨の中、レベッカ・ホールが立っている。彼女を見つけたリチャード・マッデンが馬車の中に招き入れ、彼女の冷えた手に息を吹きかけて揉み解しながら温める場面がある。咄嗟にマーティン・スコセッシ監督の名作「エイジ・オブ・イノセンス 汚れなき情事」(93年)を思い出す。ダニエル・デイ=ルイスとミシェル・ファイファーがやはり馬車の中で互いを求めていた。そして首を傾げる。スコセッシとパトリス・ルコントの差って何だろう。ホンモノとニセモノの違いはどこにあるのだろう。

 『暮れ逢い』はドイツを舞台にした英語作品だけれど、基本、いつものルコント映画だ。すなわちルコントによる片想いの美学、擦れ違いの美学の連打だ。そしてやっぱりか、ルコントのそれは胡散臭くていけない。ルコントは常に官能を念頭に置いて画面を設計するものの、どれもこれも、モテない男が、それでも俺は君を愛し続けると陶酔に耽る画ばかりだ。

 人知れず彼女が弾くピアノの匂いを嗅ぐ。バスタブに浸かる彼女の鼻歌を盗み聞きする。観劇中の彼女のうなじを見つめ続ける。変態の入った(別に悪いことではない。普通だ)想いや言動を過剰に尊び、それどころかこれぞ本当の愛だと悦に入る。馬車場面も、抑え切れないものが溢れ出たというより、本能が変態的に暴走したようにしか見えない(繰り返すけれど、悪いことではない)。もちろん官能からは程遠い。

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おやすみなさいを言いたくて

おやすみなさいを言いたくて “Tusen ganger god natt”

監督:エリック・ポッペ

出演:ジュリエット・ビノシュ、ニコライ・コスター=ワルドー、
   ローリン・キャニー、ラリー・マレン・ジュニア、
   マリア・ドイル・ケネディ、マッツ・オウスダル

評価:★★★




 仕事と家庭の両立…なんてよく聞く言葉で括るのは失礼だろう。『おやすみなさいを言いたくて』の主人公の職業は戦場カメラマンだ。擦れ違い云々以外にも深刻な苦悩が横たわる。それを見逃さないところに好感が持てる。

 第一に命の危険が伴う仕事であること。紛争地域に行けば、どれだけ用心していても、死へ近づくことは明白だ。ゆえに夫や娘たち、家族は安否について気が気ではない。第二に自己責任という言葉がつきまとうこと。基本的に撮りたいもの(撮るべきもの)を撮る。そのためには多少の無茶が必要になる。

 作り手はこの職業の過酷さと意義を認めている。犠牲は大きい。不安は膨大に膨れ上がる。それでも彼らが写真を撮る価値はある。真実を世に知らしめるたった一枚が、世界を動かすことだってある。けれどこれは、多くの人が忘れがちなことだ。とりわけ「事件」になったときは、皆、都合良くそれを忘れる。

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January 23-25 2015, Weekend

◆1月第4週公開映画BUZZ


“Cake”
 配給:シネロウ・リリーシング
 監督:ダニエル・バーンズ
 Budget:$7,000,000
 Weekend Box Office:$916,179(482) zzz...
 OSCAR PLANET Score:52.8
 Oscar Potential:主演女優賞:ジェニファー・アニストン

“The Humbling”
 配給:ミレニアム・フィルムズ
 監督:バリー・レヴィンソン
 Budget:-
 Weekend Box Office:-
 OSCAR PLANET Score:56.9
 Oscar Potential:主演男優賞:アル・パチーノ

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ニューヨークの巴里夫

ニューヨークの巴里夫 “Casse-tête chinois”

監督:セドリック・クラピッシュ

出演:ロマン・デュリス、オドレイ・トトゥ、セシル・ドゥ・フランス、
   ケリー・ライリー、サンドリーヌ・ホルト、マルゴー・マンサール、
   パブロ・ミュニエ=ジャコブ、フロール・ボナヴェントゥーラ、
   ブノワ・ジャコー、リー・ジュン・リー

評価:★★




 思わず考え込む。「ビフォア」シリーズ(95、04、13年)のリチャード・リンクレイターと『ニューヨークの巴里夫』のセドリック・クラピッシュの違いはどこにあるのだろう。『巴里夫』は「スパニッシュ・アパートメント」(01年)「ロシアン・ドールズ」(05年)に続いてロマン・デュリス演じるグザヴィエを主人公にしたドラマで、相も変わらず、彼は人生にもがいている。ある種の人間は成長しない…なんてセリフが何かの映画に出てきたけれど、グザヴィエはまさにそれだ。なるほど真実だと感じつつ、でもどこか引っ掛かる。

 思うに人は、成長はしなくても変わる。年齢や場所の変化、積み上がる経験、人間関係の移ろいが…意識をせずとも人を変える。成長とは無関係だ。そしてそれが時間の経過と共鳴を見せるとき、周りの空気が動く。リンクレイターはそれを見逃さず、クラピッシュは気づかない。

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ホビット 決戦のゆくえ

ホビット 決戦のゆくえ “The Hobbit: The Battle of the Five Armies”

監督:ピーター・ジャクソン

出演:マーティン・フリーマン、イアン・マッケラン、リチャード・アーミテイジ、
   エヴァンジェリン・リリー、リー・ペイス、ルーク・エヴァンス、
   ベネディクト・カンバーバッチ、ケン・ストット、ジェームズ・ネズビット、
   ケイト・ブランシェット、イアン・ホルム、クリストファー・リー、
   ヒューゴ・ウィーヴィング、オーランド・ブルーム

評価:★★




 前作のクライマックスを飾ったドラゴンがいきなり大暴れする。人間の住む村を火の海へと変え、建物を砕き、死人も多数。これがTVゲームを思わせる映像だったので驚く。本当にピーター・ジャクソンが手掛けたのか。ファンタジーの世界を描き出しながら現実感を決して忘れなかったジャクソンなのに、これは何なのか。

 …と不安な出足の『ホビット 決戦のゆくえ』は、あぁ、やっぱりジャクソン、その後は安定した映像美が続く。灰色がベースで華やかさには欠けるのに、神秘的な匂いが途切れることなく細部まで丁寧に描き込まれる。悪玉として出てくるオークなんかは、造形としては近寄り難いものなのに、それでもなお見入る。隅々まで行き届いたジャクソンのこだわりが形になっているからだ。

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ゴーン・ガール

ゴーン・ガール “Gone Girl”

監督:デヴィッド・フィンチャー

出演:ベン・アフレック、ロザムンド・パイク、ニール・パトリック・ハリス、
   タイラー・ペリー、キム・ディケンズ、キャリー・クーン、
   パトリック・フュジット、デヴィッド・クレノン、リサ・ベインズ、
   ミッシー・パイル、スクート・マクネイリー

評価:★★★★




 「ドラゴン・タトゥーの女」(11年)で目覚めたのだろうか。デヴィッド・フィンチャー監督が再び、物語を語ることに重点を置いた映画を手掛ける。フィンチャーはこれまで、トリッキーだったり技を前面で主張したり映像のインパクトを狙ったり、映画自体の外観が特徴的な作品ばかりだった。『ゴーン・ガール』では物語を導くことに集中し、演出が煩くせり上がらない。いや、その必要がなかったというべきか。まあ、作品の温度が低いのはいつも通りだ。

 夫の母の介護のために都会から田舎へ引っ越してきた夫婦の、5年目の結婚記念日に事件は起こる。夫が帰宅すると家に争った跡があり、妻が行方不明だ。メディアを巻き込んだ警察の大々的な捜査が始まるものの、どういうわけだか、夫が犯人だとしか思えない証拠が次々出てくる。通俗小説の域を出ていないと言われても仕方がない話だ。

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メビウス

メビウス “Moebius”

監督:キム・ギドク

出演:イ・ウヌ、チョ・ジェヒョン、ソ・ヨンジュ

評価:★★★★




 ふと思った。宇宙を見た。

 『メビウス』はファーストシーンからして瞼に残る。テーブルに置かれた父(夫)のスマートフォンに愛人から電話がかかる。母(妻)はそれに応えさせないとばかりに奪いにかかる。果たして始まる取っ組み合い。腕が、足が、相手の顔に食い込む。母は肌色のパンツ丸出しだ。戦いに勝利した父は平然と外で愛人との会話に耽る。高校生の息子はそれを冷めた目で見つめる。思わず吹き出す。

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ザ・ホスト 美しき侵略者

ザ・ホスト 美しき侵略者 “The Host”

監督:アンドリュー・ニコル

出演:シアーシャ・ローナン、ジェイク・アベル、マックス・アイアンズ、
   フランシス・フィッシャー、チャンドラー・カンタベリー、
   ダイアン・クルーガー、ウィリアム・ハート、ボイド・ホルブルック、
   スコット・ローレンス、スティーヴン・ライダー、エミリー・ブラウニング

評価:★




 宇宙から来たその生命体は「ソウル」と呼ばれる。人間の身体を乗っ取り、寄生して生きる。身体を奪われた人間はどうなるか。目の色が変わるのだ。カラー・コンタクトレンズを装着するのだ。たったそれだけなのだ。特別な能力を得るわけでも、最先端の乗り物を運転するわけでも、思いがけない弱点ができるわけでもない。ナニソレ。

 『ザ・ホスト 美しき侵略者』のやる気のない設定はおそらく、ステファニー・メイヤーの小説と同じなのだろう。メイヤーは「トワイライト」シリーズ(08~12年)の原作者だ。彼女の興味は恋愛以外にない。そしてそれで良いと確信している。それも仕方ない。「ハンガー・ゲーム」(12年)を筆頭にフォロワー作品の多くでも恋愛が漏れなくついてくる。どこの国でもいつの時代でも、三角関係は少女たちの心をくすぐるものらしい。

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January 16-18 2015, Weekend

◆1月第3週公開映画BUZZ


“Paddington”
 配給:ディメンション
 監督:ポール・キング
 Budget:€38,500,000
 Weekend Box Office:$18,966,676(3003)
 OSCAR PLANET Score:87.7 BIG WAVE!
 Oscar Potential:脚色賞、アニメーション映画賞

“Blackhat”
 配給:ユニヴァーサル
 監督:マイケル・マン
 Budget:$70,000,000
 Weekend Box Office:$3,901,815(2567) zzz...
 OSCAR PLANET Score:42.0
 Razzie Potential:作品賞監督賞脚本賞
           主演男優賞:クリス・ヘムズワース

“The Wedding Ringer”
 配給:スクリーン・ゲムス
 監督:ジェレミー・ガレリック
 Budget:$23,000,000
 Weekend Box Office:$20,649,306(3003) Good!
 OSCAR PLANET Score:36.9
 Golden Globe or Razzie Potential:主演男優賞:ケヴィン・ハート

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ライド・アロング 相棒見習い

ライド・アロング 相棒見習い “Ride Along”

監督:ティム・ストーリー

出演:アイス・キューブ、ケヴィン・ハート、ジョン・レグイザモ、
   ブルース・マッギル、ティカ・サンプター、ブライアン・カレン、
   ローレンス・フィッシュバーン、ドラゴス・ブクル、
   ゲイリー・オーウェン、ジェイコブ・ラティモア

評価:★★★




 簡単に言えば、『ライド・アロング 相棒見習い』は90年代風アクション・コメディに「ミート・ザ・ペアレンツ」(00年)の要素をプラスし、ブラック・テイストで仕上げた映画だ。二人組刑事(ひとりは素人)が喧嘩しながら町の悪を追いかける。バックにはヒップホップが流れるのがお約束。少し前に量産されたマーティン・ローレンス映画の匂いもある。

 ポイントは主役ふたりのキャスティングだ。デキる刑事にアイス・キューブ。その妹と結婚を控えた刑事志望の高校の警備員にケヴィン・ハート。最初、キューブの強面はこの手のコメディに合わないのではないかと思ったのだけど、離れ目のおかげか、いかつい無表情が味があるように見えてきた。トミー・リー・ジョーンズ的無表情か。

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恋するパリのランデヴー

恋するパリのランデヴー “Un bonheur n'arrive jamais seul”

監督:ジェームズ・ユット

出演:ソフィー・マルソー、ガド・エルマレ、モーリス・バルテレミ、
   フランソワ・ベルレアン、ミカエル・アビブル、
   ジュリー=アンヌ・ロス、マーシャ・メリル、
   フランソワ・ヴァンサンテッリ、ロベール・シャルルボワ

評価:★★




 「目覚まし時計と結婚指輪、税金とは無縁」の生活を送る気ままな作曲家が主人公だ。友人と酒とピアノを愛し、ジャズクラブに入り浸り、そこで出会った女たちと一夜限りの情事を楽しむ。ガド・エルマレは別にハンサムというわけではないものの、そういう男がぴったり来る。いかにもパリの匂いを湛えたカフェやアパルトマンにもしっとり馴染む。フランスでは「個性」が物を言う。何て言ったって、ジャン=ポール・ベルモンドを生み出した国なのだ。

 自由な毎日を送る男がソフィー・マルソーに恋をする。若い若いと思っていたマルソーもさすがに顔に疲れが見えてきた。でもそれが面白い。目尻にしわが表れ、垂れ目がますます垂れ、スッピンに近いとスターには見えないかもしれない。けれど、ちゃんと生活の匂いを感じさせる女優になった。『恋するパリのランデヴー』など、三人の子持ち役だ。育児にてんてこ舞い。

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MONSTER モンスター

MONSTER モンスター “Lizzie Borden Took an Ax”

監督:ニック・ゴメス

出演:クリスティーナ・リッチ、クレア・デュヴァル、グレッグ・ヘンリー、
   スティーヴン・マクハティ、サラ・ボッツフォード、ハンナ・アンダーソン、
   ビル・キャンベル、アンドリュー・ギリーズ

評価:★★




 クリスティーナ・リッチほど体型がころころ変わる女優は珍しい。どう考えても作品によって肉体改造をしているわけではない。理想のスタイルがどんな風で、ダイエットをしているのかどうか、なんてことはどうでも良い。注目すべきは、リッチがそのときの体型に見合うように、役柄を作り上げてしまうところだ。演出云々とは離れたところで役が完成される。

 『MONSTER モンスター』撮影時のリッチはガリガリに近い。ぽちゃぽちゃだった過去を感じさせないスキン&ボーンになる手前の肉つきで、とりわけ顔にその傾向が強い。前に張り出した広い額とつんと尖った顎に挟まれる大きな目。顔の皮は骨に隙間なく貼りついているような印象。これで演じるのが、殺人事件の容疑者だ。ハマり過ぎだ。

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ショート・ターム

ショート・ターム “Short Term 12”

監督:デスティン・クレットン

出演:ブリー・ラーソン、ジョン・ギャラガー・ジュニア、ケイトリン・デヴァー、
   ラミ・マレック、キース・スタンフィールド、ケヴィン・ヘルナンデス、
   アレックス・キャロウェイ、フランツ・ターナー、
   ステファニー・ベアトリス、ダイアナ・マリア・リーヴァ

評価:★★★




 子どもの、とりわけティーンエイジャーの描き方は難しい。肉体的に成長していても、心は未熟。純粋さゆえに、些細なことに傷つき苦しみ、他人を困惑させる。そういうステレオタイプにハマりやすいのだ。『ショート・ターム』はその罠を切り抜ける。それも誘惑てんこ盛りのティーン専用短期養護施設を舞台にしながら、だ。

 ブリー・ラーソン演じるヒロインは施設のケアマネージャー。妊娠が明らかになったばかりだ。彼女の子どもたちへの向き合い方が気持ち良い。それぞれの問題に目を配りつつ、理解しつつ、対策を練りつつ、けれど決して「子どもだから」という枕詞を置くことなく、彼らと目を合わせている。「安全に生活させるのが仕事」と言いながら、それだけに終わらせない眼差しがある。

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あなたとのキスまでの距離

あなたとのキスまでの距離 “Breathe In”

監督:ドレイク・ドレマス

出演:ガイ・ピアース、フェリシティ・ジョーンズ、エイミー・ライアン、
   マッケンジー・デイヴィス、ベン・シェンクマン、マシュー・ダダリオ、
   アレクサンドラ・ウェントワース、ヒューゴ・ベッカー、
   ブレンダン・ドゥーリング、アニー・Q、カイル・マクラクラン

評価:★★★




 ドレイク・ドレマス映画の味はどうやら、その空気感にある。「今日、キミに会えたら」(11年)に続いて英国から米国へ女子留学生がやって来る『あなたとのキスまでの距離』により、その考えを確信する。自分が生きている現実と地続きであることを忘れさせない生活感があり、しかもそれがしっとりとしていて魅力的だ。

 ドキュメンタリーのように揺れるカメラ。飾りが極力排除された空間設計。食器や家具、ベッド、カーテン、家の内装等の趣味の良さ。深い緑に囲まれた田舎の風景。適度な湿度と温度。「今日、キミに会えたら」ではほとんど流れなかった音楽が、ピアノとチェロの音色によって背景に溶け込むのも見ものだ。

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January 9-11 2015, Weekend

◆1月第2週公開映画BUZZ


96時間 レクイエム “Taken 3”
 配給:20世紀フォックス
 監督:オリヴィエ・メガトン
 Budget:$48,000,000
 Weekend Box Office:$39,201,657(3594) Great!
 OSCAR PLANET Score:25.3 BIG BOMB!
 Razzie Potential:作品賞監督賞脚本賞
            主演男優賞:リーアム・ニーソン
            助演男優賞:フォレスト・ウィテカー
            助演女優賞:マギー・グレイス

プリデスティネーション “Predestination”
 配給:ステージ6
 監督:マイケル・スピエリッグ、ピーター・スピエリッグ
 Budget:-
 Weekend Box Office:-
 OSCAR PLANET Score:74.8
 Oscar Potential:主演男優賞:イーサン・ホーク
           主演女優賞:セーラ・スヌーク
           美術賞、視覚効果賞

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フューリー

フューリー “Fury”

監督:デヴィッド・エアー

出演:ブラッド・ピット、ローガン・ラーマン、シャイア・ラブーフ、
   マイケル・ペーニャ、ジョン・バーンサル、ジェイソン・アイザックス、
   スコット・イーストウッド、ジム・パラック、ブラッド・ウィリアム・ヘンケ

評価:★★★




 『フューリー』とは主要登場人物5名が乗り込む戦車の名前だ。フューリー(fury)には憤怒・激怒の意味がある。フューリーは1945年4月、終戦が近づくドイツの田舎を行く。つくづく思うのは、戦車が戦争という背景に実によく溶けるということだ。甲羅のように頑丈に固めた外壁や長く突き出た主砲もさることながら、いくつもの車輪を鎖のように繋いだキャタピラ部分が戦争を象徴する。険しい道も道とは言えない場所も怯むことなく進む。踏みつけるのは草であり石であり建物であり、そして人だ。何とも嫌な匂いがキャタピラから放たれる。

 戦いの描写は残酷だ。ブラッド・ピット演じるリーダーは言う。理想は平和だが、現実は残酷だ。それを証明するかのような画が続く。笑っていた者の胸が次の瞬間呆気なく射抜かれ、瞬く間に火だるまになった者は苦痛から逃れようと自らの頭を撃ち抜く。人が人でいることを許されない空間が広がる。

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俺たちスーパー・ポリティシャン めざせ下院議員!

俺たちスーパー・ポリティシャン めざせ下院議員! “The Campaign”

監督:ジェイ・ローチ

出演:ウィル・フェレル、ザック・ガリフィアナキス、ジェイソン・サダイキス、
   ディラン・マクダーモット、キャサリン・ラ・ナサ、サラ・ベイカー、
   ジョン・リスゴー、ダン・エイクロイド、
   ブライアン・コックス、ジョン・グッドマン

評価:★★★




 元大統領候補の言葉が紹介される。「戦争や泥レスリングにはルールがある。しかし、政治にルールはない」。さすが選挙がエンターテイメントになる国、アメリカ。他国でも大々的に報道される大統領選でさえも、ほとんどコメディの様相。ノースカロライナの田舎の選挙戦を舞台にした『俺たちスーパー・ポリティシャン めざせ下院議員!』など、主演がウィル・フェレルとザック・ガリフィアナキスだ。ただでさえコメディな選挙が暴走する。

 大抵の場合、悪ふざけが過ぎると、幼児退行に拍車がかかり笑えなくなる。けれど、この映画は可笑しい。選挙のディテールへの皮肉が効いている。「アメリカ」「キリスト」「自由」という言葉だけで盛り上がる国民性。メディアを巻き込んだ支持率の一喜一憂。家族への干渉。選挙参謀によるイメージ戦略。金持ちや大企業の口出し。討論会やCM。ネガティヴ・キャンペーン。教会やセックス、銃なんてものものまで、鍵を握る。

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インターステラー

インターステラー “Interstellar”

監督:クリストファー・ノーラン

出演:マシュー・マコノヒー、アン・ハサウェイ、ジェシカ・チャステイン、
   マイケル・ケイン、エレン・バースティン、マッケンジー・フォイ、
   ティモシー・シャラメ、ジョン・リスゴー、デヴィッド・オイェロウォ、
   ウェス・ベントレー、ケイシー・アフレック、トファー・グレイス、
   マット・デイモン、ビル・アーウィン

評価:★★




 『インターステラー』は大きく分けて第四幕からなる。第一幕は滅びかけている地球の描写だ。食糧難が続き、疫病が広がり、砂嵐が街を包み込む。マシュー・マコノヒー演じる宇宙船の元テスト・パイロットの父親が営むトウモロコシ畑も、いつまで持つか分からない。案の定、未来の描写は暗くなる。クリストファー・ノーランはここで父と娘の、簡単ではない関係をじっくり描く。この部分が後々の燃料になることを見越して。

 第二幕は地球人が移住できる惑星を目指して宇宙へと飛び出していく場面だ。巨額の製作費が投じられたSFであるものの、ノーランはゴージャスな空間を展開することをあっさり拒否する。彼が優先するのは現実感だ。したがって宇宙船内部は狭く、美しいとも言い難い。けれど、見入る。「2001年宇宙への旅」(68年)やアポロが月に降り立った頃の匂いを感じさせる色合いと照明が選ばれていて、不思議とノスタルジックな気分を誘う。どういうわけだか宇宙でバレエを目撃しているかのような気配もある。実はこの映画で、最も面白い部分だ。

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第35回ゴールデン・ラズベリー賞ノミネーション予想

 今シーズンもまた、ゴールデン・ラズベリー賞を予想する時期がやってた。サイテーな映画を決めるという、何とも大きなお世話な賞。にも関わらず、どうにもこうにも憎めない愛敬がある。候補が評判が芳しくなかった作品から選ばれるのはもちろんだけれど、同時にそれは話題を集めた証拠でもある。少しでも気にかかるから、人は投票するのだ。候補者は人気のある証拠だと笑っていれば良い、それがゴールデン・ラズベリー賞だ。

 歴代の受賞者を眺めてみると、なかなかの面子が並ぶ。第一回はブルック・シールズから始まり、二年後にローレンス・オリヴィエが戴冠。第5回にはシルヴェスター・スタローンが受賞し、その後他の追随を許さない快進撃をスタート。プリンスやマドンナ、ダリル・ハンナ、ライザ・ミネリ、クリスティ・マクニコルらが80年代を飾り、ケヴィン・コスナー、メラニー・グリフィス、シャロン・ストーン、デミ・ムーア、アリシア・シルヴァーストーン、ブルース・ウィリスらが90年代を盛り上げる。20世紀ギリギリになってアダム・サンドラーが登場、その後ジョン・トラヴォルタ、ベン・アフレック、ジェニファー・ロペス、ハル・ベリー、マライア・キャリー、エディ・マーフィらが餌食華となる。

 個人的に気に入っているのは第16回。ポール・ヴァーホーヴェン監督の『ショーガール』が圧倒的強さを発揮したからだ。実はヴァーホーヴェン、結構好きなのだ。下品さに愛敬がある稀有な例。『ショーガール』でも散々笑わせてくれた。この年、助演男優賞はデニス・ホッパーが『ウォーターワールド』で受賞しているのだけれど、カイル・マクラクランだったら完璧だった。マクラクラン、おそらく世間ではデヴィッド・リンチ映画のイメージが強いはずだ。けれど、個人的には『ショーガール』で笑わせてくれた人だ。

 さて、今シーズンはどんなメンバーが候補に挙がるのか。今年も適当に各部門を予想。以下の通り。



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アンダー・ザ・スキン 種の捕食

アンダー・ザ・スキン 種の捕食 “Under the Skin”

監督:ジョナサン・グレイザー

出演:スカーレット・ヨハンソン、ポール・ブラニガン

出演:★★★




 美しい女に化けたエイリアンが男を喰ってしまう。懐かしの「スピーシーズ 種の起源」(95年)を思い出す。ナターシャ・ヘンストリッジが美女を演じた楽しいB級SFホラーだけれど、同じような設定でも、21世紀に入り主演がスカーレット・ヨハンソンとなると、全然雰囲気が違う。ヨハンソンは宇宙から来た異形の美女役で、その性的な魅力を餌に男たちを次々捕まえるものの、作品の外観は何とびっくり、哲学要素を含んだ文芸作風だ。

 『アンダー・ザ・スキン 種の捕食』が見つめるのは、そう、実は真面目なものなのだ。スコットランドの田舎に降り立った美女は餌を獲得しながら、地球に住むイキモノの営みを目撃、その美醜を肌に沁み込ませていく。無慈悲に残酷に男を喰いながら、僅かに何かを感じ取るエイリアン。真面目ですヨ。

 しかし結局目を引くのはエイリアンの造形で、ヨハンソンがまとうスーパーモデルとは異なるセクシャルな空気が素晴らしい。何と言って肩までウェイヴさせた黒髪が効いている。これはひょっとすると「パルプ・フィクション」(94年)のユマ・サーマン以来の黒髪効果ではなかろうか。オレンジの口紅、ハスキーを思わせるブルーの瞳とのコンビネーションが抜群で、器として用意された無表情も魅力十分。

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January 2-4 2015, Weekend

◆1月第1週公開映画BUZZ
田舎 食器 田舎暮らし ダイエット コンビニ

“A Most Violent Year”
 配給:A24
 監督:J・C・チャンダー
 Budget:$19,000,000
 Weekend Box Office:$172,788(4) Great!
 OSCAR PLANET Score:83.6 BIG WAVE!
 Oscar Potential:作品賞監督賞脚本賞
           主演男優賞:オスカー・アイザック
           主演女優賞:ジェシカ・チャステイン
           撮影賞、編集賞、作曲賞

“The Woman in Black 2 Angel of Death”
 配給:リラティヴィティ・メディア
 監督:トム・ハーパー
 Budget:-
 Weekend Box Office:$15,027,415(2602)
 OSCAR PLANET Score:35.5
 Oscar Potential:None


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トム・アット・ザ・ファーム

トム・アット・ザ・ファーム “Tom à la ferme”

監督・出演:グザヴィエ・ドラン

出演:ピエール=イヴ・カルディナル、エヴリーヌ・ブロシュ、リズ・ロワ、
   エマニュエル・タドロス、ジャック・ラヴァレ、アンヌ・カロン

評価:★★★




 カナダの田舎、痩せこけた牛が飼われ、トウモロコシ畑が広がる寂れた農場を、ひとりの青年が訪ねる。交通事故で死んだ同性愛の恋人の葬儀に出席するためだ。同性愛を知らない母親は温かく迎え入れるが、真実を知る兄は冷淡で…。招き入れた他人と家族の物語は物珍しいものではないものの、グザヴィエ・ドランはそこに独特の妖気を立ち上がらせる。『トム・アット・ザ・ファーム』の胆だ。

 ドラン演じる青年トムはナプキンに青インクで書く。「頭の中から哀しみが抜け落ちてしまった」。彼は泣けない。思えばこれは、トムが自身に向けて無意識で書いた、陰鬱なる世界への招待状だった。兄フランシスはトムを暴力を持って支配していくのだ。孤島ではない。荒天でもない。しかし、トムはそこから抜け出せない。見えない何かが彼の足に絡みつき、決して離さない。その感じが良く出ている。

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ランナーランナー

ランナーランナー “Runner Runner”

監督:ブラッド・ファーマン

出演:ジャスティン・ティンバーレイク、ベン・アフレック、
   ジェマ・アータートン、アンソニー・マッキー、
   マイケル・エスパー、オリヴァー・クーパー

評価:★




 インターネットは世界を変えた。ギャンブル界も例外ではない。オンライン上に自由気ままに賭けられる世界が展開し、やっぱりか、それを利用した犯罪が出現。トランプにしろサイコロにしろルーレットにしろ、対面で興じるから面白いのではないかと素人は思うものの、どっこいどうやらそれは少数派の考えらしい。結局は金が全てなのだ。

 『ランナーランナー』の主人公はこのオンライン・ギャンブルに手を出す。大学の学費に充てるつもりでつぎ込んだ全財産を摩り、詐欺ギャンブル会社に言いように使われる。当然その世界がどんなものかと身を乗り出すものの、あらら、特別目新しいところはなく、「うまい話には裏がある」の法則に乗っ取り、愚か者がお調子こいてピンチになるだけの単調な空間が広がる。

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December 26-28 2014, Weekend

◆12月第4週公開映画BUZZ


サンドラの週末 “Two Days, One Night”
 配給:サンダンス・セレクツ
 監督:ジャン=ピエール・ダルデンヌ、リュック・ダルデンヌ
 Budget:€7,000,000
 Weekend Box Office:$30,700(2)
 OSCAR PLANET Score:91.4 BIG WAVE!
 Oscar Potential:作品賞、監督賞、脚本賞
           主演女優賞:マリオン・コティヤール

ビッグ・アイズ “Big Eyes”
 配給:ワインスタイン・カンパニー
 監督:ティム・バートン
 Budget:$10,000,000
 Weekend Box Office:$3,001,738(1307) zzz...
 OSCAR PLANET Score:68.5
 Oscar Potential:作品賞、監督賞、脚本賞
           主演女優賞:エイミー・アダムス
           助演男優賞:クリストフ・ヴァルツ
           美術賞、衣装デザイン賞、作曲賞

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テーマ : 映画情報
ジャンル : 映画

謹賀新年

 新年おめでとうございます。

 新しい年の始まりです。初日の出はご覧になりましたか。最初の食事は餅ですか。雑煮ですか。焼き餅ですか。海苔を巻きますか。醤油をつけますか。醤油に砂糖は入れますか。きな粉の中を転がしますか。お年玉が餅じゃダメですか。

 毎年のことながら、新年を迎えたからと言って、目標を立てたり新たなことへ挑戦しようと決意したり…なんてこととは無縁です。今年も無事乗り切ることができれば十分。そうして今まで生きてきた男。はい、これからもずっとそうでしょう。

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テーマ : ひとりごと
ジャンル : ライフ

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