カワイイ私の作り方 全米バター細工選手権!

カワイイ私の作り方 全米バター細工選手権! “Butter”

監督:ジム・フィールド・スミス

出演:ジェニファー・ガーナー、ヤラ・シャヒディ、タイ・バーレル、
   オリヴィア・ワイルド、ロブ・コードリー、アシュリー・グリーン、
   アリシア・シルヴァーストーン、ヒュー・ジャックマン

評価:★★




 昨今は何でもかんでも「芸術」という言葉を振りかざして有難がる傾向があるけれど、『カワイイ私の作り方 全米バター細工選手権!』に出てくるバター彫刻は、完成品を見るとなるほど、感心せずにはいられない。さっぽろ雪まつりの雪像はもちろん芸術的だし、浜辺の砂のオブジェも、ニンジンやイモ、リンゴといった野菜や果物も芸術になる。バターも例外ではないのだ。

 ここに出てくるバター彫刻は、アイオワの田舎町でコンテストまで開かれる。最終的に誰が勝つのだろうかという興味は当然出てくるものの、それが主題になっていないことは明らかだ。たかがバター。されどバター。それに人生を賭ける者が出てきて、人間模様がどす黒く渦巻くことになる。これは強欲と脅迫、そしてセックスの物語だと宣言する。

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ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!

ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う! “The World's End”

監督:エドガー・ライト

出演:サイモン・ペッグ、ニック・フロスト、パディ・コンシダイン、
   マーティン・フリーマン、エディ・マーサン、ロザムンド・パイク、
   トーマス・ロウ、ザッカリー・ベイレス、ジャスパー・レヴィン、
   ジェームズ・ターピー、ルーク・ブロムリー、ピアース・ブロスナン

評価:★★★




 話は「再会の時」(83年)と「ボディ・スナッチャー 恐怖の街」(56年)をミックスした感じだ。青春時代を一緒に過ごした仲間たちが一緒に故郷に戻るも、町の人々は宇宙からの侵略者に襲われ、青い血を流すロボット人間として乗っ取られていたというもの。創造性という点ではあまり秀でてはいないかもしれない。それなのに終始飽きないのは、エドガー・ライト×サイモン・ペッグ×ニック・フロストの組み合わせが効いているからだろう。

 「ホットファズ 俺たちスーパーポリスメン!」(07年)にはいまいちノレなかったものの、「ショーン・オブ・ザ・デッド」(04年)が最高だったこのトリオ。今回もやりたい放題ぶっ飛ばす。アル中でリハビリ中のペッグの弾け方は、もしかしたらこれまでで最高かもしれない。話の真ん中に堂々立ち、ビールでふらふらになりながら、それでも口から手足からマシンガンのようにギャグを畳み掛ける。フロストも最初こそ抑えていたものの、途中から待ってましたの大暴れ。動けるデブが強力であることを証明する。

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パラノーマル・アクティビティ 呪いの印

パラノーマル・アクティビティ 呪いの印 “Paranormal Activity: The Marked Ones”

監督:クリストファー・ランドン

出演:アンドリュー・ジェイコブス、ホルヘ・ディアス、
   ガブリエル・ウォルシュ、モリー・イフラム、カルロス・プラッツ、
   グロリア・サンドヴァル、ケイティ・フェザーストン

評価:★




 気がつけば第5作目。あの手この手で(成功したかどうかは別にして)恐怖を捻り出してきたシリーズだけれど、『パラノーマル・アクティビティ 呪いの印』はかなり思い切った方向転換を図っている。登場人物が突如、ヒスパニック系に変わったのだ。これは多分、ハリウッドがヒスパニック系を動員することの重要性に気づいたがゆえの選択なのだろう。低予算が話題なった一作目から、回を追うごとにマネー臭、マーケティング臭が濃くなる。皮肉なものだ。

 シリーズの売りは固定カメラが生み出す恐怖にあった。静止映像に不気味に映る怪異が生み出す恐怖は、大袈裟な編集の力、余分な視覚効果の力など借りずとも、十分過ぎるほどの真実味を伴っていた。それをあっさり捨てる。何と今回、静止映像はたった一カ所しかない。主人公の少年がコンドームを取りに行っている間、少女が待っているときの画がそれだ。そしてその画は、他のどの場面よりも想像力を刺激する。ブラジャーとパンツだけになった少女に何かが起こる。じわじわ毛穴に沁み込む何か。

 その他の場面はと言うと、そこいらのホラー映画と全く大差ないものになった。手持ちのビデオカメラによる映像というのが通常のホラーとは異なるものの、「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」(99年)の例を挙げるまでもなく映像が揺れるばかり。そのくせ編集には力が入っていて、ビデオカメラの映像をそのまま見せるというのではなく、加工が過剰に入っている。

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リベンジ・マッチ

リベンジ・マッチ  “Grudge Match”

監督:ピーター・シーガル

出演:ロバート・デ・ニーロ、シルヴェスター・スタローン、ケヴィン・ハート、
   アラン・アーキン、キム・ベイシンガー、ジョン・バーンサル、
   アンソニー・アンダーソン、ジョーイ・“ココ”・ディアス、
   LL・クール・J、デイン・ローデス、チェール・ソネン

評価:★★




 シルヴェスター・スタローンとロバート・デ・ニーロがボクシングで対決する。何かの冗談としか思えない企画だけれど、『リベンジ・マッチ』は開き直ってガンガン攻める。ロッキー・バルモアとジェイク・ラモッタ。映画史に名を残すふたりが老いたとき、どんな試合を見せるのか。キワモノだと笑いたければ笑えといけいけどんどん。

 斯くして、ここには奇を衒った演出はどこにもない。スタローン好きにもデ・ニーロ好きにも、「ロッキー」(76年)支持派にも「レイジング・ブル」(80年)支持派にも受け入れてもらえるように、パロディやジョークをふんだんに散りばめ、安心できる予測通りの結末に向かって突き進む。余計な捻りはこの異種格闘技(でしょう?)には不釣り合い。スタローンとデ・ニーロの出演時間や見せ場だけは均等に…という点だけには気をつけて、あとはふたりのカリスマに任せれば良い。

 そうしたところ、やっぱりと言うべきだろう、ふたりの老いをからかう場面ばかりになったのは寂しい。年齢を考えれば仕方がないこととは言え、昨今溢れる老人映画の一本という位置付けに満足するのは何か違う気がする。脂肪がたっぷり増え、足取りは覚束ない。その彼らに無理を強いる。黄緑の繋ぎを着せ、国歌を下手くそに歌わせ、スカイダイビングで絶叫させ…彼らへの敬意はどこに。

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グランドピアノ 狙われた黒鍵

グランドピアノ 狙われた黒鍵 “Grand Piano”

監督:エウヘニオ・ミラ

出演:イライジャ・ウッド、ジョン・キューザック、ケリー・ビシェ、
   タムシン・エガートン、アレン・リーチ、ドン・マクマナス、
   アレックス・ウィンター、ディー・ウォーレス

評価:★★




 赤い絨毯が敷かれたそのステージは、オーケストラが並ぶ場所よりも一段高いところにある。黒く輝くグランドピアノに向かう主人公。緊張の面持ちで黒鍵に向かい、楽譜をめくる。するとそこには、ミスをしたら殺すのメッセージ。ピアニストはこの危機をどう乗り越えるだろうか。

 この設定により『グランドピアノ 狙われた黒鍵』は、ワンシチュエーションムービーに見せかける。一旦演奏が始まってしまえばピアニストはそこから動けないはずで、となると抵抗手段は限られる。思い出すのは「フォーン・ブース」(02年)だ。電話ボックスから動けなくなった男の戦いが描かれていた。それと同種のサスペンスが狙えるはずだ。

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April 18 - 20 weekend, 2014

April 18 - 20 weekend, 2014

1 Fading Gigolo|$36,160(5)$180,801
2 Heaven is for Real|$9,318(2417)$29,556,414

3 オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ|$6,879(17)$247,116
4 キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー|$6,689(3825)$200,501,510
5 That Demon Within|$6,428(12)$77,130
6 レイルウェイ 運命の旅路|$6,317(26)$252,402
7 Rio 2|$5,575(3975)$75,045,122
8 A Haunted House 2|$3,829(2310)$8,843,875
9 トランセンデンス|$3,151(3455)$10,886,386

10 グランド・ブダペスト・ホテル| $2,668(1280)$44,964,929

【タイトル|一館あたりの興収(公開館数)累計興収】赤字:初登場作品 青字:上昇作品

 スーパーモデルのハイディ・クラムさんがパパラッチされました。写真を撮られることなんて慣れているはずのクラムさんがそれでも話題になったのは、トップレスだったから。メキシコの海で13歳年下の恋人(なんとジュリアン・シュナーベルの息子。アートディーラー)と休暇を楽しんでいたクラムさんは、すっかり開放的な気分になったのか、赤いキャップにサングラス、そして胸を全開にして恋人と手を繋いでお散歩。写真では恋人の目線が常に胸に向いているのが笑えます。正直な男と見ました。クラムさんはトップレスでサーフィンやボート、ヨット、海水浴を楽しむのでしょうか。ぜひそうあって欲しいところです。

 Box Office。公開3週目の『キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー』が興収2億ドルを超えました。日本でも公開中。作中クリス・エヴァンスはスカーレット・ヨハンソンの誘いに全然乗らないのです。どこまで真面目なんでしょうか。デートぐらいすりゃいいのにねぇ。

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アデル、ブルーは熱い色

アデル、ブルーは熱い色 “La vie d'Adèle - Chapitres 1 et 2”

監督:アブデラティフ・ケシシュ

出演:アデル・エグザルコプロス、レア・セドゥー、
   サリム・ケシュシュ、モナ・ヴァルラヴェン、ジェレミー・ラウールト、
   アルマ・ホドロフスキー、バンジャマン・シクスー

評価:★★★★




 上映時間が3時間にも及ぶというのに、全く退屈しないのに驚く。特別斬新なメッセージが提示されるわけでも、トリッキーな仕掛けが用意されるわけでもない。それにも関わらず『アデル、ブルーは熱い色』から一瞬たりとも目が離せないのは、人間という生き物の本能が、美醜そのまま映像化されているからだ。これはほとんど画期的と言っても良いのではないか。

 映画という芸術はカメラを通して創造される芸術で、しかもそこに脚本やら編集、演技が入ってきて、どれだけ良くできた作品でも、フィルターを通して観ることを強いられるものだ。それがこの映画には、ない。正確にはないように見える。自分の肉眼だけでアデルとエマというふたりの女が生み落とした愛と呼ばれるものの生と死を目撃しているような、そういう匂いが極めて濃い。ふたりの傍でありのままの愛を見る。

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セインツ 約束の果て

セインツ 約束の果て “Ain't Them Bodies Saints”

監督:デヴィッド・ローリー

出演:ケイシー・アフレック、ルーニー・マーラ、ベン・フォスター、
   ネイト・パーカー、ラミ・マレック、キース・キャラダイン、
   ロバート・ロングストリート、チャールズ・ベイカー

評価:★★★




 パッと見た感じ、テレンス・マリック映画を連想するのはひとりやふたりではないだろう。光と影を丁寧に切り取った撮影。風や草木を始めとする自然の音。絶え間なく流れる音楽。画面いっぱいに広がるのは詩情であり叙情性だけれどやはりこれは、似て非なるものだ。

 『セインツ 約束の果て』でデヴィッド・ローリーは、物語を伝えることを第一に考えて演出しているように思われる。強盗で捕まった男が妻とまだ見ぬ娘に会うために脱獄するという、極めてシンプルな筋立てを繊細に扱う。男と女の間に流れるものを一瞬も見逃すまいと目を大きく開き、隅々まで動かし、その揺れを凝視する。人はそれを愛と呼ぶ。

 どことなく「幸福の黄色いハンカチ」(77年)を思わせる展開に寓話性が感じられるのが面白い。いや神話性と言った方が良いか。ふたつの魂とそれを見守るもうひとつの魂が、とても崇高なものに見える。今の時代が忘れてしまった無垢の匂い。テキサスという舞台設定もあり、西部劇を思わせるところがあるのも良い味だ。

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ランナウェイ・ブルース

ランナウェイ・ブルース “The Motel Life”

監督:アラン・ポルスキー、ガブリエル・ポルスキー

出演:エミール・ハーシュ、スティーヴン・ドーフ、ダコタ・ファニング、
   クリス・クリストファーソン、デイトン・キャリー、ジョシュア・レナード、
   ギャレット・バックストローム、アンドリュー・リー

評価:★★




 『ランナウェイ・ブルース』の主人公兄弟の父親は蒸発し、母親は病気で早くに亡くなる。しかも兄は片足を負傷、膝下がなく、弟に頼った生活だ。それでもふたりは幼いころから手と手を取り合い、田舎町で寄り添うように生きている。…という設定に反射的に警戒心が働く。これはもじもじいじいじを繊細だと言い包める映画なのではないか。

 果たして、不安は的中する。兄が交通事故を起こし、ぶつかった少年が死ぬ。兄は警察に行くことなく、弟を難題に巻き込む。けれどこれは避けられない悲劇だった。兄は運が悪かった。兄は心から悔いている。…と都合良く解釈。そうして始まる逃避行が身勝手さを完全に忘れた、ガラスのハートの切なくもどこか温かい物語に化けるのだ。細やかに見せかけてなかなか図太い。わざわざ少年の遺族に贈り物を届ける件など、あざといとも言える。

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ペイン&ゲイン 史上最低の一攫千金

ペイン&ゲイン 史上最低の一攫千金 “Pain & Gain”

監督:マイケル・ベイ

出演:マーク・ウォルバーグ、ドウェイン・ジョンソン、アンソニー・マッキー、
   トニー・シャルーブ、エド・ハリス、ロブ・コードリー、バール・パリー、
   レベル・ウィルソン、ケン・チョン、マイケル・リスポリ、
   キーリー・レフコヴィッツ、エミリー・ラザフォード、ラリー・ハンキン、
   トニー・プラナ、ピーター・ストーメア、ウラジミール・クリチコ

評価:★★




 主人公は自分で言うほどの筋トレマニアだ。これまでの人生の全てを筋トレに捧げてきたような男で、なるほど説得力のある身体をしている。マーク・ウォルバーグが肉体改造に踏み切り、その二の腕がそこいらの女の子のウエストよりも確実に太い。ウォルバーグの仲間となるドウェイン・ジョンソンもアンソニー・マッキーも身体を鍛え上げての参加。「どうだ、俺たちの身体を見てくれ」的な迫力に圧倒される。鏡に全身を映し、自分を奮い立たせる言葉を唱え、鼻の穴をおっ広げて汗を流す。俺はカッコイイ。

 マッチョスターの需要が途切れなかったり、ヒーロー映画の主人公の筋骨隆々ぶりが讃えられたりするのを見ると、アメリカにおけるマッチョ幻想が根強いことを痛感させられる。マイケル・ベイはそれを笑い飛ばしたかったのだろうか。『ペイン&ゲイン 史上最低の一攫千金』のマッチョたちは、揃いも揃ってバカなのだ。マッチョに対する恨みでもあるのかと聞きたくなるぐらいバカなのだ。いや、でも確かにやり過ぎマッチョってバカに見える。もちろん偏見だ。

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フルートベール駅で

フルートベール駅で “Fruitvale Station”

監督:ライアン・クーグラー

出演:マイケル・B・ジョーダン、メロニー・ディアス、
   オクタヴィア・スペンサー、ケヴィン・デュランド、
   チャド・マイケル・マーレイ、アナ・オライリー、アリアナ・ニール

評価:★★★★




 『フルートベール駅で』の主人公オスカー・グラントには困ったところが多い。前科持ちだし、遅刻癖があるし、それが原因でスーパーマーケットの仕事をクビになったばかりだし、それを恋人に隠しているし、マリファナを売り捌いて小遣い稼ぎをするし、当然のように母親に心配させるし…。

 …それにも関わらず、彼は愛さずにはいられない青年だ。自分でも今の状況が良くないことは分かっている。何とか人生を立て直したいと願っている。その思いに嘘偽りがなく、必死に人生にしがみついているところ、情けなくも好もしいではないか。加えて彼は優しい。思いやりの心を持ち、困った人には手を差し伸べずにはいられない。ハートがあるのだ。その証拠に彼の周りは人で溢れている。喧嘩はあるけれど愛し合う恋人。誰よりも可愛らしい愛娘。愛情深く見守る母親。気が良くノリの良い友人たち。道行く人とも気軽に声を交し合う。本能的に人を安心させる人なのだろう。

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April 11 - 13, weekend, 2014

April 11 - 13, weekend, 2014

1 オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ|$21,997(4)$87,989
2 レイルウェイ 運命の旅路|$15,461(4)$61,845

3 キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー|$10,481(3938)$158,883,032
4 Rio 2|$9,961(3948)$39,327,869
5 Under the Skin|$5,722(54)$500,000
6 Oculus|$4,534(2648)$12,005,402
7 Draft Day|$3,518(2781)$9,783,603

8 God's Not Dead|$2,979(1860)$40,897,990
9 グランド・ブダペスト・ホテル|$2,774(1467)$39,488,800
10 ダイバージェント|$2,373(3110)$124,757,453

【タイトル|一館あたりの興収(公開館数)累計興収】赤字:初登場作品 青字:上昇作品

 クリス・マーティンさんとの離婚を発表したグウィネス・パルトロウさんですが、どうやら当分このネタで引っ張るようです。先日Twitterに投稿した愛息子の誕生日の写真には、しっかり左手の薬指に結婚指輪をはめているものを使用。他にも報道後に一緒に旅行へ出かけたり、今後も同居が続くと報じられたり…。こういうところが世間から嫌われるのでしょうが、個人的には分かりやすいお嬢様気質が抜けない彼女が、嫌いになれませぬ。今後も我が道を歩んで下さい。

 Box Office。『キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー』が公開2週目にして興収1億5,000万ドルを突破しました。主演のクリス・エヴァンスには引退報道が出ましたが、エヴァンスはこれを否定。ハリウッドスターの引退報道ほど信用できないものはありません。レオナルド・ディカプリオ、ジャック・ニコルソン、ジェニファー・コネリー、ダイアン・レイン、ライアン・ゴズリング、ブラッド・ピット、アンジェリーナ・ジョリー、ジュディ・デンチ、レディー・ガガ…。はい、皆さん現役。ファンの方、無駄な心配をするのはよしましょう。才能があれば、ハリウッドは放ってはおきませぬ。

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ワン チャンス

ワン チャンス “One Chance”

監督:デヴィッド・フランケル

出演:ジェームズ・コーデン、アレクサンドラ・ローチ、コルム・ミーニー、
   ジュリー・ウォルターズ、マッケンジー・クルック、ヴァレリア・ビレロ、
   ジェミマ・ルーパー、トリスタン・グラヴェル、アレックス・マックイーン

評価:★★




 スーザン・ボイルとポール・ポッツは英国のオーディション番組のシンボルのような存在で、彼らが初めて取り上げられるや否や、インターネットを通じて瞬く間にその出演シーンが世界を駆け巡った。彼らにまつわる話で嫌なのは、それを抵抗なく受け入れられる人に限って、彼らの容姿に触れようとしない点だ。彼らは実力があり、それゆえ人の心を掴んだ。容姿について言うのは失礼よ、ということらしい。一理ある。でもポッツがステージに立ったときの人々の反応をどう説明するのか。

 彼らが美貌の持ち主だったとして…という話は仮定のそれになるので触れないけれど、多くの人がこんな普通の人が(或いは冴えない容姿の人が)あんな声を…というギャップの面白さに惹きつけられたというのは、どうしたって否定できないだろう。これは世間を騒がせるゴースト作曲家問題にも通じるポイントだ。今や世界的なオペラ歌手となったポッツの伝記映画『ワン チャンス』はこれに無視を決め込む。気持ち悪いくらいに。ポッツを演じるジェームズ・コーデンは可愛らしい人だ。

 ポッツの物語は人の心を掴むぞ。案の定こうして映画ができたわけだけれど、作り手がここに金の匂いを嗅ぎ取ったのは間違いない。至るところに隠し切れなかったそれが香っている。何しろプロデューサーにはサイモン・コーウェルがいて、さらにその後ろにはワインスタイン兄弟が控えている。

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ウォルト・ディズニーの約束

ウォルト・ディズニーの約束 “Saving Mr. Banks”

監督:ジョン・リー・ハンコック

出演:エマ・トンプソン、トム・ハンクス、コリン・ファレル、
   ポール・ジャマッティ、ジェイソン・シュワルツマン、
   ブラッドリー・ウィットフォード、ルース・ウィルソン、B・J・ノヴァク、
   メラニー・パクソン、アニー・ローズ・バックリー、キャシー・ベイカー、
   レイチェル・グリフィス、アンディ・マクフィ、ロナン・ヴィバート

評価:★★




 映画史に残るミュージカル「メリー・ポピンズ」(64年)は映画化が検討されてから実現するまで、なんと20年もの歳月を要したのだという。それもこれも原作者のパメラ・L・トラヴァースが企画にゴーサインを出さなかったため。『ウォルト・ディズニーの約束』は名作誕生の裏側を描き出す。

 笑いと感動を狙ったいかにもディズニー映画らしい作りの中で、大半の笑いを担当するのはトラヴァースを演じるエマ・トンプソンだ。そもそも映画化に反対している彼女はディズニーを前にしても臆することなく次々注文をつける。私が生みの親だから従って当然とばかりに辛辣な言葉が矢継早に飛び出す。話が陽気過ぎる。ハッピーエンドなんて嫌い。ミュージカルは必要なし。アニメーションなんて持っての他。脚本家も作曲家もトラヴァースの言いたい放題に唖然呆然。

 トンプソン独特のユーモア感覚に救われている部分が大きいのだろう。どれだけ厳しい言葉が並べられても、何故か彼女を憎めない。ほとんどイチャモンではないか、ただのわがままではないかと言いたくなるところも、嫌悪感を抱かせない。言葉の裏には悪意がなく、あくまで作品のため、そして大切な思い出のためだからだと悟らせる芝居だからだ。やや計算が透けて見えるところには目を瞑るべきだ。

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LEGO® ムービー

LEGO® ムービー “The Lego Movie”

監督:フィル・ロード、クリストファー・ミラー

声の出演:クリス・プラット、ウィル・フェレル、エリザベス・バンクス、
   ウィル・アーネット、ニック・オファーマン、アリソン・ブリー、
   チャーリー・デイ、リーアム・ニーソン、
   モーガン・フリーマン、デイヴ・フランコ、ジョナ・ヒル、
   チャニング・テイタム、コビー・スマルダース

評価:★★★




 『LEGO® ムービー』はデンマーク生まれのブロック型おもちゃであるレゴを使ったアニメーション映画。作りとしてはストップモーション・アニメが近いだろうか。登場人物も乗り物も建物も背景も、全部レゴ。映画が始まる前に出てくるワーナー・ブラザースのロゴまでレゴで見せるあたり、徹底している。

 注目点はやはり、レゴだけでどこまで表現できるか、だろう。この手のおもちゃは想像力と工夫次第でいくらでもオリジナリティのあるものができるものだけれど、作り手もその点は承知、こんなんできましたけど!とさすがの出来映え。お父さんが息子に作ってあげたら一発で尊敬されること間違いなしの力作が次々登場する。

 乗り物ならば、ブロックシティから脱出する際の大型バイクがカッコイイ。バットモービルに太刀打ちできるのではないか。海賊船も細部をじっくり観察したい衝動に駆られる。ヘリコプターもシンプルなようでかなり難しいのではないかと察する。

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ローン・サバイバー

ローン・サバイバー “Lone Survivor”

監督:ピーター・バーグ

出演:マーク・ウォルバーグ、テイラー・キッチュ、エミール・ハーシュ、
   ベン・フォスター、エリック・バナ、アレクサンダー・ルドウィグ、
   アリ・スリマン、ジェリー・フェレーラ

評価:★★★





 「俺たちの心には嵐がある」と独白するひとりのアメリカ兵が経験した、過酷で、絶望的で、不快な戦い。アフガニスタンの山岳地帯でネイヴィー・シールズの4人が200人以上のタリバン兵に囲まれる非常事態を描いた『ローン・サバイバー』は、一見愛国主義を強調したプロパガンダ映画だ。何しろ実際のネイヴィー・シールズの訓練場面から始まり、その志高き佇まいを丁寧に切り取るのだ。

 4人の兵士は結局、ひとりしか生還できない。つまり3人が死ぬことになるのだけれど、その場面に代表されるように、やや映画的装飾が激しいところがある。突然のスローモーションや目の動きの切り取り方、身体が崩れていくのを後ろからドラマティックに映し出す件。あぁ、映画だと思う。

 加えて浮上するテーマが分かりやすい。アメリカ=善、タリバン=悪となるのは仕方ないにしても、そうした戦いの構図の中に、仲間を決して見捨てない強さと優しさ、仲間のために自らを犠牲にする尊い心を織り込んでいくあたりは、さすがに気恥ずかしさを感じる。ネイヴィー・シールズはこんなに頑張っている。心も美しい。さあ、彼らに心からの敬意を!…なんて声が聞こえてくる。結末の流れには「鶴の恩返し」を思い出したりして…。

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あなたを抱きしめる日まで

あなたを抱きしめる日まで “Philomena”

監督:スティーヴン・フリアーズ

出演:ジュディ・デンチ、スティーヴ・クーガン、ソフィー・ケネディ・クラーク、
   メア・ウィニンガム、バーバラ・ジェフォード、ルース・マクケイブ、
   ピーター・ハーマン、ショーン・マホン

評価:★★




 世界には悲惨な現実がごろごろ転がっている。50年前のアイルランドの修道院では、若くして子どもを生んだ少女たちを引き取り、彼女たちを奴隷のように働かせる。そして子どもが可愛い盛り、修道院は子どもをアメリカ人に養子として売りつけるのだ。一日一時間は子どもに会えるというのが、かえってタチが悪い。どうしたって湧き上がる愛情。なのに、別れの覚悟も挨拶もないままに母子は引き裂かれる。観ている側の心も引き裂かれる。ジェーン・ラッセルの名前が出てくるのにギョッとする。

 『あなたを抱きしめる日まで』の主人公の老女は息子が50歳の誕生日を迎えた日、再びその捜索を始める。手助けするのは政治担当の元ジャーナリストの男。この取材記事をきっかけに再浮上を狙っているのが透けて見える。ふたりは修道院を訪ねるところから始め、僅かな手掛かりを頼りに、アメリカにまで渡る。この旅自体はあまり、面白くない。

 ジャーナリストがパソコン、インターネットを使いながら資料を調べ、当時や本人を知る人物を探し回るという、大変オーソドックスな、ありきたりな捜索活動だからだ。ユニークな手法もないし、思いがけない出来事が起こるわけでもない。息子捜しの旅路は、老女とジャーナリストの掛け合いの背景と化す。

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April 4 - 6 weekend, 2014

April 4 - 6 weekend, 2014

1 Under the Skin|$33,289(4) $133,154
2 キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー|$24,130(3938)$95,023,721
3 Dom Hemingway|$7,319(4)$38,728

4 The Raid 2|$5,036(26)$351,766
5 グランド・ブダペスト・ホテル|$4,842(1263)$33,195,657
6 ノア 約束の舟|$4,773(3571)$72,386,905
7 God's Not Dead|$4,416(1758)$32,558,187
8 ダイバージェント|$3,574(3631)$114,005,553
9 Le Week-End|$2,822(103)$841,638
10 Nymphomaniac: Volume II|$2,499(30)$74,978

【タイトル|一館あたりの興収(公開館数)累計興収】赤字:初登場作品 青字:上昇作品

 昨年ブレイクした歌姫ロードさんは、写真を修正されることが大嫌いだそうな。先日はあるメディアが公開したライヴ写真で、ニキビの跡が修正されていることを知ったロードさんは、わざわざTwitter上でニキビ跡が残っている写真を公開。こちらが本当の自分だと主張しました。ロードさん曰く「完璧じゃなくても良いのよ」。たいへんしっかりしたご意見。さて、30年後もその主張が続けられるでしょうか。

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ドン・ジョン

ドン・ジョン “Don Jon”

監督・出演:ジョセフ・ゴードン=レヴィット

出演:スカーレット・ヨハンソン、ジュリアン・ムーア、トニー・ダンザ、
   ロブ・ブラウン、グレン・ヘドリー、ブリー・ラーソン、
   ジェレミー・リュック、アン・ハサウェイ、チャニング・テイタム、
   ミーガン・グッド、キューバ・グッディング・ジュニア

評価:★




 ジョセフ・ゴードン=レヴィットの初監督作というのはあまり重要ではない(むしろ忘れたい)。『ドン・ジョン』で目が行くのはまず、ゴードン=レヴィットのマッチョぶりだ。ひょろひょろとひょうひょうとした佇まいのゴードン=レヴィットがいきなり筋肉もりもり、ジム通い大好き男として登場する。ひょっとしたらセルフイメージにコンプレックスでも持っていたのかもしれない。「マジック・マイク」(12年)への憧れもあったかもしれない。ポルノ中毒という設定でトドメを刺し、己の「男」をアピールする。

 そのゴードン=レヴィットが恋に落ちるのがスカーレット・ヨハンソンで、その分かりやすいゴージャスさに苦笑する。男を引っ掛けるために着ているような真っ赤なドレスで現れるヨハンソンは、ロングのブロンド、ぽってりした唇、悩ましいアイシャドウ、猫目、グラマラスなラインを強調。男を誘い込む隙だらけ。友達との会食に豹柄服でやってくる。まあ確かに、見た目は楽しい。

 意表を突くのはこれだけイケイケどんどんでありながら、中身が夢見る夢子ちゃんだということで、その部屋は少女趣味。メルヘンの国かよと突っ込みたくなるアイテムがてんこ盛り。ハートの白鳥や子どもの後ろ姿の写真。ベッドもカーテンも色はピンクで統一。「タイタニック」(97年)のポスターまで貼ってある。そしてポルノを見るゴードン=レヴィットを激しくなじるのだ。

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オール・イズ・ロスト 最後の手紙

オール・イズ・ロスト 最後の手紙 “All Is Lost”

監督:J・C・チャンダー

出演:ロバート・レッドフォード

評価:★★★




 周りに何もない大海原にたったひとりで放り出される。果たして生き延びることができるだろうか。…という筋だけだと「ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日」(12年)と勘違いしそうだけれど、より現実味が意識された『オール・イズ・ロスト 最後の手紙』には3D映像もなければファンタジックな奇跡もない。ましてやトラなんて出てこない。説明も何もないまま、ひたすら生へのもがきが描かれる。

 落とされる情報は極僅かだ。ヨットでインド洋を航海中、おそらく大量の靴を積んでいた漂流中のコンテナにぶつかり、浸水が始まる。穴を塞ぐという基本的な仕事から始まるサヴァイヴァルはしかし、敢えて映画的な装飾を避ける。そう言えば、主人公の老人の名前さえ出てこない。

 無線による呼び掛けや通り掛った船へのアピールは出てくるものの、その他はとりたてて役立ちそうな術はない。魚を獲ろうとしても全然釣れないし、サメが姿を見せても襲ってくる気配はない。できることと言ったら、救命ボートに乗り移り、ヨットから食料を運び出すことぐらいだ。あとに映るのは大嵐や船の損壊といったピンチをいかに乗り切るか、ひたすらに身体を張る姿だ。そしてそこから生と死を読み取る。やや退屈に思えるところもあるものの、その意思は明確だ。

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アナと雪の女王

アナと雪の女王 “Frozen”

監督:クリス・バック、ジェニファー・リー

声の出演:クリステン・ベル、イディナ・メンゼル、ジョナサン・グロフ、
   ジョシュ・ギャッド、サンティノ・フォンタナ、アラン・テュディック、
   シアラン・ハインズ、クリス・ウィリアムス

評価:★★★




 まず、何と言っても雪や氷の表現に目を奪われる。何でも凍らせてしまう力を持った姉エルサが創り出す極寒の世界。雪と言っても、ちらつくものもあれば、吹雪くものもある。ぴかぴか光るものもあれば、優しく照らし出すものもある。硬いものもあれば、柔らかいものもある。3D効果も手伝って、雪景色が実に表情豊かだ。Wヒロインの目が日本の少女漫画みたいに気持ち悪いくらいに大きいのには、気づかないことにする。

 背景の魅力はそのまま、ディズニー・アニメーション『アナと雪の女王』の想像力の豊かさに繋がっている。エルサが次々繰り出す魔法は思いがけない驚きに満ちているし、それが街並みや城、海に浮かぶ船、剣といった背景や建築物、アイテムと密着したとき、一層の輝きを見せる。

 トドメを刺すのはやはり、「Let It Go」が歌われるミュージカル場面だろう。イディナ・メンゼルの歌声はキンキンしていて好みとは違うのだけど、そんなのは些細なこととばかりに素晴らしい高揚感に包まれる。遂に自分を解き放った姉の心と彼女という人間を優しく包み込む雪景色が、耳に残るメロディに乗って飛翔する。視覚効果も大変美しい。この場面だけでも一見の価値がある。

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ミッシング・ポイント

ミッシング・ポイント “The Reluctant Fundamentalist”

監督:ミラ・ナイール

出演:リズ・アーメッド、リーヴ・シュライバー、キーファー・サザーランド、
   ケイト・ハドソン、オム・プリ、シャバナ・アズミ、マーティン・ドノヴァン、
   ネルサン・エリス、ハルク・ビルギナー

評価:★★




 『ミッシング・ポイント』のような映画は反応に困る。映像表現だとかセリフだとか演技だとかを堪能するよりも先に、題材そのものの切実さが迫ってきて、出来映え云々について言い辛くなるからだ。同時多発テロ以後にイスラム系の人々が受けてきた偏見は、今となっては(いや、当時からそういう意見はもちろんあったのだけど)愚かしいとしか言いようがない。作り手の言い分には最初から納得できる。

 パキスタンからアメリカンドリームを夢見てやってきた青年が直面する現実。一流企業に就職が決まり、マンハッタンの高層ビルで才能を発揮。社長にも認められ、結果を出し、美しい恋人も獲得する。その積み上げてきたものが9.11以後、静かに崩れ始める。社会の中に浮かび上がるイスラム系への偏見は、車のタイヤをパンクさせたり、ツバを吐いたり、暴言を浴びせたり…という愚かな言動を、同僚や友人レヴェルで生み出す。愛と利益だけを頼りに生きる青年はしかし、自身の中の怪物とも向き合うことになる。

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それでも夜は明ける

それでも夜は明ける “12 Years a Slave”

監督:スティーヴ・マックイーン

出演:キウェテル・イジョフォー、マイケル・ファスベンダー、
   ルピタ・ニョンゴ、ベネディクト・カンバーバッチ、ポール・ダノ、
   サラ・ポールソン、ポール・ジャマッティ、ブラッド・ピット、
   アルフレ・ウッダード、ドワイト・ヘンリー、
   アデペロ・オデュイエ、クヮヴェンジャネ・ウォレス

評価:★★★




 カメラが人間の背よりも遥かに高いサトウキビが生い茂る畑を分け入っていく。すると視界が開ける。そこには汗を流して仕事に精を出す多くの黒人と、それを馬車から見守る少数の白人がいる。いきなり奴隷制度を象徴する画が目に焼きつく。『それでも夜は明ける』はひとりの黒人男が奴隷として生きた12年間を描く。

 実のところ、話自体はそれほど意外性のあるものではない。奴隷が自由を獲得するまでを描くならそうなるだろうという予測の範囲内の展開だ。主人公など、あと少しで狂言回しの役割だけに落ち着く危険をまとっている。それにも関わらず、この映画は多面性に富んでいる。何故か。

 それは何と言っても、主人公が黒人は黒人でも自由黒人であることが大きいだろう。自由証明書なるものを持ち、得意のヴァイオリンを活かして音楽家として妻子と幸せに暮らす、言わば白人に近い黒人。それが騙されて奴隷として売り飛ばされ、理不尽に過酷な状況に追いやられる。否が応でも彼の気持ちとの同化を余儀なくされる。そう、主人公の体験を観る者にあたかも同じように感じさせる作りになっている。「ゼロ・グラビティ」(13年)と同じ仕掛けがなされる意味は大きい。

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March 28 - 30, weekend, 2014

March 28 - 30, weekend, 2014

1 The Raid 2|$23,613(7)$165,292
2 ノア 約束の舟|$12,257(3567)$43,720,472

3 グランド・ブダペスト・ホテル|$8,741(977)$24,171,610
4 God's Not Dead|$7,468(1178)$21,750,684
5 ダイバージェント|$6,509(3936)$94,379,586
6 Rob the Mob|$4,473(5)$40,326
7 Cesar Chavez|$4,310(664)$2,861,528
8 Le Week-End|$4,308(50)$472,901
9 Muppets Most Wanted|$3,531(3194)$33,116,817
10 Nymphomaniac: Volume I|$3,275(38)$367,219

【タイトル|一館あたりの興収(公開館数)累計興収】赤字:初登場作品 青字:上昇作品

 イギリスのヘンリー王子とクレシダ・ボナスさんは婚約間近なのではないかとの噂を裏づけるかのように旅行に出かけました。ふたりが向かった先はカザフスタンにある豪華なリゾート地。スキーをするのが第一目的の模様です。移動手段が英国王室関係絡みらしく、何とヘリコプター!それも国が所有するヘリコプターだとか。ヘンリー王子は素っ裸事件以来、すっかりおとなしくなってしまいましたが、そろそろまたバカエピソードを提供して欲しいなぁ。今の英国王室の中で間違いなく最も面白い人物だと思います。

 Box Office。『300<スリーハンドレッド> 帝国の進撃』が公開4週目にして1億ドルを、『アメリカン・ハッスル』が公開16週目にして1億5,000万ドルを超えました。相変わらずマッチョ男が大量出演する『300』ですが、ワタクシの長年の結論によると、腕立て伏せでは腕は太くならない!やっぱりダンベルを使うのがベストの模様であります。

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ラヴレース

ラヴレース “Lovelace”

監督:ロブ・エプスタイン、ジェフリー・フリードマン

出演:アマンダ・セイフライド、ピーター・サースガード、シャロン・ストーン、
   ロバート・パトリック、ハンク・アザリア、ボビー・カナヴェイル、
   アダム・ブロディ、クリス・ノース、デビ・メイザー、クロエ・セヴィニー、
   ジュノー・テンプル、ウェス・ベントレー、エリック・ロバーツ

評価:★★




 リンダ・ラヴレースとはポルノ女優の名前だ。主演作「ディープ・スロート」(72年)はポルノ映画史上最大のヒット作らしく、ラヴレースもまた伝説的な存在のようだ。『ラヴレース』はポルノ女優誕生の瞬間と、映画製作の裏側を描く。クリトリスが喉にある女を演じた女優とその映画の内幕だなんて、面白そうじゃないか。

 楽しいのは前半だ。厳格なカトリック教徒の母親(シャロン・ストーンが本人と分からないくらいに変身して女優としての意地を見せる)に育てられたリンダが、ある日出会った年上の男と恋に落ち、アッという間に同棲・結婚へ。気がつけばポルノ女優として成功するまでが、70年代の美術や衣装、音楽をふんだんに塗しながら描かれる。

 リンダを演じるアマンダ・セイフライドは被写体として眺めが良い。ブロンドイメージの強いセイフライドが髪をブルネットに染め、裸を見せることを厭わずにコケティッシュな笑顔を振り撒く。スタジオでプロモーション用の写真を撮る際に着用する、水玉入りの赤いワンピース姿など、大変可愛らしい。

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テーマ : 映画感想
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マチェーテ・キルズ

マチェーテ・キルズ “Machete Kills”

監督:ロバート・ロドリゲス

出演:ダニー・トレホ、ミシェル・ロドリゲス、ソフィア・ヴェルガラ、
   アンバー・ハード、カルロス・エステヴェス、レディー・ガガ、
   アントニオ・バンデラス、ジェシカ・アルバ、デミアン・ビチル、
   アレクサ・ヴェガ、ヴァネッサ・ハジェンズ、ジェシカ・アルバ、
   キューバ・グッディング・ジュニア、ウィリアム・サドラー、
   マルコ・サロール、ウォルトン・ゴギンズ、メル・ギブソン

評価:★★




 基本的にロバート・ロドリゲスは子どもなのだと思う。子どもはちょっと褒められるとすぐ調子に乗って、怒られるハメになる。おもちゃ箱をひっくり返して伸び伸び遊んでいる彼を眺めるのは楽しいけれど、お調子こいておもちゃを散らかし放題でいるのを見せられるのは、愉快なものではない。

 「マチェーテ」(10年)を褒められたロドリゲスが挑む続編『マチェーテ・キルズ』は、今回もダニー・トレホを真ん中に置いた映画だ。世界一の凶悪顔であるトレホが、鉈を振り回して大暴れ。悪の保安官に首吊りにさせられるも、首が強過ぎて全く死なないのに大笑い。でも今回、可笑しいのはこれぐらいだ。

 暴力とユーモアの無邪気なブレンドこそがこのシリーズの売りだけれど、どうもこれが上手く機能していない。人が2分に一人の速度で死んでいるのではないかと思われる殺人ショーの大半が、首刎ねに捧げられているからだ。鉈はもちろん、ヘリコプターのプロペラやボートのスクリュー等を使って、生首の博覧会。現実感はないと言っても、ここまで偏執的に見せられると、不快を通り越して、ロドリゲスの精神状態まで心配になる。

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