マラヴィータ

マラヴィータ “The Family”

監督:リュック・ベッソン

出演:ロバート・デ・ニーロ、ミシェル・ファイファー、トミー・リー・ジョーンズ、
   ディアナ・アグロン、ジョン・ディレオ、ジミー・パルンボ、
   ドメニク・ランバルドッツィ、ヴィンセント・パストーレ、
   スタン・カープ、ジョン・フレダ

評価:★★




 カチューシャをつけたディアナ・アグロンが可愛らしい。三つ編みの髪をリボンで左側にまとめ、髪留めを飛ばしたスタイルも可愛らしい。『マラヴィータ』はそういう映画だ。マーティン・スコセッシが製作総指揮で、ロバート・デ・ニーロが主演で、ミシェル・ファイファーまで登場して、マフィアが題材で、「グッドフェローズ」(90年)が担ぎ出されても、本格派映画にはならない。それよりも何よりも、リュック・ベッソン映画だからだ。

 「Mr.インクレディブル」(04年)はスーパーヒーローの家族、「アダムス・ファミリー」(91年)は人間ではない者の家族が主人公だった。それと同じノリで、『マラヴィータ』の主人公家族はマフィアに設定される。彼らはFBIの証人保護プログラムにより各地を転々として暮らしている。今度の行き先はフランスのノルマンディ。のんびりした田舎の空気を家族が乱す。…という設定・展開が一向に弾けないのは、マフィアでありながら家族の面々がいたって「普通」だからだ。

 「普通」と言っても人殺しはするし、スーパーマーケットを爆破するし、テニスのラケットで人を殴るし、学校を都合良く支配する。けれど、父も母も娘も息子も、心の底では平穏無事な毎日を願う。これが彼らをつまらなくする。ご近所を招いてバーベキュー。楽しく会話。土産にドーナツまで持たせて庶民をアピール。普通の人間になりたいんだー。「妖怪人間かよ!」と突っ込みを入れたくなる彼らは、個性が希薄なのだ。

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悪の法則

悪の法則 “The Counselor”

監督:リドリー・スコット

出演:マイケル・ファスベンダー、ペネロペ・クルス、キャメロン・ディアス、
   ハヴィエル・バルデム、ブラッド・ピット、ブルーノ・ガンツ、
   ディーン・ノリス、ナタリー・ドーマー、ゴラン・ヴィシュニック、
   トビー・ケベル、エドガー・ラミレス、ロージー・ペレス、
   リチャード・カブラル、ジョン・レグイザモ

評価:★★




 アメリカとメキシコの国境近く。結婚間近の弁護士、通称カウンセラーが、共同出資するレストランの開店を控える友人を通じて麻薬ビジネスに手を出し、アッという間に窮地に陥る…という物語に、Aリストスターが集まる。ハリウッドで主演を張るゴージャスな面子がズラリ。いずれもセルフイメージとは異なる役柄で登場するのが良い。

 いつも鋭利なマイケル・ファスベンダーは主人公として苦悩の演技に徹する。「ノーカントリー」(07年)の印象が濃いハヴィエル・バルデムは脳天爆発ヘアで陽気かつ不安定にちょこまか。そしてカリフォルニアガールのキャメロン・ディアスは表情を変えないままに女の魔性を自在に操る…といった具合。ペネロペ・クルスもブラッド・ピットもイメージにない役柄で、新鮮だ(ただし、ピットは長髪が若い頃と変わらず似合わない)。

 面白い画もある。ディアスとクルスが下半身にタオルをまとっただけの状態で寝そべる場面。陰惨な現場に車から二匹のチーターがゆっくり降りてくる場面。そして何と言っても、人気のない夜、フェラーリのボンネットに乗ったディアスがある体技を見せる場面。ほとんどギャグ。大いに笑うべき場面だ。バルデムの唖然とした表情がサイコー。

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November 22 - 24 weekend, 2013

November 22 - 24 weekend, 2013

1 アナと雪の女王|$243,390(1)$243,390
2 ハンガー・ゲーム2|$37,971(4163)$158,074,286
3 あなたを抱きしめる日まで|$32,109(4)$128,435

4 The Great Beauty|$17,452(3)$91,054
5 ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅|$11,634(28)$515,368
6 The Book Thief|$8,709(70)$1,307,512
7 The Best Man Holiday|$6,120(2041)$50,360,510
8 ダラス・バイヤーズクラブ|$4,035(666)$6,374,058
9 マイティ・ソー ダーク・ワールド|$3,823(3713)$167,917,123
10 I'm in Love with a Church Girl|$3,011(17)$2,380,405

【タイトル|一館あたりの興収(公開館数)累計興収】赤字:初登場作品 青字:上昇作品

 今年もアメリカン・ミュージック・アウォード(AMAs)が開かれました。今回注目すべきは、やっぱりケイティ・ペリーさんでしょう。先日の来日キャンペーンでも嘘偽りない(ように見える)親日家ぶりを発揮していたペリーさんですが、今回「Unconditionally」をパフォーマンスするに当たり、選んだテーマは日本。三味線の音色に乗せて障子の後ろから芸者に扮したペリーさんが登場、幻想的なミステリアス・ジャパンをステージ上に展開しました。途中から様々な色の芸者傘が溢れかえるわ、花吹雪が舞うわ、鳥居が出てくるわ、胸元開き過ぎだわ、着物にスリットが入ってチャイナドレスみたいだわ…と突っ込みどころも楽しいステージでありました。一部メディアは日本への侮辱、人種差別だと報道しているようですが、えっ、アメリカ人って一体…。ペリーさん、懲りずにまた日本に来て下さい。

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いとしきエブリデイ

いとしきエブリデイ “Everyday”

監督:マイケル・ウィンターボトム

出演:シャーリー・ヘンダーソン、ジョン・シム、ショーン・カーク、
   ロバート・カーク、カトリーナ・カーク、ステファニー・カーク

評価:★★★




 『いとしきエブリデイ』には、まだまだ幼い四人の兄弟姉妹が出てくる。良く似ている。…と思ったら、本当の兄弟姉妹だった。とにかく彼らの表情が愉快で、一瞬も目を離せない。とても自然だ。演技しているようには見えない。マイケル・ウィンターボトム監督は、一体どうやって彼らに指導したのだろうか。

 四人は英国、ノーフォークの田舎で母親と一緒に暮らしている。父親はロンドンの刑務所に入っている。彼らの5年に及ぶ歳月の内の数日を、少しずつ間を空けながら切り取っただけの映画で、家族の繋がり、流れゆく時間、当たり前の日々の嬉しさを大切にしている。そのためには父親役のジョン・シム、母親役のシャーリー・ヘンダーソン、そして四人兄弟姉妹を演じる子役たちは、どうしても「家族」に見えなければならなかった。

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僕が星になるまえに

僕が星になるまえに “Third Star”

監督:ハッティー・ダルトン

出演:ベネディクト・カンバーバッチ、トム・バーク、JJ・フィールド、
   アダム・ロバートソン、ヒュー・ボナヴィル、ルパート・フレイザー、
   カール・ジョンソン、エロス・ヴラホス、ニア・ロバーツ

評価:★★




 一人が29歳の誕生日を迎えるその日、四人の英国男がウェールズのバラファンドル湾でのキャンプを目的とした旅に出る。地方の祭りに飛び入り参加し、ぼろぼろのフェリーに乗り込む。崖をロープで下り、季節外れの花火を打ち上げる。気の置けない仲間との気楽な旅行。それが普通とは少々違う空気に包まれるのは、誕生日男が末期ガンに侵されているからだ。すぐさま警戒心が働く。感傷と仲良しこよしの、涙で水浸しの映画ではないか。ドイツ映画「ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア」(97年)のようなバランスを保てるだろうか。

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キャリー

キャリー “Carrie”

監督:キンバリー・ピアース

出演:クロエ・グレース・モレッツ、ジュリアン・ムーア、ジュディ・グリア、
   ポーシャ・ダブルデイ、アレックス・ラッセル、ガブリエラ・ワイルド、
   アンセル・エルゴート、サマンサ・ワインスタイン

評価:★★★




 それにしてもクロエ・グレース・モレッツの成長の早さはどういうことなんだ。思春期真っ只中のモレッツは、マジックを見せるかのように現在急激に変身中。ヒットガールのコスプレが可愛らしかったのは、ほんの少し前のことではないか。発育に従い、その外見の個性がはっきりするのは一般人も映画スターも同じ。モレッツで言うなら、上向きの鼻の穴、尖った顎、広く頑丈な肩が目立つようになった。ふっくらしたアヒル口は子役時代から変わらず。若干エラが張ってきたものの、サイドの髪の毛と尖った顎のおかげでほとんど目立たない。

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ワン・ダイレクション/THIS IS US

ワン・ダイレクション/THIS IS US “One Direction: This Is Us”

監督:モーガン・スパーロック

出演:ナイル・ホーラン、ゼイン・マリク、リアム・ペイン、
   ハリー・スタイルズ、ルイ・トムリンソン

評価:★★★




 モーガン・スパーロックと言ったら「スーパーサイズ・ミー」(04年)だ。一カ月間、一日3回、マクドナルドのファストフードだけを食い続けたらどうなるか。自らを実験台にしたドキュメンタリーを手掛けた男。ユーモアセンスが鋭く、優しい。その彼が人気絶頂、英国のボーイズバンド、ワン・ダイレクションのワールドツアー&プロモーションとその裏側を収めた映画を撮る。ひょっとしたら変わった斬り口の映画ができるかもしれない。

 …という期待はしない方が良い。そりゃそうだ。1Dの映画をスパーロックの演出目当てで観る人など、世界中で10人ぐらいだろう。数秒出てくるだけのマーティン・スコセッシやクリス・ロック、クリスティアーノ・ロナウドを目的に観る人もいない。ターゲットは1Dファンの女の子。それも大半が十代だろう。彼女たちがアイドルである1Dに求めるものを提供することこそ、第一使命。間違っても楽屋で下ネタを言い合ったり、「最前列に俺好みの子がいたぜ」なんて軽いセリフを口にしたりするようなところを映してはいけない。絶対言ってるけど。男だし。若いし。

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セブン・サイコパス

セブン・サイコパス “Seven Psychopaths”

監督:マーティン・マクドノー

出演:コリン・ファレル、サム・ロックウェル、ウッディ・ハレルソン、
   クリストファー・ウォーケン、トム・ウェイツ、アビー・コーニッシュ、
   オルガ・キュリレンコ、マイケル・ピット、マイケル・スタルバーグ、
   ガボーレイ・シディベ、ハリー・ディーン・スタントン

評価:★★★★




 傍らにシーズーを遊ばせながら、コリン・ファレルのぶっとい眉毛が、いつにも増して八の字になっている。ファレルが演じる脚本家はスランプ中。七人のサイコパスが出てくることこそ決まっているものの、アイデアはまるで沸いてこない。『セブン・サイコパス』はファレルがサイコたちを捻り出そうとする話。ハリウッドに氾濫中の暴力にはうんざり、愛と平和をテーマにしたいと言ってのけるファレルは、作品を無事完成させることができるだろうか。

 この映画自体が暴力に溢れ、しかしある種の愛と平和を描いているという皮肉はもちろんあるものの、いちばんの見ものはサイコのコレクションだ。それぞれに個性もインパクトもあるサイコの中では、クエーカー教のサイコの物語に聞き入る。サイコたちの話は悲劇性と喜劇性が衝突しているのが特徴で、とりわけクエーカー教サイコのエピソードはそれが色濃い。哀しくて、でもどこか可笑しい。

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November 15 - 17 weekend, 2013

November 15 - 17 weekend, 2013

1 ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅|$35,100(4)$140,401
2 The Great Beauty|$23,442(1)$23,442
3 The Best Man Holiday|$14,875(2024)$30,107,555

4 The Book Thief|$14,501(29)$564,050
5 The Christmas Candle|$13,731(5)$68,655
6 マイティ・ソー ダーク・ワールド|$9,525(3841)$145,097,130
7 ダラス・バイヤーズクラブ|$9,518(184)$3,012,295
8 12 Years a Slave|$3,263(1411)$24,853,491
9 About Time|$2,610(1280)$11,446,273
10 Last Vegas|$2,607(3237)$46,532,527

【タイトル|一館あたりの興収(公開館数)累計興収】赤字:初登場作品 青字:上昇作品

 結婚後は仕事をセーヴしていたブレイク・ライヴリーさんが動き出しました。向かった先はホワイトハウス。ミシェル・オバマ大統領夫人主催によるワークショップに出席し、映画業界に興味を持つ高校生に仕事の裏話を紹介した模様。ライヴリーさんは大学に行きたかったものの、結局仕事を優先して断念。しかも、出席日数が足りないという理由で、卒業式への参加も断わられたのだとか。数年後、高校側から卒業式でスピーチをして欲しいという図々しい依頼が来たものの、しっかり断わったというオチまでつけています。ところで、ライヴリーさんはライアン・レイノルズさんとの間の赤ちゃんが生まれるのでは…という話はどうやらデマだったようで…。可愛い赤ん坊が乗ったベビーカーを押して公園デビューするライヴリーさんを見られるのは、まだまだ先のようです。

 Box Office。邦題が『なんちゃって家族』に決定したジェイソン・サダイキス、ジェニファー・アニストン主演作が公開15週目で興収1億5,000万ドルを突破しました。アニストンはジャスティン・セローとの結婚式をまたまた延期。かつてのパートナーの動向を窺っているとの噂は本当なんでしょうか。幸せになれない女のイメージをさっさと払拭した方が良いのになぁ。

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ある愛へと続く旅

ある愛へと続く旅 “Venuto al mondo”

監督・出演:セルジオ・カステリット

出演:ペネロペ・クルス、エミール・ハーシュ、アドナン・ハスコヴィッチ、
   サーデット・アクソイ、ピエトロ・カステリット、ジェーン・バーキン、
   ミラ・ファーラン、ヴィニーチョ・マルキオーニ、ブランコ・ジュリッチ、
   ルカ・デ・フィリッポ、ブルーノ・アルマンド、ファウスト・ルッソ・アレシ

評価:★★




 ペネロペ・クルスとエミール・ハーシュは旅先のサラエヴォで出会う。イタリア人のクルスが学生(!)時代、アメリカ人のハーシュがカメラマンとして活動し始めた頃のこと。絶景が広がる雪山で目を交わしてから結ばれるまでがアッという間だ。何しろハーシュが積極的。強引モードにスイッチが入り、イケイケ押せ押せ。初めてのセックスなんて、オスがメスを求めて一直線、あと少しでレイプではないか。

 これまでハーシュが演じてきた役柄を考えると、少々面食らう。ハイテンションを崩さず、先輩クルスを息する間を与えないスピードで自分のペースに巻き込んでしまう。とは言え、陽気さの奥に生きる哀しみのようなものがちらつくのは、らしい。それがなければ聡明なクルスが惹かれることもなかったかもしれない。

 そしてハーシュの見せる複雑さこそ、『ある愛へと続く旅』のテーマに繋がっていく。そこには男と女が奏でる当たり前の愛があり、新しい命に親が見せる父性や母性があり、人生の厳しさをも包み込む人類愛がある。何と言うか、まさかそんな立派な方向に話が広がるとは…。

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恋するリベラーチェ

恋するリベラーチェ “Behind the Candelabra”

監督:スティーヴン・ソダーバーグ

出演:マイケル・ダグラス、マット・デイモン、ダン・エイクロイド、
   スコット・バクラ、ロブ・ロウ、トム・パパ、
   ポール・ライザー、デビー・レイノルズ

評価:★★★




 リベラーチェの職業は「ピアニスト」になるのだろうか。しかし、それよりもぴったり来る呼称は「エンターテイナー」だろう。ピアノを演奏するときの、別の生物のように動く指先の魅力もさることながら、ステージの華やかな盛り上げ方は、選ばれた者にしか実現できないオーラに包まれていた。エルヴィス・プレスリーやマドンナ、レディー・ガガらが影響を受けたというのは、全く、納得できる話だ。

 『恋するリベラーチェ』でスティーヴン・ソダーバーグはまず、リベラーチェの外見作りから入る。演じるのは何とびっくり、マイケル・ダグラスだ。どこからどう見ても女好き、いつでもどこでも精力絶倫男のダグラスが、ピカピカ・キラキラ・ゴテゴテの衣装に身を包む。小林幸子も羨ましがるだろう装置風衣装に呑まれないダグラスによるリベラーチェでもっと注目すべきは、顔の弄り方だ。

 若さと美しさに固執したリベラーチェ。場面によって顔が違う。年月が流れてもリベラーチェはケロッと若返る。シワが消え、弛みが消え、リベラーチェは老いと永遠の追いかけっこに興じる。金が物を言う強引なアンチエイジング。ダグラスもお直し好きの俳優で、リベラーチェの整形趣味人生とリンクするのが可笑しい。

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アメリカン・パイパイパイ!完結編 俺たちの同騒会

アメリカン・パイパイパイ!完結編 俺たちの同騒会 “American Reunion”

監督:ジョン・ハーウィッツ

出演:ジェイソン・ビッグス、クリス・クライン、トーマス・イアン・ニコラス、
   エディ・ケイ・トーマス、ショーン・ウィリアム・スコット、
   アリソン・ハニガン、ミーナ・スヴァーリ、タラ・リード、
   ナターシャ・リオン、シャノン・エリザベス、
   ジョン・チョウ、ダミナ・ラミレス、アリ・コブリン、
   チャック・ヒッティンガー、ジェニファー・クーリッジ、
   ユージーン・レヴィ、レベッカ・デモーネイ

評価:★★




 邦題にあるように「アメリカン・パイ」(99年)の同窓会が実現。スピンオフを除けば四作目、9年ぶりのシリーズ登場。製作期間が開いた分だけキャラクターも歳を取っているわけで、理想と現実の違いに悩むキャラクターがちらほら…。あぁ、俺たちはもう高校生じゃない。時間は戻らない。現実とは何と厳しいのだ。

 …なんてしんみりしないのが良いところ。このシリーズは男も女もはっちゃけて天井知らずのバカ騒ぎに興じる、それが最も重要であり、今回もきちんと守られる。当然下ネタ・下劣ネタてんこ盛り。重要ショットは胸の谷間であり、揺れる乳房であり、はみ出した尻やオッパイだ。人間は変わる。でも変わらないところもある。特にエロへの探究心は不変だ!

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スティーブ・ジョブズ

スティーブ・ジョブズ “jOBS”

監督:ジョシュア・マイケル・スターン

出演:アシュトン・カッチャー、ダーモット・マルロニー、ジョシュ・ギャッド、
   ルーカス・ハース、J・K・シモンズ、レスリー・アン・ウォーレン、
   ロン・エルダード、アナ・オライリー、ジョン・ゲッツ、
   ジェームズ・ウッズ、マシュー・モディン

評価:★★




 アップル・コンピュータの創設者スティーヴ・ジョブズの伝記映画のオープニングがiPodのプレゼンテーション場面というのは、大変相応しい。iPodやiPhone、iPadの生みの親という事実と共に、ジョブズの名前を聞いて真っ先に思い出すのが、毎度優雅なプレゼンだからだ。高そうには見えないシャツをジーンズにイン。足にはスニーカー。前傾気味の姿勢。とぼとぼとした足取り。オーケストラの指揮を執るかのように動く腕。アシュトン・カッチャーが悪くないモノマネを見せる。

 でも、モノマネだけでは面白くない。多くの伝記映画と同じように『スティーブ・ジョブズ』がハマった罠。それは良く知られたエピソードの羅列だ。ジョブズクラスの有名人になると、生きている内から「伝説」が次から次へ。その大半がジョブズ嫌なヤツ説を補強するものであり、ここでもそれらが本当だったと訴えるエピソードが少なくない。

 …と言っても、呆れるほどではない。たくさん映画を観ていると、この程度の嫌なヤツは頻繁に見かけるものだ。むしろジョブズはおとなしい方ではないか。それより問題なのは、「嫌なヤツ」を印象づける言動の大半が、仕事とは密着しない点だ。ここでのジョブズは、愛する仕事とは無関係に「嫌なヤツ」をアピール。理想とするコンピュータのためではない。会社のためではない。仕事のためではない。単に気分屋に見えるのだ。ガキなのだ。

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パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々:魔の海

パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々:魔の海 “Percy Jackson: Sea of Monsters”

監督:トール・フロイデンタール

出演:ローガン・ラーマン、アレクサンドラ・ダダリオ、
   ブランドン・T・ジャクソン、ジェイク・アベル、ダグラス・スミス、
   スタンリー・トゥッチ、ネイサン・フィリオン、
   レヴェン・ランビン、アンソニー・スチュアート・ヘッド

評価:★★




 シリーズ二作目の主な舞台が、海の真っ只中になったのは当然の流れだ。何しろパーシー・ジャクソンは、海の神ポセイドンがスケベ心を全開にして人間との間に作ったハーフなのだから。斯くしてパーシーは、水にまつわる能力を披露する。水の壁を作ったり、波を起こしてサーフィンしたり…。ふむ、楽しく遊びに耽っている。『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々:魔の海』は、何ともまあ、幼い仕上がりだ。

 一作目(10年)はここまで子どもっぽかっただろうか。いよいよ「ハリー・ポッター」シリーズに似てきたこと以上に気になる点だ。児童小説を基にしているとは言え、あからさまに健全なファンタジー世界が構築される。「ハリー・ポッター」シリーズが現実社会を反映したダークな世界に迷い込んだのに較べると、やたら能天気。いや、別に子ども向けだから腹も立たないんだけどサ。

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November 8 - 10 weekend, 2013

November 8 - 10 weekend, 2013

1 The Book Thief|$26,251(4)$105,005
2 マイティ・ソー ダーク・ワールド|$22,322(3841)$85,737,841

3 ダラス・バイヤーズクラブ|$18,249(35)$993,088
4 Reaching for the Moon|$7,287(2)$14,573
5 12 Years a Slave|$5,835(1144)$17,421,312
6 About Time|$3,965(1200)$6,275,743
7 Last Vegas|$3,581(3082)$33,467,006
8 アデル、ブルーは熱い色|$3,518(71)$746,428
9 ゼロ・グラビティ|$3,138(2720)$231,249,831
10 エンダーのゲーム|$3,011(3407)$44,010,488

【タイトル|一館あたりの興収(公開館数)累計興収】赤字:初登場作品 青字:上昇作品

 「第二のデミ・ムーア」路線を狙っているのか、20代の年下ダンサーと別れそうで別れないジェニファー・ロペスさんが、自身をモデルにしたバービー人形を発売することになりました。女の子向けのおもちゃとして絶大なる支持を集めるバービー人形ですが、ロペスさんヴァージョンはセクシーにアレンジ。歌手ヴァージョンはダンサー風に、女優ヴァージョンはプリンセス風になっています。いますが、うーん、これはちょっと尻の肉が足りないんじゃないかなぁ。女でも両手で掴みたくなるような迫力が欲しいところです。ちなみにロペスさんは現在、身体を整えるために食事に気をつけていて、新鮮食材と野菜ジュースを摂ることを心がけているそうな。ケールやパセリ、小麦若葉等の入った青汁を一日に3回も飲み、キノアも摂取。既に15ポンドのダイエットに成功しているとのこと。尻のボリュームだけは落とさないよう、お願いします。

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2ガンズ

2ガンズ “2 Guns”

監督:バルタザール・コルマウクル

出演:デンゼル・ワシントン、マーク・ウォルバーグ、ポーラ・パットン、
   ビル・パクストン、ジェームズ・マースデン、フレッド・ウォード、
   エドワード・ジェームズ・オルモス、ロバート・ジョン・バーク

評価:★★★




 超のつく大金を銀行から盗み出す映画はよくある。二人組が喧嘩しながら活躍する映画も多い。けれど二人組がどちらも別組織の覆面捜査官で、しかもふたりとも互いの正体を知らず、騙し合いをする映画は聞いたことがない。その上二人組を演じるのはデンゼル・ワシントンとマーク・ウォルバーグだ。果たしてどちらが最後に笑うのだろうか。

 …と考えたとき、結局美味しいところ獲りするのは先輩のワシントンになると考えるのが普通だけれど、そう単純な話運びにはならない。ウォルバーグが予想以上に伸び伸びと動き回るからだ。ゴリラのボス的な容姿や不良時代を思うと不思議なほど悪役が似合わないウォルバーグはしかし、その頃培った(?)汚い言葉使いが見事に板についていて、ノリに任せて暴れるのも全く無理がない。大人のやんちゃが似合うのだ。ファンキーに見せる。女性に次々(ヘタクソな)ウインクをするのも楽しい。

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デッドマン・ダウン

デッドマン・ダウン “Dead Man Down”

監督:ニールス・アルデン・オプレヴ
出演:コリン・ファレル、ノオミ・ラパス、ドミニク・クーパー、
   テレンス・ハワード、イザベル・ユペール、
   アーマンド・アサンテ、F・マーリー・エイブラハム

評価:★★★




 黒沢年雄との区別が難しくなってきたコリン・ファレルと交通事故で手術でも消えない傷を顔に負ったノオミ・ラパスが、初めてデートするまでの流れが良い。隣り合うアパートで暮らすふたりは、ベランダ越しに互いの存在を知り、エア握手を決めた後、レストランでディナーの場を設ける。食事をしながらぎこちない自己紹介。帰る途中の車内で、ラパスが切り出すセリフが意表を突く。「あなたがアパートで人を殺すところを見たわ。黙っててあげるから、私に傷を負わせた男を殺して欲しいの」。大分意訳。

 …というわけで、『デッドマン・ダウン』の主役カップルはかなり暗いふたりだ。当初の共通点は復讐心ぐらいしかなかったのに、何度か会う内に互いが抱える孤独に似た匂いを嗅ぎ取り、急激に距離を縮めていく。無口な男とお喋りな女は、どちらも本当は誰か心を温めてくれる人が欲しかった。ファレルが汗臭く、ラパスがちょいブスめなのが良い。分かりやすい美男美女では気分が出ないシチュエーション。暗いふたりは、とてもロマンティックなふたりでもあるのだ。

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42 世界を変えた男

42 世界を変えた男 “42”

監督:ブライアン・ヘルゲランド

出演:チャドウィック・ボウズマン、ハリソン・フォード、
   ニコール・ベハリー、クリストファー・メローニ、アンドレ・ホランド、
   ルーカス・ブラック、ハミッシュ・リンクレイター、ライアン・メリマン

評価:★★★




 「42」という数字は、メジャーリーグで全球団唯一の永久欠番らしい。かつて42の背番号をつけていた選手こそ、『42 世界を変えた男』の主人公ジャッキー・ロビンソンだ。ロビンソンはメジャーリーグに初めて現れた黒人選手。毎年4月15日はメジャーリーグの全球団・全選手が「42」をつけてロビンソンの偉業を讃える。立派な人物の匂いが立ち込める。

 ロビンソン賛歌に終わる危険を秘めた題材だけれど、それでも差別問題を抜きにして彼を語ることはできない。戦後の野球界(に限らないだろうけれど)はまだ、ニガーやニグロという言葉が飛び交い、白人の多くが平気で黒人を差別していた。ロビンソンも心ない仕打ちを次々受ける。敵チームからの侮蔑の言葉。観客席からの野次。大量に届く脅迫文。宿泊先への襲撃。チームメイトすら彼を受け入れず、心が休まるのは愛する妻といるときだけ。いや、妻といても気を抜けば、傍らの差別の火薬に火がつけられる。その陰湿な実態を描く。

 ロビンソンはそれに屈しない。と言っても、彼は何もしない。肉体的に反撃すれば、白人社会におけるスポーツ人生はその時点で終わる。言い返すことさえ危険極まりない。彼にできるのは沈黙すること。耐えること。そして、プレイにより自分という存在を証明すること。ここが面白いところであり、同時にフラストレーションが溜まるところだ。ロビンソンの代わりに言い返したい。可能ならば、殴ってやりたい。そう思わせるエピソードが並べられ、そのダムの汚水が決壊寸前となったところから、カタルシスを得られる「変化」が語られる。

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危険なプロット

危険なプロット “Dans la maison”

監督:フランソワ・オゾン

出演:エルンスト・ウンハウアー、ファブリス・ルキーニ、
   クリスティン・スコット=トーマス、エマニュエル・セニエ、
   ドゥニ・メノーシェ、パスティアン・ウゲット、
   ジャン=フワンソワ・バルメ、ヨランド・モロー

評価:★★★★




 高校の国語の教師と彼が小説の書き方を指導する生徒。『危険なプロット』のふたりの主人公の内、生徒を演じるエルンスト・ウンハウアーはいかにもフランソワ・オゾン監督好みの男優だ。鼻筋が高く通った丸顔。広く綺麗な額。薄い唇。柔らかな頬骨。陶器のような肌。脂肪や筋肉とは無縁の細い身体。一見日陰が似合う、どこにでもいる文系の少年風。けれど、悪魔的な微笑と突如眼光に宿る狂気が、奇妙に色っぽい。普通のようで普通でない。

 最初の作文は、教師を演じるファブリス・ルキーニが声に出して読み上げることで披露される。数学を教えるために訪れた同級生宅の様子が綴られる。その後連作となる長編の導入部だ。豊富な語彙。豊かな表現。構成の妙。取捨選択に優れた観察力。…その文字の持つ力にアッという間に引き込まれる。とりわけ同級生の母親を「中産階級の曲線」「中産階級の女の香り」と表現するフレーズが良い。いやらしく淫ら。想像力を刺激する。

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ファントム 開戦前夜

ファントム 開戦前夜 “Phantom”

監督:トッド・ロビンソン

出演:エド・ハリス、デヴィッド・ドゥカブニー、ウィリアム・フィシュナー、
   ランス・ヘンリクセン、ジョナサン・シェック、
   ジェイソン・グレイ=スタンフォード、ショーン・パトリック・フラナリー、
   ジェイソン・ベギー、ダグマーラ・ドミンスク、デレク・マジャール、
   キップ・パルデュー、ジョーダン・ブリッジス

評価:★★




 潜水艦を取り上げた映画は大抵面白い。暗く深い海の下、巨大なクジラを思わせる艦の中。そこは逃げ場のない閉塞感に支配された空間であり、設定だけである程度の緊張感が保証されるからだ。1968年冷戦下、南太平洋でソ連の原子力潜水艦が消えた史実を基にしたという『ファントム 開戦前夜』も、一定の緊張感は具えている。

 けれど、そこから膨らむはずのサスペンスは奥行きに乏しいものだ。ソ連の乗組員たちが英語で通したり、艦内の設計が不明瞭だったり、美術に作り物の色が濃かったり、狭いがゆえに上半身ばかりの画になったり…という不満もさることながら、音に対するセンスが鈍いのがいちばんの問題だ。

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テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

November 1 - 3 weekend, 2013

November 1 - 3 weekend, 2013

1 ダラス・バイヤーズクラブ|$28,985(9)$260,865
2 12 Years a Slave|$11,688(410)$8,952,538
3 エンダーのゲーム|$7,930(3407)$27,017,351
4 About Time|$6,150(175)$1,076,250

5 アデル、ブルーは熱い色|$6,065(37)$381,769
6 Last Vegas|$5,329(3065)$16,334,566
7 All Is Lost|$4,383(130)$1,433,530
8 ゼロ・グラビティ|$4,241(3024)$218,891,359
9 Free Birds|$4,231(3736)$15,805,237
10 Kill Your Darlings|$3,536(19)$219,080

【タイトル|一館あたりの興収(公開館数)累計興収】赤字:初登場作品 青字:上昇作品

 レニー・ゼルウィガーさんが整形手術をしたのでは?…と囁かれています。ニューヨークで開かれたアルマーニのファッション・イヴェントに現れたゼルウィガーさん。バストに大ぶりのリボンをあしらったブラック・スーツで登場したのですが、その際の、不自然なぱっちりオメメが大きな話題に。たまたまそういう写真が撮られただけ…という言い訳が通用しないのは、全部の写真がぱっちりオメメだから。2月のアカデミー賞授賞式ではボトックス顔で登場して、ある意味受賞者よりも注目され、世界を唖然とさせたゼルウィガーさん。「ブリジット・ジョーンズ」シリーズ最新作がなかなか進まず、話題になるなら何だっていいわよ!ってところでしょうか。お直しするなら微調整ぐらいに留めれば良いのになぁ。今こそメグ・ライアンさんやメラニー・グリフィスさんらの失敗から学ぶべきです。

 Box Office。『ゼロ・グラビティ』が公開5週目にして2億ドルオーヴァー。ジョージ・クルーニーは10月、3人の女性と交際を噂されましたが全て否定。モデル、女優(ケイティ・ホームズ)、弁護士と多彩なジャンルの女性たちで、噂にしてもさすがのラインナップ。現在のクルーニーの恋人はコッカー・スパニエルのミックスだという愛犬のアインシュタインということにしておきましょう。オスですけど。まあ、そちらの方が想像が膨らむ方も多いでしょう。

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グランド・イリュージョン

グランド・イリュージョン “Now You See Me”

監督:ルイ・レテリエ

出演:ジェシー・アイゼンバーグ、マーク・ラファロ、ウッディ・ハレルソン、
   メラニー・ロラン、アイラ・フィッシャー、デイヴ・フランコ、コモン、
   マイケル・ケイン、モーガン・フリーマン、マイケル・ケリー

評価:★




 手品やマジックという呼称はピンと来ない。イリュージョンこそ似つかわしい。プリンセス天功あたりがやりそうなステージ映えする演目は、一見映画と相性が良さそうだ。大掛かりな美術。プログラムに合わせた衣装。てきぱき動く怪しげなアシスタント。観客を引き込む話術。ダイナミックに鳴り響く音楽。それらが大きな画面の中で合体する。忘年会で近所のオッサンが披露する余興とはスケールが違う。『グランド・イリュージョン』ではラスヴェガスやニューオーリンズ、ニューヨークが街ごとパフォーマンスの舞台になる。あぁ、きっと華麗なる世界が広がる。作り手がそう思い込んだとしても不思議ではない。

 しかしルイ・レテリエは、派手に魅せることだけに意識を集中させる愚を犯す。これは映画だ。当然そのパフォーマンスには映画的装飾が施される。縦横無尽に動き回るカメラワークやハイスピードをキープする編集。伏線らしきものの仄めかし。登場人物の不可解な行動。クローズアップの多用。謎を散りばめた軸となる物語。パフォーマンスの最中でも装飾は途切れない。もちろんそれは悪いことではない。むしろ必要だ。ただ、イリュージョンという題材においては、見せる見せないの選択は非常に重要な意味を持つ。生で目撃する観客ではないのだ。相当デリケートに画面を作らなければ、作り手の都合の良いものしか提示されないフラストレーションが溜まる。その罠にまんまとハマる。

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ブロークンシティ

ブロークンシティ “Broken City”

監督:アレン・ヒューズ

出演:マーク・ウォルバーグ、ラッセル・クロウ、
   キャサリン・ゼタ=ジョーンズ、ジェフリー・ライト、
   バリー・ペッパー、アロナ・タル、
   ナタリー・マルティネス、カイル・チャンドラー

評価:★★




 マーク・ウォルバーグとラッセル・クロウ。アメリカのゴリラとニュージーランドのクマが対決する。どちらも歳を重ねてアニマル度に磨きをかけていて、同じ画面に入るだけで、結構な迫力だ。檻を抜け出したふたり。しかし、その野性味たっぷりの肉体を存分に使った格闘はちっとも出てこない。何も香港映画を倣ってカンフーを見せろとは言っていない。でも、これじゃ動物園で飼い慣らされた温室育ちではないか。

 ウォルバーグが演じるのはダークな過去を持つ警官崩れの私立探偵だ。その彼がラッセル・クロウ演じる選挙戦真っ只中のニューヨーク市長に仕事の依頼を受ける。それが、それが…、浮気調査というからがっくり来る。妻がキャサリン・ゼタ=ジョーンズという上玉とは言え、二大アニマルスターに見合ったスケールの仕事ではない。上映時間の半分は浮気調査に割かれる。

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ゴースト・エージェント R.I.P.D.

ゴースト・エージェント R.I.P.D. “R.I.P.D.”

監督:ロベルト・シュヴェンケ

出演:ジェフ・ブリッジス、ライアン・レイノルズ、ケヴィン・ベーコン、
   メアリー=ルイーズ・パーカー、ステファニー・ショスタク、
   マリサ・ミラー、ジェームズ・ホン、ロバート・ネッパー、マイク・オマリー

評価:★




 恥ずかしい映画だ。どんな風に恥ずかしいかと言うと、試験で学校一の秀才の解答用紙をカンニング、「俺今回は100点だぜ!」と自信満々だったのに、マークシートの解答欄がズレていて、結局30点しか獲れなかったみたいに恥ずかしい。名前の書き忘れで0点に終わる方が、まだ笑える。『ゴースト・エージェント R.I.P.D.』よ、カンニングするなら、せめてしていないフリぐらいしたらどうだ。

 カンニングした映画は「メン・イン・ブラック」(97年)だ。異生物を懲らしめる組織。近未来的なオフィス。二人組の捜査官。ヴェテランとルーキー。漫才のような掛け合い。玩具を思わせる武器。遊びの延長のような調査。人間に化けた異生物。グロテスクな正体。街中での捕り物。短い上映時間。続編の意識。

 いや、別にカンニングをしたとしても、上手く隠してくれれば良いのだ。実際、カンニング映画はたくさんあるし、その中には面白い映画だってある。この映画が問題なのは、ここまであからさまにカンニングをしながら、それをそのままの状態で完成させてしまったからだ。オリジナリティを注ぎ込んで初めて、カンニングは許される。

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天使の処刑人 バイオレット&デイジー

天使の処刑人 バイオレット&デイジー “Violet & Daisy”

監督:ジェフリー・フレッチャー

出演:シアーシャ・ローナン、アレクシス・ブレデル、
   ジェームズ・ガンドルフィーニ、マリアンヌ・ジャン=バプティスト、
   ダニー・トレホ、タチアナ・マズラニー、コディ・ホーン

評価:★★★




 せっかく少女二人組の殺し屋の物語なのだ。しかもアレクシス・ブレデルとシアーシャ・ローナンが演じるのだ。衣装をとっ替えひっ替えするコスプレ映画にすれば良かったのに。最初の仕事でふたりは、尼僧に扮する。しかもなぜかピザをデリバリー。無表情に風船ガムを膨らませながら銃をぶっ放す画、なかなかフォトジェニック。その後のコスプレが清掃業者しかないのは、どう考えても不幸だ。

 とは言え、ローナンにはサーヴィス衣装があと二点用意されている。キャビン・アテンダント風の青いユニフォームは、ルイーズ・ブルックス風の髪型効果もあって、大変可愛らしい。バラをプリントしたワンピースも少女性をたっぷり感じさせて、ヴェリー・スウィート。あぁ、やっぱりもっとコスプレ・ショーに走って欲しかった。

 作り手がブレデルとローナンで遊んでいることは明らかだ。「アルプス一万尺」を何回もやらせるわ、道端の落書きを使ってケンケンパさせるわ、指相撲させるわ、牛乳を飲んだ後に白いヒゲをつけさせるわ、赤い飴をペロペロさせるわ…。大体殺し屋をする理由が、最新流行の洋服代のためだって言うんだから…。彼女たちがじゃれているところを愛でようというのが、第一目的のはずなのだ。

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黒いスーツを着た男

黒いスーツを着た男 “Trois mondes”

監督:カトリーヌ・コルシニ

出演:ラファエル・ペルソナーズ、クロティルド・エスム、アルタ・ドブロシ、
   レダ・カテブ、アルバン・オマル、アデル・エネル、
   ジャン=ピエール・マロ、ローラン・カペリュート、ラシャ・ブコヴィッチ

評価:★★




 ラファエル・ペルソナーズはフランスで「アラン・ドロンの再来」と言われているらしい。なるほど、それはひょっとして『黒いスーツを着た男』の役柄によるところが大きいのではないか。ペルソナーズが演じるのは、元貧乏人の車のセールスマンだ。社長の娘との結婚も昇進も決まっている。その彼が深夜、轢き逃げ事故を起こすも逃走、窮地に陥る物語。ドロンが「太陽がいっぱい」(60年)で演じたトム・リプリー役を思わせるところが多いのだ。ただし、ペルソナーズの役柄に厚みはない。

 そもそもがバカバカしい話だ。交通事故の加害者となるセールスマン、事故の目撃者、被害者の妻をメインに置いた物語は不自然さに満ちている。セールスマンは身を守りたいと思いながら、自分が犯人だと認めるかのような怪しい行動を隠さない。目撃者の女はどういうわけだか、自ら進んで加害者と被害者の仲介役になる。被害者の妻は不審に感じるところがあっても、決定的な出来事が起こるまでその追求を避ける。

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