May 25 - 28 weekend, 2012

May 25 - 28 weekend, 2012

1 Moonrise Kingdom|$171,545(4)$686,179
2 最強のふたり|$34,251(4)$137,004
3 メン・イン・ブラック3|$16,303(4248)$69,254,717

4 アベンジャーズ|$12,053(3918)$523,907,202
5 Elena|$9,348(2)$37,850
6 The Best Exotic Marigold Hotel|$6,781(1233)$18,564,239
7 Bernie|$5,815(194)$2,479,974
8 Hysteria|$5,458(32)$230,457
9 Polisse|$4,298(14)$88,538
10 Chernobyl Diaries|$3,845(2433)$9,355,124

【タイトル|一館あたりの興収(公開館数)累計興収】赤字:初登場作品 青字:上昇作品

 ギタリストとして依然好調のジョン・メイヤーさんが、恋愛というプライヴェートな話をかつてメディアにペラペラ喋ったことを後悔しているそうです。メイヤーさんは「喋り過ぎると、世間やメディアから叩かれるだけさ」とため息。今頃そんな当たり前のことに気づくメイヤーさん、音を鳴らすとあんなにカッコイイのにねぇ。ちなみにメイヤーさんと関係があったとされるのは、ジェニファー・ラヴ・ヒューイットさん、ジェシカ・シンプソンさん、ジェニファー・アニストンさん、ミンカ・ケリーさん…一部を除き、オッパイがデカイ方ばかりなのが分かりやすくてよろしいのではないでしょうか。ちなみにワタクシがいちばんメイヤーさんで度肝を抜かれたのは、豪華客船の上で開かれたファンの集いでメイヤーさんが披露した、「ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習」(06年)のあの黄緑水着姿でした。しまっていない身体と尻の割れ目に食い込んだ水着、うーん…三日三晩、悪夢にうなされましたわさ。

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恋と愛の測り方

恋と愛の測り方 “Last Night”

監督:マッシー・ダジェディン

出演:キーラ・ナイトレイ、サム・ワーシントン、エヴァ・メンデス、
   ギョーム・カネ、グリフィン・ダン、ダニエル・エリック・ゴールド

評価:★★




 男の女の関係なんて何がきっかけで壊れてしまうか分からない。逆に思いがけず結びつくことだってあるだろう。たとえ「結婚」という名の契約を結んだふたりだったとしても、例外ではない。『恋と愛の測り方』はそれを大袈裟に語り上げる。愛やら恋やらの定義づけなど、まるで意味のないことだ。踏み出すか踏み出さないか。ただ、それだけ。それ以上でもそれ以下でもない。そんな普通のことを一本の映画として成立させてしまった強引さは、褒められるべきなのかもしれない。

 目指したのはおフランス映画なのだろうか。やたら登場人物が喋り捲る。一夜の出来事を描いているに過ぎないのに、寝る間も惜しんで話し続ける男たち女たち。ムードたっぷりの音楽を背景に、彼らはそれぞれの過去と現在を明らかにしていく。そして、答えのない恋愛論へと発展させていく。不毛だ。過去に何があったにせよ、今どういう思いを抱いているにせよ、それに理由付けして何になるだろう。本能に忠実であるか否か。彼らは自らの行為を正当化しようと必死だ。

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容疑者、ホアキン・フェニックス

容疑者、ホアキン・フェニックス “I'm Still Here”

監督・出演:ケイシー・アフレック

出演:ホアキン・フェニックス、アントニー・ラングトン、キャリー・パーロフ、
   ラリー・マクヘイル、ベン・スティラー、ショーン・コムズ

評価:★★




 ホアキン・フェニックスが俳優を引退し、ヒップホップミュージシャンに転向すると宣言したとき、それを信じた人はどれくらいいただろう。俳優が簡単に引退を口走り、すぐに撤回する昨今。しかも、舞台は何でもありのハリウッドだ。当然フェニックスのそれも気まぐれとして受け取った人が大半だったのではないか。

 ところが、ミュージシャン活動への専念がやけに長かったのだ。フェニックスはミュージシャン転向を、ことあるごとに本気の決断であると主張する。しかも、以前では考えられないような奇行が増えていく。本当にステージに立ち、パフォーマンスまで披露する。しかもそれが、ドヘタクソだ。もしかして頭がおかしくなってしまったのかもしれない。どこへ行くんだフェニックス。マジなのか?!

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キラー・エリート

キラー・エリート “Killer Elite”

監督:ゲイリー・マッケンドリー

出演:ジェイソン・ステイサム、クライヴ・オーウェン、ロバート・デ・ニーロ、
   ドミニク・パーセル、エイデン・ヤング、イヴォンヌ・ストラホフスキー、
   ベン・メンデルソーン、デヴィッド・ホワイトリー

評価:★★




 ジェイソン・ステイサムが主演すれば、例外なく、それは「ジェイソン・ステイサム映画」になる。役柄が異なっていたとしても、設定が風変わりだったとしても、時代が変わっていたとしても「ジェイソン・ステイサム映画」になる。拙い演技がそう見せるのではない。ステイサム自身が持つ空気。周りのそれを俺色に染め上げる感染力が高いのだ。あまりに軸が頑丈ゆえ、どこを切っても同じに見える。これは欠点…ではない。紛れもない武器だ。ステイサム好きはステイサムを観に行く。いつもの彼が観られれば、それでホッとするのだ。

 ところが、『キラー・エリート』はステイサムに挑戦する。「ジェイソン・ステイサム映画」の破壊を試みる。ステイサムを主演に迎え、しかし「ジェイソン・ステイサム映画」を目指しはしない。あの手この手を繰り出す。ステイサム好きはそのあがきを楽しめば良い。

 まず、話を複雑にしてみる。孤高の元殺し屋。オマーンの反乱分子。殺しの斡旋組織。英国特殊部隊SAS。それと繋がりのあるフェザーメンと呼ばれる謎の集団。立ち位置の異なる人物を大量投下し、しかもその思惑を小難しく絡ませることで、単純な見かけにならないようにしている。当然ステイサム演じる元殺し屋もそれぞれの思惑を考え込む。それにも関わらず、ステイサムはいつも通りだ。目の前にいる敵に向かっていくだけ。複雑にしてみたところで、ステイサムはステイサムだ。

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別離

別離 “Jodaeiye Nader az Simin”

監督:アスガー・ファルハディ

出演:レイラ・ハタミ、ペイマン・モアディ、シャハブ・ホセイニ、
   サレー・バヤト、サリナ・ファルハディ、ババク・カリミ、メリッラ・ザレイ

評価:★★




 古今東西、離婚劇などどこにでも転がっているだろう。ありふれたものだ。ところが、それが中東、イランを舞台にしているとなると、ややこしくなる。政治と宗教、ふたつの大きな問題が横たわるからだ。ファーストショットでいきなり明らかになる現実問題。ある離婚の申し出をきっかけに始まる裁判劇を描く『別離』は、感情のぶつけ方が濃い。ぶつけ合う当人たちの顔よりも遥かに濃い。

 人間という生き物の実体が次々明らかにされる。一見、どこにでもいそうな二組の夫婦が直面する出来事は、穏やかな彼らの表情とは不釣り合いにどろどろしている。移民、離婚、教育、介護、格差、暴力、流産といった社会問題にしつこくまとわりつく負の感情。それを露にすることに躊躇いがない。魂を剥き出しにする。

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幸せの教室

幸せの教室 “Larry Crowne”

監督・出演:トム・ハンクス

出演:ジュリア・ロバーツ、ブライアン・クランストン、タラジ・P・ヘンソン
   セドリック・ジ・エンターテイナー、ググ・バサ=ロー、
   ウィルマー・ヴァルデラマ、パム・グリアー、ラミ・マレック

声の出演:ニア・ヴァルダロス

評価:★★




 「アメリカの父」と言われる人だ。トム・ハンクスには善良なイメージがつきまとう。どれだけ横暴に振る舞っても、その奥には「善い人」の香りしかしないのだから、あがくだけ無駄だ。ハンクスもそれを自分の持ち味だと承知しているはずで、時折柄に合わない役柄に手を出して失敗しては、ちゃんと自分のイメージに戻ってくる。思い返せば、彼が魅力的だった映画は、「ビッグ」(88年)「フォレスト・ガンプ 一期一会」(94年)といったタイトルを挙げるまでもなく、どれもこれもその善良さが活かされたものばかりだ。きっと本人が善良なのだ。だから、その人となりが知らず知らずのうちに滲み出ることになる監督作が、善良なものとなるのは必然と言える。

 『幸せの教室』はいかにも善良な人が作った映画だ。大学を卒業していないからと務めていたスーパーをクビになる50代男が主人公。彼が第二の人生を歩み出していく様が、驚くほど善良に描かれていく。出てくるのは良い人ばかり。辛い言葉を投げ掛ける者はなし。30歳ほども歳の離れた若者たちの輪にも難なく溶け込み、教師の心もがっちり掴む。待ち受ける障害も優しい。生活の源を失うことこそ気の毒だけれど、主人公は難題を軽やかに飛び越え、見事新しい道を切り開いていく。もちろん狙い通りのことだろう。世知辛い世の中、映画の中だけでも気分良くなろうじゃないか。

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テイク・シェルター

テイク・シェルター “Take Shelter”

監督:ジェフ・ニコルズ

出演:マイケル・シャノン、ジェシカ・チャステイン、トーヴァ・スチュワート、
   シェー・ウィガム、ケイティ・ミクソン、キャシー・ベイカー、
   レイ・マッキノン、リサ・ゲイ・ハミルトン、ロバート・ロングストリート

評価:★★★




 男が目撃する終末的悪夢に魅せられる。ある田舎町の緑ある眺め。広く青い空。立ち上がる灰色の雲。轟く稲妻。妖しい動きを見せる黒鳥の群れ。エンジンオイルを思わせる飴色の雨。突飛と言うよりも、現実が僅かに歪に動いたような光景だ。これは男の妄想に過ぎないのか。それとも…。

 『テイク・シェルター』は終始、異様なまでの緊張感に貫かれている。男は毎日悪夢に苦しめられる。それに生活が支配されていく。常軌を逸した行動が増えていく。そうして辿り着くのが、嵐避けのシェルター作りというのが可笑しくて、そして恐ろしい。男はとり憑かれたようにシェルター作りに励む。他の何を犠牲にしてもそれに没頭する。言葉にするだけならそれほどに異常性は見えないのに、妙にゾッとさせられる。身近なところにある、身近な狂気が漂い始める。狂気には理由づけはなされない。

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May 18 - 20 weekend, 2012

May 18 - 20 weekend, 2012

1 アベンジャーズ|$13,096(4249)$457,665,517
2 The Best Exotic Marigold Hotel|$9,126(354)$8,228,025
3 Hysteria|$7,131(5)$35,656
4 バトルシップ|$6,920(3690)$25,534,825
5 ディクテーター 身元不明でニューヨーク|$5,796(3008)$24,476,173
6 Polisse|$5,523(3)$16,568

7 Bernie|$5,173(95)$1,124,572
8 Crooked Arrows|$5,091(55)$256,346
9 What to Expect When You're Expecting|$3,491(3021)$10,547,068

10 ダーク・シャドウ|$3,351(3755)$50,721,759

【タイトル|一館あたりの興収(公開館数)累計興収】赤字:初登場作品 青字:上昇作品

 ロシア、モスクワで開かれた『メン・イン・ブラック3』プレミアのレッドカーペットで、ウィル・スミスさんが唇を奪われそうになりました。あるウクライナ人男性レポーターがスミスさんとハグした直後、いきなりキスをしようとしたそうです。スミスさんは「何するんだこんちくちょう」と怒り、レポーターにビンタをかましたとのこと。世界広しと言えど、スミスさんからビンタを貰った人は少ないでしょう。レポーターの方、良かったですね。なお、レポーターは度々問題行動を起こす人物として知られているそうで、以前はマドンナさんに彼女が大嫌いなアジサイの花を贈ったことで話題になっていました。

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幸せの行方...

幸せの行方... “All Good Things”

監督:アンドリュー・ジャレッキ

出演:ライアン・ゴズリング、キルスティン・ダンスト、フランク・ランジェラ、
   フィリップ・ベイカー・ホール、クリステン・ウィグ、リリー・レーブ、
   マイケル・エスパー、ダイアン・ヴェノーラ、ニック・オファーマン

評価:★★




 ニューヨークの巨大不動産会社の御曹司とごく普通の家庭に育った女の物語は、実際の出来事が基になっているという。身分違いの恋から始まった関係が、いつしか血生臭いそれへと変化を遂げる。確かに映画向きの題材のように思える。ただ、旨味ある材料が揃っていても、調理法が幼くては美味いものは作れない。映画は映画でもチープなTV映画的な印象だ。日本で言うなら、今はなき火曜サスペンス劇場がせいぜいだろう。

 ライアン・ゴズリングは何故この御曹司役を引き受けたのだろう。特別な才能もなければ、野心もない平凡な男。あるのは親の金だけ。我慢強く観察していると、いちばん最初に浮かぶその謎が徐々に明らかになる。この御曹司、どうやら精神的に問題を抱えているらしく、次第に愛する女に暴力をふるうようになるのだ。秘めていた暴力性と狂気が静かに露わになる。ゴズリングはこの部分を表現したかったに違いない。

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ル・アーヴルの靴みがき

ル・アーヴルの靴みがき “Le Havre”

監督:アキ・カウリスマキ

出演:アンドレ・ウィルム、カティ・オウティネン、
   ジャン=ピエール・ダルッサン、ブロンダン・ミゲル、エリナ・サロ、
   イヴリーヌ・ディディ、クォック=デュン・グエン、フランソワ・モニエ、
   ロベルト・ピアッツァ、ピエール・エテックス、ジャン=ピエール・レオ

評価:★★★★




 警察に追われてクローゼットに隠れていたアフリカ系少年に靴みがきの老人が尋ねる。「泣いたか」。少年は「ううん」。老人は「泣くだけ損だ」と返す。全く、これだからアキ・カウリスマキ監督が好きなのだ。近頃はどの映画も、泣いて笑って、また泣いての繰り返し。忙しいにも程がある。感情のジェットコースターにより揺さぶりをかけようだなんて、安っぽい。そんなことをしている暇があるなら、カウリスマキは余計な装飾を取り除くことに目を向ける。

 華美という名の無駄の剥ぎ取られたカウリスマキ映画だから、湿っぽいところはない。扱っているのは移民問題。登場人物の暮らしは貧困と隣り合わせだ。しかしここにある命は、涙も笑顔も見せることのないまま、毎日を淡々と生きる。言葉の少ない毎日を、辛いことなどないとシラッと生きる。なんと美しいのだろう。その美観に胸打たれる。心の豊かさとは何だろうと考える。

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ジョイフル♪ノイズ

ジョイフル♪ノイズ “Joyful Noise”

監督:トッド・グラフ

出演:クイーン・ラティファ、ドリー・パートン、
   ケケ・パルマー、ジェレミー・ジョーダン、
   コートニー・B・ヴァンス、デクスター・ダーデン、
   ジェシー・L・マーティン、クリス・クリストファーソン

評価:★★




 兎にも角にも、ドリー・パートンがますますとんでもないことになっている。いつの頃からかお直しマニアと化していたパートン。65歳を過ぎたというのに、いやそれだけの歳を迎えたからなのか、全身の直しに全力を捧げている。突っ張った肌。めくれ上がった唇。スイカのような胸。ポッキーのように細いウエスト。ほとんどサイボーグというか、バケモノというか。お直しというものは、一旦手を出すと歯止めをかけるのが難しいとよく分かる。

 ただし、不思議と嫌な気分はない。それはパートンがそういう自分を受け入れているからだ。ケチ臭く隠すことなどしない。それどころか喜んで見世物になるわよとばかりに、大金をかけた身体の全てを見せつけていく。作中「整形だらけ」とギャグにする場面が出てくるくらいだ。大らかじゃないか。ちまちまこそこそシワ取りに励みながら、しかしメディアの前では「ありのままがいちばんよ」などと白々しく言い放す輩より、尊敬に値する。お直しするなら、こうでなくっちゃ。シェールと並び、お直し界のツートップとして頑張ってくれ。メグ・ライアンやメラニー・グリフィスはまだまだ甘いね。ちなみに、パートンの愛すべき目立ちたがり気質は役柄にも表れている。登場人物中、ひとりだけブロンド。唇は真っ赤。衣装は不自然に身体のカーヴを強調するものだらけ。色は原色系たっぷり。絶対本人の希望だと思う。

 聖歌隊を描いたミュージカル映画というと「天使にラブ・ソングを…」(92年)を思い出すけれど、『ジョイフル♪ノイズ』が目指したのは、それよりもTVシリーズ「glee/グリー」(09年~)だろう。寂れた田舎町の希望の星とも言うべき教会の聖歌隊が、ジョイフル・ノイズと呼ばれる聖歌隊の歌唱コンクールの優勝を目指す話。昔ながらの神聖な音楽だけでなく、ポップミュージックやヒップホップの要素を取り入れて、栄光に向かって突き進む。決勝当日を迎えるまでに仲間たちのすったもんだがあるのは言うまでもない。ワーオ、ホントに「glee/グリー」だ。マーケティング担当、読んでいる。裏側が透けるのは野暮とは思いつつ、楽しいのだから良いじゃないかと寛容な気分にもなる。

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ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン

ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン “Bridesmaids”

監督:ポール・フェイグ

出演:クリステン・ウィグ、マヤ・ルドルフ、ローズ・バーン、
   メリッサ・マッカーシー、ウェンディ・マクレンドン=コーヴィ、
   エリー・ケンパー、クリス・オダウド、マット・ルーカス、
   ジル・クレイバーグ、マイケル・ヒッチコック、ミッチ・シルパ

評価:★★




 想像でしかないけれど、懐かしのウィルソン・フィリップスのデビュー曲「Hold On」の映像化を目指すところから、始まったのではないか。クライマックスではご本人たちも登場して盛り上げる(チャイナ・フィリップスがキツめの顔に変わっていて、軽くショック)。冴えない人生。でもそれを他人のせいにしていてはいけない。自分の人生を変えられるのは自分だけ。あと一日頑張りなさい。そうすればきっと上手くいく。爽やかなサウンドに乗せて前向きな言葉が綴られた「Hold On」。そこに親友の結婚話が絡む。これだけだと春風が似合いそうな映画かと早とちりしそうだ。言うまでもなく、『ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン』はそんな作品ではない。何しろプロデューサーにジャド・アパトウの名前がある。

 アパトウ映画と言ったら、愚かで下品というのが当たり前だ。右は底抜けのバカに、左は汚らしい下ネタに振り切れる。それでいて温もりが感じられる。人間の底の浅さを笑い飛ばしながら、しかし人情というものを信じている。この映画も例に漏れない。女版「ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い」(09年)という声も聞かれるけれど、それよりもやっぱりアパトウ印が濃い。そして、アパトウ映画を女だらけで作ったのがミソだ。

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メガマインド

メガマインド “Megamind”

監督:トム・マクグラス

声の出演:ウィル・フェレル、ティナ・フェイ、ジョナ・ヒル、
   デヴィッド・クロス、ブラッド・ピット、ベン・スティラー、
   ジャスティン・セロー、ジェシカ・シュルテ、J・K・シモンズ

評価:★★★




 まず、タイトルにもなっている主人公メガマインドのデザインが良い。パッと見た感じはピッコロ大魔王をちっこくした印象。ただ、筋肉質なそれとは違って、優雅な空気をまとっている。顔の半分以上を占める大きな頭。オシャレに見えなくもないアゴひげ。長く細い手足。そして、アジュールブルーの肌の色。全体のバランスが優れていて、大袈裟なケープが似合うのもなかなか。エレガントな味わいを考えると、ティム・バートン映画に出てきてもおかしくない。

 『メガマインド』はドリームワークス映画だ。ドリームワークスが作るアニメーションは、ディズニーのそれとは斬り込み方が異なる。ディズニーが道徳の本にでも出てきそうな正攻法の教訓話を貫くのに対し、ドリームワークスはそこにくっついている偽善を見逃さない。多くの人が見逃すであろうそれを凝視することで、物事の本質を突いてくる。ここで重要なのは、それでいて浮かび上がるメッセージが、まともだということだ。着地点はディズニーと変わらない。捻りの効かせ方こそがドリームワークスの腕の見せ所ということだ。そういう意味で、この映画、いかにもドリームワークス映画。

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イルカと少年

イルカと少年 “Dolphin Tale”

監督:チャールズ・マーティン・スミス

出演:ネイサン・ギャンブル、アシュレイ・ジャド、ハリー・コニック・ジュニア、
   モーガン・フリーマン、クリス・クリストファーソン、
   コージー・ズールスドーフ、オースティン・ストウェル

評価:★★★




 あぁ、イルカが水の中を泳ぐ。たったそれだけで胸を打たれるものがある。背景の深い青。上から降り注ぐ光。水の泡。グレイの身体が輝く。流れと一体化する。なんと優雅。海の守護神…ではないな。海の妖精と言った方がぴったり来るか。クリスチャン・ラッセン的な、でも環境問題臭くない海の画。オープニング、中盤、そしてクライマックス。作り手がイルカの泳ぎを大々的に撮るのも無理はない。とりわけ少年と絡む場面が素晴らしい。

 邦題にあるように『イルカと少年』の話だ。動物と少年少女の組み合わせは最強というのは、今も昔も変わらない。ここでもこの組み合わせが放つきらめきに重心を置いて、好感度の高い物語に仕立て上げている。海の生き物と少年というと「フリー・ウィリー」(93年)を思い出すけれど、話の設定は「マイ・ドッグ・スキップ」(00年)が一番近いのではないか。心に傷を負った少年が動物との交流を通じて成長していく。物語の背景には戦争の影がちらつく。どちらもハリー・コニック・ジュニアが関わっているのは偶然か。

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May 11 - 13 weekend, 2012

May 11 - 13 weekend, 2012

1 アベンジャーズ|$23,696(4349)$373,071,647
2 The Best Exotic Marigold Hotel|$15,012(178)$3,744,656
3 ダーク・シャドウ|$7,906(3755)$29,685,274
4 Bernie|$6,090(36)$539,962
5 Girl in Progress|$4,298(322)$1,384,078
6 Headhunters|$3,711(24)$262,308
7 ジョン・カーター|$3,331(230)$71,726,762
8 Think Like a Man|$2,834(2052)$81,432,840
9 God Bless America|$1,951(14)$27,308
10 ハンガー・ゲーム|$1,780(2531)$387,007,048

【タイトル|一館あたりの興収(公開館数)累計興収】赤字:初登場作品 青字:上昇作品

 双子をすこーんと産み落とす見事な腰の持ち主であるマライア・キャリーさんが、ウエストハリウッドのゲイバーで目撃されました。ボディガードと共に現れたキャリーさんは、メインダンスフロアのテーブルを陣取り、他の客からの注目を一身に集めていたとのこと。キャリーさんはウォッカをお行儀良く飲んでいたということで、ふむ、マイリー・サイラスさんやリンジー・ローハンさんが見習うべき人は、キャリーさんかもしれません。ちなみに…ワタクシはキャリーさんの楽曲に特別な感動は覚えませんが、「Make It Happen」が好きです。

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ロード・オブ・クエスト ドラゴンとユニコーンの剣

ロード・オブ・クエスト ドラゴンとユニコーンの剣 “Your Highness”

監督:デヴィッド・ゴードン・グリーン

出演:ダニー・マクブライド、ジェームズ・フランコ、ナタリー・ポートマン、
   ゾーイ・デシャネル、ジャスティン・セロー、トビー・ジョーンズ、
   ダミアン・ルイス、チャールズ・ダンス、ラスムス・ハーディカー

評価:★★




 ファーストシーンは主人公が処刑されようとしているところだ。一見危機一髪の状況のようだけれど、その罪は淫行である。しかも顔はブサイクだ。体型はデブと言える。口からは下ネタばかりが飛び出し、かつ卑屈な性格ときたもんだ。トドメにダニー・マクブライドが演じている。もちろんコメディになる。いや、コメディじゃなければ、ウソだろう。

 近年はバカ映画が量産されている。いや、ずっと前からバカ映画は存在していたのだけど、その大半は大真面目な姿勢ゆえ、その不器用さゆえ、思いがけずバカに近づいてしまったというタイプのバカ映画だった。最近のバカ映画は、確信犯的にバカを狙ってくる。「ここまでバカになっちゃいますよ。どうぞ観ているあなたもバカになって楽しみましょう」みたいな。その際は「いや、ホントは俺たち、賢いんですけどね」という注釈が漏れなくついてくる。意思に反してバカになるのは敬遠されるのだ。

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タイタンの逆襲

タイタンの逆襲 “Wrath of the Titans”

監督:ジョナサン・リーベスマン

出演:サム・ワーシントン、リーアム・ニーソン、レイフ・ファインズ、
   ダニー・ヒューストン、エドガー・ラミレス、ロザムンド・パイク、
   ビル・ナイ、トビー・ケベル、ジョン・ベル

評価:★★




 よくよく考えてみると、ギリシャ神話には突っ込みどころが多い。神々の王であるゼウスは彼方此方に子どもを作る女たらしだし、ゼウスやハデス、ポセイドンの父親であるクロノスは子どもたちを喰ってしまうほどにとんでもない巨神。天上界のみならず、人間界をも巻き込んだ暴走の数々は、ハリウッドのメロドラマもびっくり。神話ゆえにロマンティックに感じられるところも多いけれど、ひょっとして人気の秘密は暴走の方にあるのだろうか。「タイタンの戦い」(10年)、そして『タイタンの逆襲』はその突っ込みどころに目をつけたシリーズなのかもしれない。

 ただこのシリーズは、神話のおかしみを大々的に取り上げながら、語り口は大真面目だ。兄弟や親子という血縁関係にある者たちが善悪に分かれ、愛憎の炎を燃やし、終いには生死の絡んだ争いを発展させていく。シェイクスピア劇に対抗意識でもあるのだろうか。リーアム・ニーソンやレイフ・ファインズが神々に配役されているところを見ても、作り手の本気が伝わる。本気なのは作り手だけで、観ている方は「こんなに暴走させて、神々が機嫌を損ねないだろうか」なんて心配してしまうのだけど。

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裏切りのサーカス

裏切りのサーカス “Tinker, Tailor, Soldier, Spy”

監督:トーマス・アルフレッドソン

出演:ゲイリー・オールドマン、コリン・ファース、トム・ハーディ、
   トビー・ジョーンズ、マーク・ストロング、ベネディクト・カンバーバッチ、
   シアラン・ハインズ、キャシー・バーク、デヴィッド・デンシック、
   スティーヴン・グラハム、ジョン・ハート、サイモン・マクバーニー、
   スヴェトラーナ・コドチェンコワ、ジョン・ル・カレ

評価:★★★★




 混乱を強いられる。重要な登場人物が多い。場面によってファーストネーム、ファミリーネーム、呼び方が異なる。コードネームで呼ばれることもある。しかも、それぞれを結ぶ糸は複雑に絡み合う。諜報機関特有の用語も多々出てくる。作戦名も次々浮上する。気を緩めていては、アッという間にスパイの世界から放り出されることだろう。簡単に言えば、頭を使うのだ。映画は感じるものであって欲しい。そういうのとは対極に位置しているように見える。しかし、それでもなお、『裏切りのサーカス』は面白い。圧倒的な吸引力がある。ずっと酔っていたい快感に溢れている。一体全体何なのだ、これは。

 要するに頭を使う価値のある映画の芸がたっぷり注がれている。「二重スパイは誰か」という話を引っ張る軸への装飾が華やか。その充実が疲労感を誘うほどの緊張感を形成していると見て間違いない。極めて乱暴な言い方を選ぶなら、話自体がさっぱり分からなくても、心は快楽の水で満たされていくのではないか。これは恐るべきことだ。

 1970年代ロンドンの再現が徹底される。机や椅子、電話や文具、カーテンや絨毯がもたらす、時代という名の媚薬の効果。メガネやスーツも時代を映し出す。街並も匂う。スタイリッシュであり、モダンであり、なおかつ懐かしい気配を漂わせている。それが一転、諜報機関内部は殺風景に処理される。余計に匂いが濃くなる。

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テーマ : 映画感想
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気がつけば…

 拙いことになった。ファーストシーズンでは特に思うところのなかった『glee グリー』なのに、セカンドシーズンではずっぽりハマってしまった。セカンドシーズンはNHK BS2で3月に集中放送されたのだけど、それに合わせて連日観ていてたら、催眠効果でもあったのか、気がつけばホイ、登場人物への愛情が湧き上がっていたのだった。

 セカンドシーズンを面白く観られたのは多分、レイチェルとフィン以外のキャラクターも積極的に話に関わり、しかも歌うようになったからのような気がする。話と歌が広がりを見せることで、キャラクターが立ってきたのだ。とりわけサンタナ、ブリトニーがよろしい。こんなに歌って踊れたのに、どうしてファーストシーズンでは出し惜しみしたのだろう。作戦なんだろうか。ファーストシーズンではそう言えばいたかも…ぐらいにしか記憶していないアジア系のマイク・チャンも、ダンスでばりばり目立ってくれて楽しい。

 新キャラクターのサムもなかなかよろし。からかわれている口が立派で良いじゃないの(ジャスティン・ビーバー話に笑う)。クインとナイスカップルだったのに、フィンのせいでヘンな方向に行っちゃったのが無念だ。カートの相手役として登場するブレインは濃過ぎて苦手なのだけど、歌は文句なしに上手い。演じるダレン・クリスはひょっとすると番組中、いちばん上手いんじゃなかろうか。

 そんなわけでレイチェル、フィン、そしてカートといった、より中心的なキャラクターにはますます興味が失せていくのだけど(シュースター先生には苛々するだけなのは、なぜ)、カートは父ちゃんの描き方が素晴らしく冴えているところで、ちょいとポイント挽回。あとは演じるクリス・コルファーが歌うときに歯を見せてくれたなら、良いんだけどなぁ。これは仕方がないのか。

 ベストエピソードはカートの父ちゃんの結婚式話かな。フィンとカートの関係にはついホロリ。パフォーマンスではレディー・ガガの「Born This Way」が、話との相乗効果で意外なほど感動的だったなぁ。アデルの「Rolling In The Deep」はアレンジを効かせ過ぎて、相当不満。

 今のところ、CDまでチェックしようという気分にはなっていないのが、何よりだ。ちゅーか、サードシーズン早く観たいぞ。そして…、

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テーマ : 戯 言
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オレンジと太陽

オレンジと太陽 “Oranges and Sunshine”

監督:ジム・ローチ

出演:エミリー・ワトソン、デヴィッド・ウェンハム、ヒューゴ・ウィーヴィング、
   タラ・モーリス、アシュリング・ロフタス、ロレイン・アシュボーン

評価:★★




 血は争えない。これが映画監督デビューとなるジム・ローチはどうやら、父であるケン・ローチと同じく、社会派意識が強い傾向にあるようだ。我々が生きている世界に横たわる、根の深い問題の数々を映像に焼きつける。もしかしたら知らないままに生きていても生活に支障がないかもしれない事柄を、怯むことなく突きつける。作品を観る前から気分が重くなるのは辛いものの、頼もしい映画人と言って良いのではないか。

 その息子ローチが『オレンジと太陽』で取り上げるのは、英国政府、オーストラリア政府による「児童移民制度」だ。19世紀に始まったこの制度は、13万人以上に及ぶ英国の少年少女を、労働者として無断でオーストラリアへ送り込んだというもの。なおかつ孤児院では日常的に虐待が行われていたという。驚くべきことに、しかも1970年代まで続いていた。つい最近のことではないか。いくら伝達手段に乏しかったとは言え、これが80年代半ばまで公にされていなかったというのも衝撃だ。政策により親と引き離された子どもたちは、どんな毎日を送ったのだろう。ローチが目に留めるのも無理はない。

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Black & White/ブラック&ホワイト

Black & White/ブラック&ホワイト “This Means War”

監督:マックG

出演:リース・ウィザースプーン、クリス・パイン、トム・ハーディ、
   ティル・シュヴァイガー、チェルシー・ハンドラー、アンジェラ・バセット、
   ジョン・ポール・ルタン、アビゲイル・スペンサー、ジェニー・スレイト

評価:★★




 ひょっとして「シャーロック・ホームズ」(09年)の影響なのだろうか。友人にして恋のライヴァルである男ふたりの間に流れる空気が奇妙なことになっている。ストーリー上はひとりの女をめぐって対立するふたりなのに、その溝が深くなればなるほどに、同時に親密さを増しているように見える。どれだけ相手を貶しても罵り合っても血が流れても、精神的距離の近さは隠せない。クリス・パインとトム・ハーディ、整った顔立ちの男ふたりが、実は互いの想いを確かめ合う映画じゃないかと邪推してしまう。

 …となると気の毒なのはリース・ウィザースプーンだ。傍から見ればヒロインはれっきとした二股女。それを好感度の高い彼女に演じさせる。何とか共感を搾り出すことを目的とした配役だと思われる。ところがマックGの興味のほとんどはパインとハーディに向いている。ヒロインの造形はウィザースプーンに丸投げだ。恋人との別れから立ち直っていないとき、偶然続けて出会ったイイオトコ。気の置けない友人に相談しながら、本当の運命の人を見極めていく。特徴らしい特徴のない女。ウィザースプーンには役不足というものだろう。捻りの効いた魅力が無駄にされる。でも、猪木の顎はやたら目立つ。まさかそれこそが演出か。

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May 4 - 6 weekend, 2012

May 4 - 6 weekend, 2012

1 アベンジャーズ|$47,698(4349)$207,438,708
2 The Best Exotic Marigold Hotel|$27,298(27)$737,051

3 Bernie|$17,568(8)$261,843
4 Headhunters|$4,717(17)$141,431
5 ジョン・カーター|$4,282(349)$70,760,807
6 Think Like a Man|$4,033(2010)$73,135,600
7 ぼくたちのムッシュ・ラザール|$2,746(81)$914,200
8 ハンガー・ゲーム|$2,000(2794)$380,614,659
9 Darling Companion|$1,984(46)$235,302
10 Sound of My Voice|$1,939(28)$103,550

【タイトル|一館あたりの興収(公開館数)累計興収】赤字:初登場作品 青字:上昇作品

 遂にブラッド・ピットさんと結婚秒読み段階に入ったと言われるアンジェリーナ・ジョリーさんですが、今夏と噂される結婚式に向けて、体重のコントロールに入ったそうです。と言っても、最近は痩せ過ぎが指摘されるジョリーさんですからダイエットなんてするわけもなく、なんと5キロ増やす計画でいるのだとか。5キロって言ったら、肉もパスタも食べ放題、ビールも焼酎も呑み放題じゃないですか。そこのアナタもジョリーさんを見習って5キロ増やしてみましょう。渡辺直美さんに近づくのかもしれませんけど。全部筋肉になるのなら、ワタクシも5キロ増やしてみたいあるよ。

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ジョン・カーター

ジョン・カーター “John Carter”

監督:アンドリュー・アダムソン

出演:テイラー・キッチュ、リン・コリンズ、サマンサ・モートン、
   マーク・ストロング、シアラン・ハインズ、ドミニク・ウエスト、
   ジェームズ・ピュアフォイ、ブライアン・クランストン、
   トーマス・ヘイデン・チャーチ、ウィレム・デフォー、ダリル・サバラ

評価:★★




 まず、主人公ジョン・カーターを演じるテイラー・キッチュが、さほど魅力的に見えない。だらしなく伸びた髪の毛やターザン風なだけで工夫が見られないコスチュームが原因かとも思ったけれど、それよりもキッチュの筋肉の質によるところが大きいのではないか。一般人と比べたら、そりゃもう、立派な身体だ。ただ、上半身を中心に乗っかったそれが、必要以上に弾力性があり、柔らかなのだ。硬質の筋肉の持つ美しさに乏しい。そしてそこから放たれる瞬発力に迫力がない。早い話、見栄えが良くない。

 そのキッチュが迷い込むバルスームという世界がまた、既視感を煽るものだ。突然70年代に作られた映画でも観ている気分になる。真っ先に連想したのは「スター・ウォーズ」(77年)だ。果てしなく広がる白い砂漠と岩山。そこには不釣り合いの飛行船。地球では見たことのないクリーチャー。異形の種族。そして、侵略が底に敷かれた抗争。そのまま「スター・ウォーズ」のスピンオフとして通用しそうだ。

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マンイーター

マンイーター “Rogue”

監督:グレッグ・マクリーン

出演:ラダ・ミッチェル、マイケル・ヴァルタン、サム・ワーシントン、
   バリー・オットー、ミア・ワシコウスカ、キャロライン・ブレイジャー、
   スティーヴン・カリー、ジョン・ジャラット、ヘザー・ミッチェル

評価:★★★




 「ジャングルクルーズ」の映画化ではない。けれど『マンイーター』の舞台は、オーストラリアの山奥深くにある世界遺産、カカドゥ国立公園内、岩壁と森に囲まれた川の上だ。いや、川と言うより沼と言った方がしっくりくるか。そこをクルーズ観光する人々が遭遇するのはワニだ。それも巨大ワニだ。かくして彼らは、フック船長並の恐怖に襲われる。怖いよ、ワニ!

 人間が獰猛な生物に襲われる映画は、星の数ほど作られてきた。クジラにサメ、ヘビにピラニア。イノシシなんてのもあった。究極は恐竜だ。獰猛性も大きさもすばしっこさも、恐竜はレヴェルが違う。…となると、ワニはちょいとどころか、相当にスケールダウンだ。ワニ、恐竜に完敗だ。残念だよ、ワニ!

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バトルシップ

バトルシップ “Battleship”

監督:ピーター・バーグ

出演:テイラー・キッチュ、アレクサンダー・スカルスガルド、
   リアーナ、ブルックリン・デッカー、浅野忠信、
   リーアム・ニーソン、グレゴリー・D・ガドソン、ジェシー・プレモンス、
   ジョン・ベル、ピーター・マクニコル、ジョシュ・ペンス

評価:★★




 一言で言うならば、『バトルシップ』は海洋版「トランスフォーマー」(07年)だろう。マイケル・ベイだとかローランド・エメリッヒあたりが監督していないのが不思議だ。今回宇宙からやってくるエイリアンが不時着するのは、ハワイ沖の海。その近くで環太平洋合同演習(RIMPAC)を行っていた海軍と対決する。海、陸、アメリカ本土に登場人物を配置、それぞれに役割を与えながら、エイリアンとの対決に向かい合う。散りばめられるのは笑いと涙、そして女。VFXとロックミュージックもたっぷり。基本だ。そして、基本以外何もない。

 見せ場がバトルシーンにあることは言うまでもない。宇宙から飛来した巨大な宇宙船とアメリカと日本を中心にした軍艦が大海原で激突する。これが…普通なのだ。設定上、海という舞台を活かしたアクションが並べられて然るべきなのに、出てくる戦闘描写がどこかで見たようなものばかり。水が重要な意味を持つ戦いは微塵もなく、それどころかアクションの幅を狭めることしかしないのが無念。結局バトルの中心になるのは砲撃だ。エイリアンとの直接対決は狭い艦内に限られ息苦しい。しかも、カメラが対象物に寄り過ぎて、何が起こっているのか理解し辛い。作り手もアクションに限界を感じたのか、陸の方で動きをつける。そういうのは逃げと言うのだ。

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セットアップ

セットアップ “Setup”

監督:マイク・ガンサー

出演:カーティス・ジャクソン、ライアン・フィリップ、ブルース・ウィリス、
   ジェナ・ディーワン、ランディ・クートゥア、ジェームズ・レマー、
   ショーン・トーブ、ウィル・ユン・リー、ブレット・グランスタッフ

評価:★




 精肉店で死体がミンチにされる場面を観たとき、思ったのだ。ブラックジョークのつもりなのだろうか。ところが、これがマジのようなのだ。特に笑わせるつもりなく、裏切りをきっかけに破綻していくダイヤモンド強奪事件の顛末を、悲劇的なそれとして描いている。ひょっとすると作り手は、「現代のシェイクスピア劇」ぐらいに思っているかもしれない。素晴らしくおめでたいと言える。

 ライアン・フィリップが仲間を裏切るのには理由がある。刑務所暮らしの父の安全を確保するべく、悪徳警官への賄賂を工面するためだ。それならば仕方がない…と微塵も思わせない時点で、映画の不安定化は決定づけられた。何しろ裏切る相手は、古くからの親友なのだ。兄弟同然の親友なのだ。ずっと支え合ってきた親友なのだ。フィリップは父と親友を天秤にかけ、迷うことなく父を選ぶ。

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わらの犬

わらの犬 “Straw Dogs”

監督:ロッド・ルーリー

出演:ジェームズ・マースデン、ケイト・ボスワース、
   アレクサンダー・スカルスガルド、ドミニク・パーセル、
   ラズ・アロンソ、ウィラ・ホランド、ジェームズ・ウッズ

評価:★★




 タイトルにもなっている『わらの犬』とは、古代中国において祭祀で用いられた捧げもののことだという。祭りの間は丁重に扱われるものの、用がなくなると、邪険に扱われた挙句に捨てられる。あまりにも有名な1972年映画で、サム・ペキンパーが使用したのもなるほど納得できる。ペキンパー映画を語る上では避けては通れない暴力、そしてそれを躊躇わない人間をスマートに表している。ロッド・ルーリーによるリメイク版は、果たしてそれにどこまで近づくことができたのか。

 リメイク版では舞台が、イギリスの片田舎からミシシッピー州の片田舎へと移っている。まず、これが拙い。信仰に厚く、金に塗れることもなく、アメフトを心から愛する社会。しかし、その皮を一枚剥ぎ取れば、途端に残忍性が顔を出す。湿気が多く、汗が止まらず、爽快さとは無縁の空気の中で、暴力が暴発してもショックは弱い。何かが起こる不穏さが常に付きまとうため、遂に暴力が露になるときの衝撃が衝撃にならない。舞台としてはでき過ぎているのだ。

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白鯨/MOBY DICK

白鯨/MOBY DICK “Moby Dick”

監督:マイク・バーカー

出演:ウィリアム・ハート、イーサン・ホーク、チャーリー・コックス、
   ラオール・トゥルヒージョ、ジリアン・アンダーソン、エディ・マーサン、
   ビリー・ボイド、ドナルド・サザーランド、ジェームズ・ギルバート

評価:★★




 これまでにも何度も映画化されたハーマン・メルヴィルの小説『白鯨』が、今度は3時間のミニシリーズとして蘇る。モビー・ディックと呼ばれる白いマッコウクジラに片足を喰われた船長が主人公。船の乗組員たちは大海原という逃げ場のない場所で、船長の妄執に巻き込まれていく。今この物語に触れると、近年大量生産されているVFX満載のブロックバスタームービーの匂いがちらつくのが興味深い。「パーフェクト ストーム」(00年)など、目指すところこそ異なるものの、設定は大いに似ている。

 …とは言え、「パーフェクト ストーム」のように男の生き様は浮かび上がらない。何しろ出てくる俳優たちから海の匂いがしないのだ。一等航海士役のイーサン・ホークは迫力に欠けるし、その下に就いているエディ・マーサンも指揮官の器とは思えない。狂言回し的役割のチャーリー・コックスはともかく、他の乗組員はもっと男臭く迫って欲しかったところだ。潮の香りが足りない。

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April 27 - 29 weekend, 2012

April 27 - 29 weekend, 2012

1 Bernie|$28,602(3)$85,805
2 Headhunters|$10,753(4)$43,013

3 Think Like a Man|$8,737(2015)$60,472,199
4 Sound of My Voice|$7,227(5)$36,134
5 セデック・バレ|$4,765(12)$57,183

6 Darling Companion|$3,791(17)$119,342
7 The Five-Year Engagement|$3,614(2936)$10,610,060
8 ぼくたちのムッシュ・ラザール|$3,605(68)$606,440
9 SAFE セイフ|$3,483(2266)$7,892,539
10 一枚のめぐり逢い|$3,404(3175)$39,409,719

【タイトル|一館あたりの興収(公開館数)累計興収】赤字:初登場作品 青字:上昇作品

 現在妊娠中のリース・ウィザースプーンさんですが、先日マタニティウェアを大量購入しているところを目撃されました。ジーンズだけで600ドルを使ったそうです。ライアン・フィリップさんとの間に生まれた第一子エヴァちゃんは、もう12歳だそうですよ。母親似だとするなら、当然アゴが尖がっていることでしょう。栗ぐらいならアゴで割れそうです。良かったですね。

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第九軍団のワシ

第九軍団のワシ “The Eagle”

監督:ケヴィン・マクドナルド

出演:チャニング・テイタム、ジェイミー・ベル、ドナルド・サザーランド、
   マーク・ストロング、タハール・ラヒム、ダグラス・ヘンシャル

評価:★★★




 西暦120年、ローマ帝国全盛期を舞台にしていると聞くと、どうしても身構えてしまうのだけど、そんなに硬くなる必要はない。『第九軍団のワシ』はいたって健全な冒険活劇だ。「週間少年ジャンプ」あたりに載っている漫画が原作でもおかしくない(実際は英国の歴史小説家ローズマリー・サトクリフが原作)。残酷な描写もあるにはあるものの、上昇気流に乗るチャニング・テイタムが、そのロマンを分かりやすく伝える。

 要所要所に置かれる戦闘アクションがいちばんの見所になっている。殺陣の場面は人物に寄り過ぎている上、カメラも闇雲に動き過ぎだけれど、古風な作戦の数々には面白いものがある。砦の周りを火で焼き払う戦法、盾を亀の甲羅のようにして身を守りながら隙を突く戦法、馬車に刃物を装着して敵の脚を狙う戦法…等。ハイテクとは無縁でも知恵を絞った戦い。最大の敵役となるアザラシ族が呪術使いっぽいのも良い。

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