少年マイロの火星冒険記 3D

少年マイロの火星冒険記 3D “Mars Needs Moms”

監督:サイモン・ウェルズ

声の出演:セス・グリーン、ダン・フォグラー、ジョーン・キューザック、
   トム・エヴェレット・スコット、エリザベス・ハーノイス

評価:★★




 ピクサー作品を中心に、CGを投入したアニメーションは目覚ましい進化を遂げている。実写ではまだ違和感の多い3Dも、アニメーション映画では有効に働くことが多い。だからもしかしたら、俳優の実際の演技をアニメーション化するパフォーマンスキャプチャーの分野でも劇的に技術が伸びているのかではないかと期待したのだけれど、『少年マイロの火星冒険記 3D』はそれを粉々に打ち砕く。映像に全く感心するところがないままに90分が過ぎてしまった。

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テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

ファンタスティック Mr.FOX

ファンタスティック Mr.FOX “Fantastic Mr. Fox”

監督:ウェス・アンダーソン

声の出演:ジョージ・クルーニー、メリル・ストリープ、
  ジェイソン・シュワルツマン、エリック・アンダーソン、
  ビル・マーレイ、ウォーリー・ウォロダースキー、
  マイケル・ガンボン、ウィレム・デフォー、
  オーウェイン・ウィルソン、ジャーヴィス・コッカー

評価:★★★★




 ウェス・アンダーソン監督はずっと家族を撮り続けている。それも普通の家族ではない。「機能不全」という言葉を使ってしまうと途端にありきたりなそれを連想してしまうけれど、アンダーソンはその枠に収まらない突飛な形態を選んでいる。天才ばかりだったり(「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」(02年))、船の上で衝突したり(「ライフ・アクアティック」(04年))、兄弟が唐突なインド旅行に出かけたり(「ダージリン急行」(07年))…。そして『ファンタスティック Mr.FOX』ではキツネファミリーを取り上げる。遂に主人公が人間ではなくなってしまった。アンダーソンの嗜好はやっぱり常人とはかけ離れたところに浮かんでいる。

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テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

April 22 - 24 weekend, 2011

April 22 - 24 weekend, 2011

1 Incendies|$16,893(3)$50,679
2 重なりあう時|$14,990(2)$76,909
3 Tyler Perry's Madea's Big Happy Family|$10,957(2288)$25,068,677
4 ブルー 初めての空へ|$6,851(3842)$80,806,562
5 Water for Elephants|$5,979(2817)$16,842,353
6 Meek's Cutoff|$5,965(6)$87,845
7 When Harry Tries to Marry|$5,948(4)$23,790
8 イースターラビットのキャンディ工場|$3,370(3616)$100,224,905
9 The Princess of Montpensier|$3,279(11)$72,950
10 Win Win|$2,856(388)$6,630,650

【タイトル|一館あたりの興収(公開館数)累計興収】赤字:初登場作品 青字:上昇作品

 ウィリアム王子とケイト・ミルドンさんの結婚式が近づいてきました(4月29日)。招待客は豪華になると言われていますが、今のところ判明しているのはエルトン・ジョンさん、デヴィッド・ベッカム&ヴィクトリア夫妻、ローワン・アトキンソンさん、イアン・ソープさん、ガイ・リッチーさんら、本当に豪華と言い切っちゃっていいのかと(ワタクシは)判断に迷う面々。ここはひとつヘレン・ミレンさんやコリン・ファースさんあたりも押さえておくべきなんではないでっしゃろか。ちなみに1900人が招待され、その内1000人が結婚するふたりの友人なんだとか。どんな交友関係だよ!

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テーマ : 興行収入ランキング
ジャンル : 映画

OSCAR PLANET、たいしたことない裏話

 第83回アカデミー賞授賞式が終了してからもうすぐ2か月。アカデミー賞専門サイト OSCAR PLANETの更新はずっとその関連で進めてきたけれど、ようやくそちらのフォローも終わる。…ということはつまり、第84回に向けてスタートを切るときが近づいているということだ。現時点では5月1日をそのスタート日に、9日間連続第一弾予想の紹介を予定している。

 大分日が迫っているけれど、もう随分前から準備していたので、そんなに慌ててもいない。直しを少々入れている程度。レースも始まっていないのにいきなり文章量が多いとよく言われるのだけど、別に一気に書いているわけではなくて、ちょこちょこ少しずつ溜まってあの量なので、全然苦ではないのだ。最初に書き始めるのが大体前年の7月頃で、空いた時間を見つけて下書きしている。そして賞レースが始まる前までには大体の形になっているのだった。我ながら作業が早い。中身がないからとも言えるけど、まあ何事も溜めるのが嫌いな性格なのも大きい気がする。そう言えば子どもの頃、夏休みの宿題も全然溜めなかった。前半に片づけて、後は遊んでいるタイプだった。

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テーマ : 映画関連ネタ
ジャンル : 映画

抱きたいカンケイ

抱きたいカンケイ “No Strings Attached”

監督:ナタリー・ポートマン、アシュトン・カッチャー、グレタ・ゲルウィグ、
   ミンディ・カリング、リュダクリス、オリヴィア・サールビー、
   レイク・ベル、ケーリー・エルウェス

評価:★★




 主役の男女は身体からその関係を始める。誰もが忙しい現代社会、恋愛している時間なんてどこにあるというのか。運良く相手を見つけられたとしても、信頼を深めていく時間はどこで探せばいいというのか。それならば身体だけの関係を求めるのもひとつの選択だ。バカな雑誌なら“新しい恋愛の形”として喜んで特集記事を組むだろう。バブル時代なら。要するに『抱きたいカンケイ』で取り上げられるのはセックスフレンド(あぁ、なんと陳腐な言葉だ)というヤツだ。そこには幼いなりのルールが存在する。お互い欲しいときだけ求め合いましょう。でも恋愛感情を持ち込むのは御法度。身体だけだと割り切ることが最優先される。もちろんこんなのは都会的な恋愛なんかじゃないし、カッコ良くもない。単に空虚な関係だ。そして空虚なままでいられないのが人間だと誰もが知っている。『抱きたいカンケイ』はそう、題材自体が実はすごく古臭い。

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テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

チェイシング 追跡

チェイシング 追跡 “Tenderness”

監督:ジョン・ポルソン

出演:ラッセル・クロウ、ジョン・フォスター、ソフィー・トラウブ、
   ローラ・ダーン、アレクシス・ジーナ、アリヤ・バレイキス

価:★★




 十代の頃を定義するのは難しい。光GENJIじゃないけれど、硝子のように繊細で脆い。大人でも子どもでもない、中途半端な成長過程にあり、それゆえ精神状態も安定しているとは言い難い。どこに向かっているのかも、何を見つめているのかも、一体自分がどうしたいのかも、はっきりとは分からない。空に浮かぶ雲と同じで、ふわふわ宙に浮いているような、そして風に吹かれたらそのまま消えてしまいそうな。こういう状態を描かせると上手いのがガス・ヴァン・サント監督で、「エレファント」(03年)や「パラノイドパーク」(07年)は最たるものだ。『チェイシング 追跡』のジョン・ポルソン監督も、同じセンを狙ったのではないかと思う。最初は。

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テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

妖鬼化とテレビ小説

 順調にiPadで遊んでいる。一瞬にして立ち上がり、どこでも持ち運び可能で、マウスを使うことなく指で何でも操作できる。それだけで、あぁ、なんと快適なのだ。今までパソコンはデスクトップ派で、ノートパソコンの小さな画面は好きではなかったのだけど、ノートパソコンよりもコンパクトなはずのiPadにこんなにハマってしまうとは…アップルめ…。

 最近購入したアプリケーションは「妖鬼化(ムジャラ)」。水木しげるが描いた妖怪画をオールカラーで収録したもので、水木本人による解説もついている。子どもの頃は本当に怪獣と妖怪が大好きで、妖怪に関しては明らかに「ゲゲゲの鬼太郎」の影響だった。TVアニメーションの再放送(おそらく1971年製作版)の虜で、妖怪に関しての知識を次々に仕入れて満足していた。そういう者にとってこの「妖鬼化」は本当にたまらなく魅力的で、水木の実に繊細なタッチに昔以上に惚れ惚れ。あぁ、水木先生、いつまでも元気でいて下さいと願わずにはいられない。

 …とは言え、近年は妖怪から随分と遠ざかっていたのだ。ではなぜ「妖鬼化」を購入するほどに妖怪熱が上昇しているのかというと、ハイ、それはもう、昨年ブームを巻き起こした(?)NHK朝の連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」の影響なのだった。テレビ小説を最初から最後まで見通したなんて、一体何年ぶりだろうか。水木しげるの奥さんが書いた本をベースにしていると聞き、ほんのちょっと興味を持ってチラッと観たところ、妙にノスタルジックな気分になって、それが心地良くてついつい最後まで観てしまった。ちょろちょろ妖怪ネタが出てくるところが、くすぐりになっている。小豆洗いや目目連が出てきたときには、小躍りして喜んでしまった。

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シャッフル2 エクスチェンジ

シャッフル2 エクスチェンジ “Possession”

監督:ジョエル・ベルグヴァール、シモン・サンドクヴィスト

出演:サラ・ミシェル・ゲラー、リー・ペイス、マイケル・ランデス、
   ツヴァ・ノヴォトニー、チェラー・ホースダル

評価:★




 韓国映画「純愛中毒」(02年)のリメイクとのことだけれど、そちらは観ていない。それゆえ反射的に思い出したのは、アメリカ映画「ジャック・サマースビー」(93年)だった(実はこちらもフランス映画のリメイクだけれど)。「ジャック・サマ ースビー」は「戦争から帰ってきた夫が丸っきりの別人に変貌していて(粗野な性格が紳士的になって)、ワーオ、一体全体どうなってるの?」という話。『シャッフル2 エクスチェンジ』はというと、交通事故に遭った夫(兄)とその弟の人格が入れ替わってしまって(夫は昏睡状態。弟は粗野な性格が紳士的になって)、ワーオ、一体全体どうなってるの?」という話。ほら、間違い探しみたい。ただし、受ける印象は全く違う。それは役者の格の違いだとか演出タッチの違いだとかの問題ではない。物語への入り込み方への違い。

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April 15 - 17 weekend, 2011

April 15 - 17 weekend, 2011

1 重なりあう時|$15,123(2)$30,246
2 ブルー 初めての空へ|$10,252(3826)$39,225,962
3 The Princess of Montpensier|$7,819(3)$23,456
4 Scream 4|$5,656(3305)$18,692,090
5 Atlas Shrugged: Part I|$5,640(299)$1,686,347
6 The Conspirator|$4,963(707)$3,509,048

7 Jane Eyre|$3,625(274)$6,605,035
8 Win Win|$3,323(384)$5,033,567
9 Soul Surfer|$3,283(2214)$19,865,129
10 Insidious|$3,020(2233)$35,870,891

【タイトル|一館あたりの興収(公開館数)累計興収】赤字:初登場作品 青字:上昇作品

 レディー・ガガさんのニュー・アルバム『Born This Way』のジャケットが公開になりました。ガガさん、なんとバイクと合体してしまいました!ヘッドライトの部分に顔があって、フロントフォークが腕になっちゃってます!そんでもって獅子のよう形相で、こちらを睨みつけて、ガオーッッッて吠えちゃってます!うぉー、ついにガガさん、メカ人間になっちゃいましたわさ!ジャスティン・ビーバーさんやテイラー・スウィフトさんあたりの優等生アイドルたちを喰っちゃいそうな勢い。スゴイなー、ガガさん、どこまでもお笑いを極めるつもりと見ました。

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テーマ : 興行収入ランキング
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エンジェル ウォーズ

エンジェル ウォーズ “Sucker Punch”

監督:ザック・スナイダー

出演:エミリー・ブラウニング、アビー・コーニッシュ、ジェナ・マローン、
   ヴァネッサ・ハジェンズ、ジェイミー・チャン、オスカー・アイザック、
   カーラ・グギーノ、ジョン・ハム、スコット・グレン

評価:★★




 ザック・スナイダー監督は基本的に、画面をとことん弄らないと気が済まない人のようだ。目の前に見えているものをそのままフィルムに焼きつけることを嫌い、編集を捻ったり視覚効果をふんだんに取り入れることで、強い印象を残す映像を次々と畳み掛けていく。『エンジェル ウォーズ』でも導入部だけでもその凝り方が伝わる。ドラムンベースが耳に残る大音量の音楽。何秒か置きに挿入されるスローモーション、背景の隅々までに行き届いたCG処理、意表を突いたユニークな構図…。ヒロインが精神病院に入られるまでが、ほとんどセリフに頼ることなくコンパクトに説明される。手際が良いと言って良い。ただし、チープである。

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台北の朝、僕は恋をする

台北の朝、僕は恋をする “First Page Taipei”

監督:アーヴィン・チェン

出演:ジャック・ヤオ、アンバー・クォ、ジョセフ・チャン、
   クー・ユールン、カオ・リンフェン

評価:★★★




 台湾・アメリカ合作映画『台北の朝、僕は恋をする』の主人公の青年を演じるジャック・ヤオは、そんなにカッコ良くない。垢抜けない匂いを全身から濃厚に発している。日本人で言うなら、伊藤淳史の雰囲気にオードリー若林正恭のエキスをふんだんに注ぎ込んだ印象。積極的にモテることはないだろうし、可もなく不可もなくのポジションをキープして呑気に笑っているのが似合っちゃう。でもこの手のタイプは、少女漫画的シチュエーションに意外なほどピタリとハマるのだ。ただし、女目線の少女漫画ではなく、男目線の少女漫画に限られる。

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ガリバー旅行記

ガリバー旅行記 “Gulliver's Travels”

監督:ロブ・レターマン

出演:ジャック・ブラック、エミリー・ブラント、ジェイソン・シーゲル、
   アマンダ・ピート、ビリー・コノリー、クリス・オダウド、T・J・ミラー、
   ジェームズ・コーデン、キャサリン・テイト、エマニュエル・カトラ

評価:★




 ジャック・ブラックを主演に迎え、ジョナサン・スウィフトによるあの「ガリバー旅行記」を、現代要素をふんだんに取り入れて映像化する。こんなに愉快になりそうな匂いがするのに、ほとんど視覚的な面白さが感じられなかったのは、3D映像の無意味さ、或いは出来映えゆえではない。ブラックの肉体の持つ爆発力を丸っきり活かせていないから、いや、活かそうとしていないからだ。

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ザ・ライト エクソシストの真実

ザ・ライト エクソシストの真実 “The Rite”

監督:ミカエル・ハフストローム

出演:アンソニー・ホプキンス、コリン・オドノヒュー、アリス・ブラガ、
   シアラン・ハインズ、ルトガー・ハウアー、トビー・ジョーンズ、
   マルタ・ガスティーニ、マリア・グラツィア・クチノッタ

評価:★★




 何と実話を基にしているのだと言う。バチカンには「悪魔にとり憑かれちゃいました」との報告が1年間に50万件もあるそうだ。どこまでが真実に忠実なのか知らないけれど、少なくとも悪魔祓い=エクソシストが職業として成立しているのは間違いない。アメリカの教会に一人はエクソシストを配置せよとの命令まで出ている。それだけでも驚くけれど、その上バチカンにはエクソシスト養成講座まで開かれているというではないか。うぉー、教会はホンキだ。いや、悪魔がホンキを出すから、教会がホンキにならざるを得ないのか。教会がホンキを出すから、悪魔も余計に本気になっちゃうのか。どっちでもいいか。

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イリュージョニスト

イリュージョニスト “L'illusionniste”

監督:シルヴァン・ショメ

声の出演:ジャン=クロード・ドンダ、エイリー・ランキン

評価:★★★




 毒とおかしみがスウィング・ジャズのリズムと共にロマンティックな配合を見せていた、同じシルヴァン・ショメ監督の「ベルヴィル・ランデブー」(02年)と比べると、随分と水分が多い。老人と少女の関係という、それだけで水浸し寸前の題材なのに、あえてそれを乾かす方向に舵を切らない。

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April 8 - 10 weekend, 2011

April 8 - 10 weekend, 2011

1 Meek's Cutoff|$10,012(2)$20,024
2 イースターラビットのキャンディ工場|$5,890(3616)$67,754,545
3 Win Win|$5,089(226)$3,434,825
4 ハンナ|$4,880(2535)$12,370,549
5 Soul Surfer|$4,789(2214)$10,601,862

6 Jane Eyre|$4,688(247)$5,146,695
7 Queen to Play|$3,976(6)$65,666
8 Insidious|$3,874(2419)$26,728,357
9 In a Better World|$3,738(12)$92,190
10 Arthur|$3,731(3276)$12,222,756

【タイトル|一館あたりの興収(公開館数)累計興収】赤字:初登場作品 青字:上昇作品

 メグ・ライアンさんと別れてからやたら好調のデニス・クエイドさんが、ロサンゼルスの自宅を売却、テキサスへお引越ししたそうです。売り出されたLA宅は8つのベッドルームと9つのバスルームがある他、プールやジム、馬小屋まであるそうな。どんな家やねん!ちゅーか、前々から不思議だったのですが、こういうスターの豪邸ってベッドルームやバスルームがやたら多いですよね。ゲストのためなんでしょうが、うーん、想像し難い世界でございます。多分クエイドさんに飼われている犬の方が、ワタクシより良い生活をしていることでしょう。いや、犬を飼ってるかどうか知りませんけど。

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トスカーナの贋作

トスカーナの贋作 “Copie conforme”

監督:アッバス・キアロスタミ

出演:ジュリエット・ビノシュ、ウィリアム・シメル、
   ジャン=クロード・カリエール、アガット・ナタンソン、
   ジャンナ・ジャンケッティ、アドリアン・モア、アンジェロ・バルバガッロ

評価:★




 母国で胸を打つ作品を発表してきた作家がハリウッドに招かれて、そのシステムに揉まれ、我を忘れ、輝きを失ってしまうというのはよくある話。例を挙げたらキリがない。金が絡んでくるのが拙いのか、プレッシャーがそうさせてしまうのか、スタジオの圧力が酷いのか。これまでにも色々想像してきたけれど、もしかしたら全てハリウッドのせいにしてしまうのは間違いなのかもしれない。アッバス・キアロスタミがイランを離れ、イタリアで撮り上げたフランス・イタリア合作映画『トスカーナの贋作』もまた、全く同じパターン。知り尽くした母国の空気から断絶が問題なのだろうか。

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ある日モテ期がやってきた

ある日モテ期がやってきた “She's Out of My League”

監督:ジム・フィールド・スミス

出演:ジェイ・バルチェル、アリス・イヴ、T・J・ミラー、
   マイク・ヴォーゲル、ネイト・トレンス、クリステン・リッター、
   ジェフ・スタルツ、リンジー・スローン、カイル・ボーンハイマー

評価:★★★




 主人公の青年は悪友に「ムードル(moodle)」だと形容される。もちろんこれは造語で、プードルのような男を意味する。女たちは彼を可愛がるが、決して寝ようとはしない。それがムードルだ。冴えない容姿で冴えない毎日を送るムードルが、グラマラスな美女にうっかり恋してしまう。しかもどうやら両想い。街中を見渡すと実感することだけれど、気づいているのかいないのかは別にして、世の中の大半の者はさほど容姿に恵まれていない。『ある日モテ期がやってきた』は彼らの肩を優しく叩く。

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アフターライフ

アフターライフ “After.Life”

監督:アグニェシュカ・ヴォイトヴィッチ=ヴォスルー

出演:クリスティーナ・リッチ、ジャスティン・ロング、リーアム・ニーソン、
   ジョシュ・チャールズ、チャンドラー・カンタベリー、
   セリア・ウェストン、シュラー・ヘンズリー

評価:★★




 まず、色に注目しなければならない。冒頭に映る人肌をアップで捉えたショットは陶器のように真っ白で、最初は絹か何かが映っているのかと思ったほど。続いて目に留まるのは、ヒロインのクリスティーナ・リッチの顔色。ほとんど血の気がなく、ある葬儀に出席した際など、遺体の方が血色が良い。実はこれは物語上、大きな意味を持っている。中盤のリッチはこれ以上に白いメイクが施されたままに、真っ赤なミニスリップで通す。そのときの白と赤のコントラストが鮮烈な印象を残す。ヒロインが置かれた状況下を視覚的に刺激していく。寒々とした舞台装置との対比も目に焼きつく。

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SOMEWHERE

SOMEWHERE “Somewhere”

監督:ソフィア・コッポラ

出演:スティーヴン・ドーフ、エル・ファニング、
   クリス・ポンティアス、ベニチオ・デル・トロ

評価:★




 結局のところ、ソフィア・コッポラは「ハリウッドのお嬢様」以外の何者でもないのだろう。何しろ父親は巨匠フランシス・フォード・コッポラだ。名門コッポラ一族の中でも大切に大切に育てられてきたに違いない。庶民とは考え方も感じ方も違うのだ。そんな冷めた目で観てしまう『SOMEWHERE』。幼い日の記憶を呼び起こしたかのようなこの映画には、「孤独」と「空虚」という言葉が、破廉恥なまでに至るところに散りばめられている。けれどちっとも現実味がない。ひょっとしてSFと言っても通用するかもしれない。

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神々と男たち

神々と男たち “Des hommes et des dieux”

監督:グザヴィエ・ヴォーボワ

出演:ランベール・ウィルソン、マイケル・ロンズデイル、
   オリヴィエ・ラブルダン、フィリップ・ロダンバッシュ、
   ジャック・エルラン、オイク・ピション、
   グザヴィエ・マリー、ジャン=マリー・フラン

評価:★★




 舞台になっているアルジェリアはアフリカ大陸北部、地中海に面していて、リビアとモロッコに挟まれている。思い切り大雑把で幼い思考に頼るなら、砂漠が果てしなく広がっている風景を想像してしまうけれど、ここに出てくる人里離れた村は草木が生い茂っているし、水も沸いているし、鳥のさえずりは聴こえるし、家畜ものんびりと息をしている。丘から見下ろすのどかな田舎の風景に、それだけで心洗われる。『神々と男たち』はそこにある修道院が舞台になっている。フランス人修道士たちがイスラム教徒である村人たちと共同生活を送っている。慎ましい日々の暮らし、共に働き共に笑い、病める者を優しく労わる生活。どうしてそんな風にフランス人とアルジェリア人の毎日が優しく溶け合うことが可能だったのかとふと思う。

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April 1 - 3 weekend, 2011

April 1 - 3 weekend, 2011

1 イースターラビットのキャンディ工場|$10,490(3579)$37,543,710
2 In a Better World|$8,265(4)$33,058

3 Win Win|$7,643(149)$1,947,944
4 Jane Eyre|$6,751(180)$3,479,513
5 Insidious|$5,511(2408)$13,271,464
6 Source Code|$5,002(2961)$14,812,094

7 Miral|$4,870(15)$163,161
8 Queen to Play|$4,682(6)$28,092
9 しあわせの雨傘|$4,676(24)$235,116
10 Super|$4,232(11)$46,549

【タイトル|一館あたりの興収(公開館数)累計興収】赤字:初登場作品 青字:上昇作品

 ナタリー・ポートマンさんがオスカーを受賞した『ブラック・スワン』でボディダブルを担当したバレリーナのサラ・レインさんが、「実際に踊ったのは私よ!ナタリーは5%ぐらいしか踊ってないわよ。こんこんちき!」とメディアに喚き散らしていましたが、監督のダーレン・アロノフスキーさんが場面毎に調査、具体的に数字を挙げながらポートマンさんが9割は踊っていることを証明しました。数字まで出されちゃってレインさん、ピーンチ!どうやって反論すれば良いのでしょうか。ちなみにポートマンさんは、この件に関して(今のところ)一切コメントを発表せず。その代わり監督や共演者、振付師(兼婚約者)が次々援護。賢明と言えましょう。

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ネスト

ネスト “The New Daughter”

監督:ルイス・ベルデホ

出演:ケヴィン・コスナー、イヴァナ・バケロ、サマンサ・マシス、
   ノア・テイラー、ガトリン・グリフィス、ジェームズ・ギャモン、
   エリク・パラディーノ、サンドラ・エリス・ラファーティ

評価:★★




 弟の学校の理科の授業における観察を通じて、幾度となくアリの生態が語られる。どうやらその“魔物”はアリと似た生態を持っているらしい。種族の大半はオスで、彼らは種の存続のために、一人のメスを崇め奉る。ズバリ、メスは女王である。ただし、ヤツらは同種から女王を迎え入れることはしない。どういうわけだか人間の少女に狙いを定めるのだ!ウッソォォォーン!

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ザ・ファイター

ザ・ファイター “The Fighter”

監督:デヴィッド・O・ラッセル

出演:マーク・ウォルバーグ、クリスチャン・ベール、エイミー・アダムス、
   メリッサ・レオ、ジャック・マクギー、メリッサ・マクミーキン、
   ビアンカ・ハンター、エリカ・マクダーモット、デンドリー・テイラー

評価:★★★★




 アイルランド系ボクサー、ミッキー・ウォードがその兄ディッキー・エクランドとタッグを組み、世界チャンピオンになるまでが描かれる。…となると爽やかな根性ボクシング映画、或いは生真面目な伝記映画、若しくはブルーカラーの家族を取り上げた温かな家族映画あたりを想像する。ところがこの『ザ・ファイター』、そういった直球の面白さも確かに具えながら、同時に奇妙な捩れを引き起こしてもいる。家族の形がかなり歪で、そこに特異な磁力が宿っていて、しかもそれを方々に向けてかき乱すのだ。寂しい匂いが立ち込めた、ローウェルの町で。

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わたしを離さないで

わたしを離さないで “Never Let Me Go”

監督:マーク・ロマネク

出演:キャリー・マリガン、キーラ・ナイトレイ、アンドリュー・ガーフィールド、
   シャーロット・ランプリング、サリー・ホーキンス、
   イジー・メイクル・スモール、エラ・パーネル、チャーリー・ロウ

評価:★★★




 ジェーン・モイハントが歌う「Never Let Me Go」が何度か流れる。この楽曲がタイトルにもなっているように、頑丈なラヴストーリーを話の軸に置いているのが正解だろう。SF要素を絡めたミステリーの味も具えているし、そこから派生していく社会派の側面や政治的アプローチも重要な意味を持つ。けれど物語を貫いているのは、愛の物語に他ならない。それも「恋っていいよねー」だとか「愛って素晴らしいね」だとか、軽々しく語ることのできるようなものではない。生きていくためにはどうしたって付きまとう「醜」が何重にも絡みついた、静かだけれど、生々しい愛。

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選ばれる女にナル3つの方法

選ばれる女にナル3つの方法 “The Romantics”

監督:ガルト・ニーダー・ホッファー

出演:ケイティ・ホームズ、ジョシュ・デュアメル、アンナ・パキン、
   マリン・アッカーマン、アダム・ブロディ、ダイアナ・アグロン、
   ジェレミー・ストロング、レベッカ・ローレンス、
   キャンディス・バーゲン、イライジャ・ウッド

評価:★




 「レイチェルの結婚」(08年)でアン・ハサウェイは、結婚式前夜の会食の場で、場を凍りつかせるスピーチをした。親しいからこそ感じずにはいられない居心地の悪さが充満、醜悪な方向に向かうその後の助走をブラックな笑いによってつけることに成功していた。同じように『選ばれる女にナル3つの方法』(邦題、嘘八百)にも会食場面が出てくる。そしてここでも凍りつく。ただし、凍りつくのは会食会場の空気ではない。誰も彼も真実味が感じられなくて映画そのものが凍りつく。ちっとも興味を惹かれない、嘘臭い人物ばかりなのだ。

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グレッグのダメ日記

グレッグのダメ日記 “Diary of a Wimpy Kid”

監督:トール・フロイデンタール

出演:ザッカリー・ゴードン、ロバート・キャプロン、スティーヴ・ザーン、
   レイチェル・ハリス、デヴォン・ボスティック、クロエ・モレッツ

評価:★★




 フランスが「プチ・ニコラ」(09年)ならアメリカは『グレッグのダメ日記』だ!…とは思ってはいないはずだけれど、絵本や小説が原作で、少年を主人公にした映画が続いている。こうなったら日本も対抗するべきではないか。「クレヨンしんちゃん」じゃ幼過ぎるか。「ちびまる子ちゃん」は女の子なのが引っ掛かる。ここはひとつ山中恒の「あばれはっちゃく」なんてどうだろう。古過ぎるか。じゃあ那須正幹の「ズッコケ三人組」シリーズではどうか。ハチベエ、ハカセ、モーちゃんとバランスも良い。

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