ロード・オブ・クエスト ドラゴンとユニコーンの剣

ロード・オブ・クエスト ドラゴンとユニコーンの剣 “Your Highness”

監督:デヴィッド・ゴードン・グリーン

出演:ダニー・マクブライド、ジェームズ・フランコ、ナタリー・ポートマン、
   ゾーイ・デシャネル、ジャスティン・セロー、トビー・ジョーンズ、
   ダミアン・ルイス、チャールズ・ダンス、ラスムス・ハーディカー

評価:★★




 ファーストシーンは主人公が処刑されようとしているところだ。一見危機一髪の状況のようだけれど、その罪は淫行である。しかも顔はブサイクだ。体型はデブと言える。口からは下ネタばかりが飛び出し、かつ卑屈な性格ときたもんだ。トドメにダニー・マクブライドが演じている。もちろんコメディになる。いや、コメディじゃなければ、ウソだろう。

 近年はバカ映画が量産されている。いや、ずっと前からバカ映画は存在していたのだけど、その大半は大真面目な姿勢ゆえ、その不器用さゆえ、思いがけずバカに近づいてしまったというタイプのバカ映画だった。最近のバカ映画は、確信犯的にバカを狙ってくる。「ここまでバカになっちゃいますよ。どうぞ観ているあなたもバカになって楽しみましょう」みたいな。その際は「いや、ホントは俺たち、賢いんですけどね」という注釈が漏れなくついてくる。意思に反してバカになるのは敬遠されるのだ。

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テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

タイタンの逆襲

タイタンの逆襲 “Wrath of the Titans”

監督:ジョナサン・リーベスマン

出演:サム・ワーシントン、リーアム・ニーソン、レイフ・ファインズ、
   ダニー・ヒューストン、エドガー・ラミレス、ロザムンド・パイク、
   ビル・ナイ、トビー・ケベル、ジョン・ベル

評価:★★




 よくよく考えてみると、ギリシャ神話には突っ込みどころが多い。神々の王であるゼウスは彼方此方に子どもを作る女たらしだし、ゼウスやハデス、ポセイドンの父親であるクロノスは子どもたちを喰ってしまうほどにとんでもない巨神。天上界のみならず、人間界をも巻き込んだ暴走の数々は、ハリウッドのメロドラマもびっくり。神話ゆえにロマンティックに感じられるところも多いけれど、ひょっとして人気の秘密は暴走の方にあるのだろうか。「タイタンの戦い」(10年)、そして『タイタンの逆襲』はその突っ込みどころに目をつけたシリーズなのかもしれない。

 ただこのシリーズは、神話のおかしみを大々的に取り上げながら、語り口は大真面目だ。兄弟や親子という血縁関係にある者たちが善悪に分かれ、愛憎の炎を燃やし、終いには生死の絡んだ争いを発展させていく。シェイクスピア劇に対抗意識でもあるのだろうか。リーアム・ニーソンやレイフ・ファインズが神々に配役されているところを見ても、作り手の本気が伝わる。本気なのは作り手だけで、観ている方は「こんなに暴走させて、神々が機嫌を損ねないだろうか」なんて心配してしまうのだけど。

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テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

裏切りのサーカス

裏切りのサーカス “Tinker, Tailor, Soldier, Spy”

監督:トーマス・アルフレッドソン

出演:ゲイリー・オールドマン、コリン・ファース、トム・ハーディ、
   トビー・ジョーンズ、マーク・ストロング、ベネディクト・カンバーバッチ、
   シアラン・ハインズ、キャシー・バーク、デヴィッド・デンシック、
   スティーヴン・グラハム、ジョン・ハート、サイモン・マクバーニー、
   スヴェトラーナ・コドチェンコワ、ジョン・ル・カレ

評価:★★★★




 混乱を強いられる。重要な登場人物が多い。場面によってファーストネーム、ファミリーネーム、呼び方が異なる。コードネームで呼ばれることもある。しかも、それぞれを結ぶ糸は複雑に絡み合う。諜報機関特有の用語も多々出てくる。作戦名も次々浮上する。気を緩めていては、アッという間にスパイの世界から放り出されることだろう。簡単に言えば、頭を使うのだ。映画は感じるものであって欲しい。そういうのとは対極に位置しているように見える。しかし、それでもなお、『裏切りのサーカス』は面白い。圧倒的な吸引力がある。ずっと酔っていたい快感に溢れている。一体全体何なのだ、これは。

 要するに頭を使う価値のある映画の芸がたっぷり注がれている。「二重スパイは誰か」という話を引っ張る軸への装飾が華やか。その充実が疲労感を誘うほどの緊張感を形成していると見て間違いない。極めて乱暴な言い方を選ぶなら、話自体がさっぱり分からなくても、心は快楽の水で満たされていくのではないか。これは恐るべきことだ。

 1970年代ロンドンの再現が徹底される。机や椅子、電話や文具、カーテンや絨毯がもたらす、時代という名の媚薬の効果。メガネやスーツも時代を映し出す。街並も匂う。スタイリッシュであり、モダンであり、なおかつ懐かしい気配を漂わせている。それが一転、諜報機関内部は殺風景に処理される。余計に匂いが濃くなる。

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テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

気がつけば…

 拙いことになった。ファーストシーズンでは特に思うところのなかった『glee グリー』なのに、セカンドシーズンではずっぽりハマってしまった。セカンドシーズンはNHK BS2で3月に集中放送されたのだけど、それに合わせて連日観ていてたら、催眠効果でもあったのか、気がつけばホイ、登場人物への愛情が湧き上がっていたのだった。

 セカンドシーズンを面白く観られたのは多分、レイチェルとフィン以外のキャラクターも積極的に話に関わり、しかも歌うようになったからのような気がする。話と歌が広がりを見せることで、キャラクターが立ってきたのだ。とりわけサンタナ、ブリトニーがよろしい。こんなに歌って踊れたのに、どうしてファーストシーズンでは出し惜しみしたのだろう。作戦なんだろうか。ファーストシーズンではそう言えばいたかも…ぐらいにしか記憶していないアジア系のマイク・チャンも、ダンスでばりばり目立ってくれて楽しい。

 新キャラクターのサムもなかなかよろし。からかわれている口が立派で良いじゃないの(ジャスティン・ビーバー話に笑う)。クインとナイスカップルだったのに、フィンのせいでヘンな方向に行っちゃったのが無念だ。カートの相手役として登場するブレインは濃過ぎて苦手なのだけど、歌は文句なしに上手い。演じるダレン・クリスはひょっとすると番組中、いちばん上手いんじゃなかろうか。

 そんなわけでレイチェル、フィン、そしてカートといった、より中心的なキャラクターにはますます興味が失せていくのだけど(シュースター先生には苛々するだけなのは、なぜ)、カートは父ちゃんの描き方が素晴らしく冴えているところで、ちょいとポイント挽回。あとは演じるクリス・コルファーが歌うときに歯を見せてくれたなら、良いんだけどなぁ。これは仕方がないのか。

 ベストエピソードはカートの父ちゃんの結婚式話かな。フィンとカートの関係にはついホロリ。パフォーマンスではレディー・ガガの「Born This Way」が、話との相乗効果で意外なほど感動的だったなぁ。アデルの「Rolling In The Deep」はアレンジを効かせ過ぎて、相当不満。

 今のところ、CDまでチェックしようという気分にはなっていないのが、何よりだ。ちゅーか、サードシーズン早く観たいぞ。そして…、

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テーマ : 戯 言
ジャンル : 映画

オレンジと太陽

オレンジと太陽 “Oranges and Sunshine”

監督:ジム・ローチ

出演:エミリー・ワトソン、デヴィッド・ウェンハム、ヒューゴ・ウィーヴィング、
   タラ・モーリス、アシュリング・ロフタス、ロレイン・アシュボーン

評価:★★




 血は争えない。これが映画監督デビューとなるジム・ローチはどうやら、父であるケン・ローチと同じく、社会派意識が強い傾向にあるようだ。我々が生きている世界に横たわる、根の深い問題の数々を映像に焼きつける。もしかしたら知らないままに生きていても生活に支障がないかもしれない事柄を、怯むことなく突きつける。作品を観る前から気分が重くなるのは辛いものの、頼もしい映画人と言って良いのではないか。

 その息子ローチが『オレンジと太陽』で取り上げるのは、英国政府、オーストラリア政府による「児童移民制度」だ。19世紀に始まったこの制度は、13万人以上に及ぶ英国の少年少女を、労働者として無断でオーストラリアへ送り込んだというもの。なおかつ孤児院では日常的に虐待が行われていたという。驚くべきことに、しかも1970年代まで続いていた。つい最近のことではないか。いくら伝達手段に乏しかったとは言え、これが80年代半ばまで公にされていなかったというのも衝撃だ。政策により親と引き離された子どもたちは、どんな毎日を送ったのだろう。ローチが目に留めるのも無理はない。

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テーマ : 映画感想
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